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災害の多様性「微細なモノが与える大きな影響」


大谷翔平さんのニュースと同時に大きく報じられたのが「大手製薬会社の小林製薬が培養製造した紅麹サプリメントの摂取による健康被害」でした。小林製薬の紅麹原料を使ったサプリメントを摂取した人に、腎疾患などが確認され、3月22日時点で、小林製薬は6人が腎疾患などで入院したと発表していましたが、その後、新たに20人が入院していたことがわかりました。(YAHOO!ニュースより)

「紅麹のかび毒シトリニンが要因?」

同社は独自の発酵法による菌の大量培養に成功し、紅麹をサプリメントや食品の原材料として、食品メーカーなど52社に原料として供給しているそうです。紅麹を使用した商品はたくさんあることから、今後の展開が注目されます。健康に良いとされる発酵食品にも使い方によっては毒になるという人災のひとつですね。

古くから沖縄の豆腐ようや中国の紹興酒に使われてきた紅麹は、米などの穀類にカビの一種の紅麹菌を繁殖させて作るものです。

紅麹に関するかび毒に関しては、既に10年前の2014年の3月に、EUが紅麹を由来とするサプリメントに注意喚起を行なっていました。以下にその資料を転載します。

上記リンク「食品安全委員会サイト」の2014年3月の資料「紅麹を由来とするサプリメントに注意(欧州で注意喚起)」では、10年前の3月に欧州において、紅麹中のシトリニンというかび毒に対する注意喚起が行われています。

その資料には「血中のコレステロール値を正常に保つ」としてヨーロッパや日本などで販売されている「紅麹で発酵させた米に由来するサプリメント」の摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されているという内容でした。

EUは、一部の紅麹菌株が生産する有毒物質であるシトリニンのサプリメント中の基準値を設定しました。フランスは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされているそうです。しつこいようですが10年前のことです。

「欧州連合(EU)、紅麹由来のサプリメント中のかび毒シトリニンの基準値を設定」
という食品安全関係情報詳細記載があります。紅麹にはシトリニンという“かび毒”があり、EUは、サプリメントの成分基準値を設定したというものです。同資料には「スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、紅麹を成分に含む食品の売買は違法と注意喚起」、「フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、紅麹を有効成分とするサプリメントを服用する前に必ず医師に相談するよう注意喚起」という記載もあります。

小林製薬のサイトにも下記のような紅麹に関する記事がありますので参照下さい。

紅麹は蒸した米に紅麹菌(ベニコウジカビ/Monascus属カビ)を混ぜ入れ、発酵させた米麹。発酵によって鮮やかな赤い色素が生まれますが、それ以外にもさまざまな成分が産出されます。しかも、その成分は、かなりパワフル! GABA(γ-アミノ酪酸)やモナコリンKなど高い有効性が実証された機能性成分が含まれているのです。モナコリンKはコレステロールの抑制作用が、GABAは血圧低下、リフレッシュ効果などが知られています。赤い色素成分にも抗酸化作用があり、色々と健康に役立つ可能性を秘めています。

小林製薬「紅麹の成分と作用」より転載

「シトリニンではなくアレルギー反応を起す未知の物質が要因?」


しかし、小林製薬の会見によると、今回の健康被害は、かび毒のシトリニンではなく、 調査していく中で、ある医師からはアレルギー反応による症状の可能性が高いのではないかという見解を得たということです。

さらに会見では、一部の製品ロット、紅麹の原料ロットについて、「通常ならみられない物質」が、ピークの形で検出されたということです。 現状、その物質を特定するまでには至っておらず、大学の研究機関などで特定作業を行っているということですが、小林製薬は、それが原因となった疑いがあるとみているようです。

健康に良いといって健康食品に飛びつくと、健康に良いどころか思わぬ反作用や副作用があるものです。それは、栄養のある牛乳に対して牛乳が有毒となってアレルギー反応を起す方々がいるのと同じです。


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