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2021.8.25.WED ずっとドッヂボールみたいな

広島にも緊急事態宣言がでた。
だからといって何がどう変わるのか?酒はダメらしい。
酒蔵や酒販店は涙も枯れてるのではないか。長雨豪雨で酒米の出来も気になるし、知らないうちに知らない仕事や守りきれなかったものが消えていくのだろうか。

「酒を出さない飲食店とか飲食店じゃないとこにも支援金があるの知ってました?」
知りませんでした。ほんとにこういう情報はうかうかしてる人にはやってこない。教えてもらってありがてぇ。

広島県の「頑張る中小企業月次支援金」は、今年5、6、7、月の売り上げが2020年か2019年と比べて50%以上減または30%以上減で申請できる。個人事業主なら上限10万円(中小法人は上限20万円)。50%以上減ってたら国の「月次支援金」にも申請することが条件となる。

5月と7月は一昨年比30%以上減であった。ので申請する。
昨年からこういう申請作業は何度もしてきたので慣れていると言いたいがそのたんびにフォーマットも必要なものも微妙に違うのでやっぱり何度やっても慣れんわ。
免許証、通帳、自筆署名の宣誓書、営業許可証、確定申告書、該当月の帳簿類、それらを写真に撮りまくって申請フォームにアップしていく。
ちなみに国の申請フォームではJPGのままでよかったが広島県はすべてPDFに変換しなくちゃいけなくて超めんどくさかった。
「JPG PDF 変換」とかで検索して出てきた無料変換サイトで広告に埋もれながら作業した。ちなみに「上限10万円」というのはつまり売り上げ減少率で計算されて10万円以下で支給額が決まる、ということだった。結果8万円弱支給されるらしい。いくらでもいただけるならありがてぇだ。

そして6月は一昨年比なんと50%以上減だった。なんか凹む。
その場合国の「月次支援金」への申請後、「月次支援金の給付通知書」の写しの添付が必要となるらしい。ちなみに国の月次支援金も上限10万円。
じゃあ国の方から申請しますか、


「「登録確認機関での事前確認」が必要です」
なんじゃそら

“月次支援金の不正受給や誤って受給してしまうことの対応として、申請希望者が、①事業を実施しているか、②給付対象等を正しく理解しているか等を事前に確認します”

以前の給付金を性善説で急いで配って相当痛い目にあったのだろうか。

登録確認機関なるものを検索してみたら税理士、行政書士、中小企業診断士がずらずら出てきた。
店から一番近い税理士さんとこに電話かけて予約して行ってきた。

こういう士業とは日頃まるで無縁なので緊張する。
そこはでっかい会計事務所で、ロビーやエントランスにはいっぱい油絵が飾ってあった。こちらにどうぞ、と個室に案内される。
アクリル板の下の隙間から、若い税理士さんに持参書類を次々渡す。
免許証(コピーされる)、通帳(令和元年からのもの)、帳簿類、確定申告書、自筆署名の宣誓書など。
雲間は吹けば飛ぶような生業なので経理もアナログでお粗末で成績もお粗末なそんなものをお見せするのは甚だ恥ずかしい。お金の動きと売り上げの様子をプロの目で追っかけられて悪事に身に覚えはないが「よくこんなお粗末なことでやってられますね」と言われるんじゃないかとじっとりする。

「それではこちら口頭での確認です」
分かった上で申し込んでるよね?不正あったら返金よ?その場合罰則もあるよ?わかってんの?的な内容を読み上げられ「あ、はい」と返事する。
なんとか終了。申請IDに「確認しました」登録をしてもらうと申請できるようになるらしい。

この登録確認機関での確認作業、申請者は基本無料、国からは1件につき千円支払われる。千円て。このクソ忙しいのにお手数おかけしました。今川玉香園茶舗のおいしいほうじ茶三角ティーパックを差し上げると喜ばれた。

ほっとしつつ、蒸し暑い道をぽてぽて歩きながらぼんやり考える。

緊急事態宣言かぁ。
広島でも毎日300人とかの感染者数が報じられ一向に減少する気配もない。身近なところでの感染も聞こえるようになった。
なんだろうこれ
まるでドッヂボールみたいだな
運動苦手だったから玉が当たらないように逃げ回るのが精一杯だった。前を向いたり後ろを見たり、狭いコートをただひたすら逃げまどい、玉が当たった子はアウト、外野へ。コートの中の人数が少なくなって、玉をまわすスピードが速くなり、狙われる確率が上がり、息が切れ、

当たったら
あとは運ゲー、うまくいけば治癒、下手すれば死んじゃうかも
こわいな

この「こわい」という感情の威力はすごい。
ここにきていろんな人がこわすぎてちょっとおかしくなってる感じがする。
いや、おかしくなってんのはわたしなのかな?わたしの方やも??

SNSで「ワクチンは打たない、イベルメクチン個人輸入した」という投稿を目にして驚いた。

イベルメクチンって、変形菌を育て研究する増井真那さんの講演会のときにでてきて知った。ノーベル賞を受賞した北里大学の大村智博士がたしか静岡のゴルフ場の土中の微生物から発見したんじゃなかったっけ?そんでそれがアフリカの風土病の特効薬として広まった、と。
それがなんでコロナに??
ちょっとググって事の経緯はなんとなくわかったけど、ほんとに効くのかどうかは賛否両論でわたしにはわかりっこない。

東日本大震災での原発事故のとき、Twitterで「すぐに子供たちにイソジンを飲ませて!」と発信した著名人がいたのを思い出す。
“被曝する前に放射能をもたないヨウ素を服用し、甲状腺をヨウ素で飽和しておくことにより、放射性ヨウ素の内部被ばくによる甲状腺への取り込みを予防することができます” でもガラガラペッてするイソジン飲んだらたぶんだめだよね。でもなんでだめなのかちゃんとは説明できない。

医学や科学の知識なんて普通の人にはたいしてないから、だれか著名人や専門家の言うことを頼りに判断するんだろうけど、その信頼はどこからくるのだろう。
イベルメクチンを個人輸入した人は、何を信じたのかな。
それはこうなるずっと前から培われた信仰で、その人の土壌だ。
だからそれをだれも咎めることはできない。

マスクする人しない人、ワクチン打つ人打たない人、どちらか、ではなくその間にゆらぐグラデーションの気持ちがあって、なにが正解かはわからないけどこっちかな?を日々繰り返してる。緊急事態だし異常気象だし熱中症警戒だしもう息をするのもいやになる、それとどう折り合いをつけて暮らすのか、ほんとに困難な日々が続くよなぁ。

ふと鉄道の高架を見上げるとツタがはい伸びてわさわさ繁り、鮮やかなオレンジ色の花を咲かせていた。
亜熱帯かここは。なんだったけ?ノウゼンカズラ?たくましいな。
なんかお構いなしだな

ほんと、お構いなしだな

そうだよ。お構いなしでいいんじゃないの? よくわからないけど

せまいコートの中を逃げまわるようなみじめなイメージじゃなくて、
それぞれのお構いなしがめりめり葉を茂らせて自分をみっちり覆い尽くしていけばいいんじゃないの? 草ボーボー。なんか花とか勝手に咲いたりなんかして。
そしたら、多少玉があたったくらいじゃびくともしないんじゃないの?

とはいえ不織布マスクきちんと装着して当分は息をひそめて暮らすことになるわけだが。気分は命みなぎる亜熱帯のジャングルでね。ボーボーでね。

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