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不動産のリスクは自己責任 ~「自分の安心安全が守られるか」という視点を持とう

こんにちは、くみょんです。
今回は、「住宅とは命を守るものである」ということについて書いてみたいと思います。

✅台風襲来時の私の「浸水」体験


ここ数年、台風の被害が大きくなり河川が氾濫し、街の中に一気に濁流が入り込む映像がニュースで流れることも多くなりました。

私が、「水」の怖さを実感したのは、2015年の9月の台風18号。当時静岡県浜松市に居住していました。台風が通り過ぎ雨が止んだ終業後、会社から車で自宅アパートに向かう途中、すでに国道が浸水していました。

国道を1本入る自宅に向かう道路には、どう見ても水が溢れていて入っていけない状況でした。仕方なく、国道沿いのコンビニに車を止めて、水の中を歩いてアパートに向かいました。アパートの少し手前で水かさが増し、膝上まで水につかりながら、泥水をかき分けてなんとかアパートにたどり着きました。

着替えを取ってベランダの片づけをし、短パンに着替え、サンダルに履き替えてまたコンビニまで戻り、その後知人宅に身を寄せました。

車を運転しているときに、みるみる水かさが上がっていく恐怖、「何とか持ちこたえて」と祈りながら水に突っ込んでいく感覚、いまでも鮮明に思い出します。それほど、迫ってくる「水」は怖いものです。当時の部屋は2階だったので浸水被害はなかったのですが、その時の恐怖が忘れられずにすぐ高台に引っ越しました。
もし、当時私が住んでいたのが「持ち家だったら大変だったな」と思います。

2019年の台風19号(令和元年東日本台風)は東京で体験しました。阿武隈川や千曲川が氾濫し、新幹線の車両基地が水没したことは記憶に新しいです。新幹線や電車もすべて止まり、台風の怖さを再認識することになりました。

✅家を買うときに考えるべきは「自分の安心安全が守られるか」まずはリスクを認識する


家を建てる、マンションを買うとなったときに、設備や間取り、立地の利便性などに目を取られがちですが、やはり一番に考えるべきは、「自分の安心安全が守られるか」ということです。

そのためには、まずは昨今の災害事例などから「リスク」を認識しておくべきです。

立地について確認すべきこと

購入物件の立地については、下記を確認します。
・ハザードマップ
 重ねるハザードマップサイトや市区町村のサイトで確認
・河川整備計画
・地盤調査結果

数年前から、不動賃貸や売買の「重要事項説明」時にハザードマップについて説明することが義務になりましたが、自ら調べ、浸水可能性が低いエリアを選ぶことが重要です。

最近の戸建て住宅はハイスペックですし、都心のマンションの価格は上昇しています。高い買い物を住宅ローンというリスクを取ってするのですから、営業担当や販売員任せにせずに、自分で調べることが重要です。

住宅とは命を守るもの、設備や仕様ではなく、「どこに建てるか(買うか)」そして、災害に見舞われたときにその家を「どう再建するのか」。災害という面でも、出口戦略が今後重要になってくると思います。

✅減災のための事前対策・事後対策

災害と住宅を考えたときに、参考になるのがこの本です。
長嶋修 「災害に強い住宅選び」 2022年

本の中で特に役に立つ部分が、第5章の「減災のための事前対策・事後対策」です。マンションと戸建てに分けて、リスクに対してとれる対策がまとめられています。

特に一戸建ての場合は、自分で対策をする必要があります。この本で述べられている「一戸建ての事前対策」についてまとめてみます。

1.修繕積立金を自分で準備し、修繕のタイミングの目安を認識しておく


さくら事務所で築後30年で想定される修繕費用を試算すると830万円にもなるそうです。最近は「メンテナンスフリー」を謳うメーカーもありますが、建物の劣化は避けられない部分が大きいです。ここはマンションを見習って少しずつでも修繕資金を積みたてていく発想を持つべきだと思いました。

2.風水害を意識した設計を行う

基礎を高くする、2階以上にキッチンやバスルームを設ける、コンセントを高い位置につける、1階と2階でブレーカーを分けておく、などです。

3.排水溝や側溝などを掃除しておく

自宅前の道路やバルコニーなど、定期的に清掃が必要です。

4.防災備蓄や土嚢、止水版などを準備する

台風が近づいて慌てて準備するのではなく、事前に用意しておきたいものです。

✅不動産の災害リスクは自己責任


先日、同僚と話をしていた時に、「家賃や坪単価など、お金の面を気にしなくていいとしたら東京のどこに住みたい?」という話になりました。同僚たちは、「住み慣れた東横線沿線」とか、「やっぱり憧れの港区」とかそんな答えでした。私は少し考えて「高台で災害が少なく、新幹線と空港の利便性の高いところ」と答えました。「そういう考えもあるんだね」とびっくりされてしまいました。不動産業界の同僚でもそうなのです。

不動産の災害リスクについて、「知らなかった」では済まされません。不動産会社任せにせずに、購入者自らリスクを認識し、「万が一の場合はどうするのか」を考えたうえで、住宅の建てる場所や購入する物件を検討していくべきだと思います。


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