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夢の街

僕の夢は常に「同じ街」が舞台となっています。その“恒常的な街”の断片としては「気の遠くなるほど高所にある高架(高速道路に電車路線が走っています。時には空を飛ぶことがあります。また高架ではなく真っ赤な鳥居の場合もあります)」、「鄙びた温泉街と古びた商店街と百貨店とビル街(これらはつながっていることがあります)」、「街を取り巻く海と湖(水深は不明ですが、浅瀬に足をすくわれたり、時には潜水することがあります。水中には巨大な岩や山のようなモノがあります)」、「勤務していると思われる会社やホテルの建物(エレベータがあります)」、「壊れた、汚れた、塞がれたトイレ」などがあります。共通しているのは、それらは迷宮のような構造で、それらの中から決して抜け出せないことです。抜け出せないと言えばカフカですが、彼は自分の夢を素材に「変身」「城」などの作品を書いたのではないかと思われるのです。ネットに転がっていたドイツ文学研究者・須藤勲さん(千葉工大・准教授?)の「カフカの作品の舞台的な構造についての分析」(まだ読んでいません)に共通項があるような気がします。

僕の夢に戻ります。

夢に現れる恒常的な風景に僕は懐かしさを感じるので、抜け出せなくても恐怖を感じることは少ないのですが、時として背の高い化け物らしいモノが現れて凝視されていることがあり、この場合には大声を上げて目が覚めることになります。

僕は厳しい現実よりも夢の中の懐かしい街で生活したいなどと思うことがあります(化け物は不要ですが)。これはある意味、危険な精神状態であるようにも思われます。

現実の厳しさを素直に受け止めて、儚い未来を諦めて過ごすことにします。



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