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新生音楽、がーんと響いた

2020/3/24TUE. 19:05〜
新生音楽 シンライブ 高野寛×原田郁子(クラムボン)
LIVE配信をライブで体験した。
いわゆる普通のライブ配信とはちがっていて、
「そのトーンとは、音楽家の繊細さをメディアに乗せるときに、ほとんど落とすことなく、(何ならブーストさせて)記録するということ」
「3月24日、「新生音楽(シンライブ)」で僕らが目指しているのは、
こういった、映像の質感、音の質感のまま、生配信を行うということ」
(GRAPHERS’ GROUP石原淳平さんのnoteより)

高野兄さんが

たかのくん

と書いていた。「そこに道がなかったら、自分で道を作る」。
それはデビューからの一貫した姿勢なんだろうな。
かつて広島の大きなホールで高野くんのライブを兄と見に行った時、
満員の女性ファンからキャーキャー黄色い声が飛ぶ中で
振り回すと音がなるでかいホースをぶわんぶわん言わせて嬉しそうに奏でてた。マニアック!ファンはやや引き気味にそれでもキャーって言ってたけど、なんか高野くんらしいな・・・とほんのり思ったのだった。

デビュー30周年、大御所、その経験値だけで十分うまくやれるはずなのに
あえて30周年記念アルバムではサウンドプロデューサーにばーんと身を任せて、なんか聞いたこともないフレッシュな高野くんが立ち現れた。
いつでも、見たことも聞いたことない音楽を探しているのかな。

この2月中頃からこの世界はどんどん窮屈で不自由になっていった。
ライブイベント自粛延期、学校休講、文化施設休館、閉塞感、先行き不安
そこでできることはなにか、
むしろその状況を逆手にとって新しい試みをする、
これまた高野兄さんらしい・・・

その「新生音楽」は想像以上の体験だった。
まず「ライブ投げ銭」を初めてした。ちゃっとクレジットで決済できるスマートな仕組みがあるんだねー。
画面の中の二人はヘッドフォンをして自分たちの音を聞き、ネットの向こうのオーディエンスの反応は伝わらない。
曲が終わっても拍手の音は響かず、照れたように戸惑う二人。音がよくて戸惑うわたし。なんかすごいけどどう振る舞っていいのかよくわからない、
が、リアルタイムのチャットを眺めていると不思議な感じになった。
ライブでは参加者の反応はボディーランゲージか歓声だけであって、心の声はわからない。だけど当然みんないろんなことを心に叫びながら聞いてるのだ。それがチャットのタイムラインに可視化していくのはとても愉快だった。
やがて参加者同士がほんのり応答したり、関連づけてコメントしたり
楽しんでる!すごいね!という反応がどんどん連鎖していくようだった。
それは見えない糸でひととき結ばれた参加者の心のかたまりだった。

ばんばんタイムラインに「投げ銭」されていくあの感じもよかった。
昨今、中学生がマスク作って配ったり、料理屋さんが子供弁当配ったり、いろいろ美談になってるけど、タダはいかん。
そのスキルで喜ぶのはタダじゃいかんのだよ。
銭の多少はともかく、喜びを伝える手段としてとても適切だと思った。

新しいものが生まれる瞬間に立ち会ったなあという興奮が残った。

そしてその興奮は、警戒と不信に倦んでいた心をぶるぶるんと揺さぶった。

イベントはすべて延期になった雲間、お茶屋としての日々の営業もこの先どうなっていくのか予断がならない。
お茶教室に6名が密に集まることも心理的に苦しくなってきていた。

「そこに道がなかったら、自分で道を作る」
そこでできることはなにか、
むしろその状況を逆手にとって新しい試みをする
わたしもそうありたい。そうあるべきだ。

新生お茶会、集まらなくても自宅でお茶を淹れて楽しむお茶会お茶教室、できるんじゃないの?
「お茶教室をお届け」したらいいんじゃないの?
みんなでは〜とか言いながら飲む“温泉感”はむつかしいけど
そのかわり、マンツーマンの詳細さは文字で表現できるんじゃないか。
お茶の淹れ方、におさまらない、お茶を淹れるライブ感を文字にして
その読み物と、そこで淹れ方をやってみることができるお茶を数種
お届けして楽しんでもらう。言葉とお茶の葉。
おしゃべりするように伝えたいことを文字に、文章にして
すごく些細なくだらないこともふくめてわたしの言葉でお茶を淹れる。

と、アイデアがあふれてきた。
新生音楽のおかげだ。勇気がわいた。

新生音楽の最後の曲は「hibiki」だった。くー! 今、聞きたかった!

「ああ響きあう歌が届いたら
 この闇を照らす光になるから
 ああ響きあう心はいつでも
 この闇を照らす光になるから」

たぶん聞いていた人の心に確かな光がさしたね。
この先の見えない道を照らしてくれたよね。
歩き出そう、それぞれの場所で新しいことを作り出していこう。



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