今回は「平成25年司法試験 民事訴訟法」(採点実感)を読んで、答案の書き方を確認してみましょう。
(採点実感)
https://www.moj.go.jp/content/000122708.pdf#page=19
○ 「基本的な原理・原則や概念」を正しく理解するとともに、「基礎的な知識」を習得する。
○ 「問われていること」が何かを的確に把握した上で、それに「正面から答える」。
○ 抽象論に終始せず、「事例に即して具体的に、かつ掘り下げた考察」をする。
× 「問われていること」に正面から答えていなければ、点数を付与していない。
○ 「問われていること」に正面から答える。
× 論点ごとにあらかじめ丸暗記した画一的な表現をそのまま答案用紙に書き出す。
○ 「設問の検討の結果」を「きちんと順序立て」て「自分の言葉で表現」する姿勢が極めて大切である。
○ 問題文には「検討の手掛かりやその方向性」等が示されているので、「その先の掘り下げた考察」を行うことがメイン論点である。
× 「与えられた手掛かり」等を十分活用できていない答案
× 問題文に「遺言という過去にされた法律行為の効力の確認を求める訴えですが、」とあるのに、「現在」「過去」という概念を用いて論点を整理しない答案
× 問題文に「三十筆余の土地及び数棟の建物を含む全財産を遺贈する内容の遺言の効力が争われた事案において、」とあるのに、昭和47年最判の事案を分析する際に着目しない答案
× 問題文に「前訴において、Gの請求はその限度で認容されるべきであった」とあるのに、これを検討の手掛かりや方向性として活用しない答案
× 問題文に「裁判所は、請求原因の一部であってGが主張していない事実を判決の基礎とすることができるか」とあるのに、これを検討の手掛かりや方向性として活用しない答案
○ 試験時間の制約がある中で効率よく題意を把握するため、設問の部分から先に読むこと自体は問題がない。
○ 「登場人物の会話も問題文」であり、そこには「出題者の意図」が込められている。(=問われていることが何なのか、「出題者の意図」を読み取ることが論述の出発点)
× 〔設問●〕等の見出し以下の部分を最初に読んで、題意を早合点し、結局問題文全体を丁寧に読まない。
○ 「問われていること」(=論じるべき事柄)を的確に把握している答案
○ 「論じるべき事柄」について、必要な論点を論じている答案
○ 「論じるべき事柄」について、設問の事例との関係で(=事例に即した考察)、「結論に至る過程」(=論理の積み重ね)を、「具体的に説明」(=説明の具体性)できている答案
× 「説明の具体性」(=事例に即した具体的な考察)が不十分な答案
× 「論理の積み重ね」(=事例に即して掘り下げた考察)が不十分な答案
× 「最低限押さえるべき論点」(=基礎的な知識)も押さえられていない答案
○ 「論点の知識」を押さえるのと同時に、「『設問で問われていること』から『論点』を抽出する能力」(=法的思考力)を鍛える必要がある。
× 「判例に関する記憶の量」(=判例論パ)を試すような出題はしていない。
○ 「出題された内容に応じて」、「判例の射程」を論じる能力を養う。
○ 「出題された内容に応じて」、「判例の示した法理に基づいて立論」できる能力を養う。
○ そのためには、「判例の位置付け」を民事訴訟法全体との関係において体系的に把握する。
○ そのためには、「判例の基礎となった事案の特殊性」を理解しておくことが肝要である。
○ 答案の分量としては5枚程度でも必要かつ十分な論述ができていた。
○ 考えながら書くのではなく、書き始める前に、答案構成に十分な時間をとることが大切である。
× 極端に小さな字や薄い字、潰れた字や書き殴った字の答案(=読み取れなければ、読み手は理解できない。)
× 各行の幅の半分にも満たないサイズの字
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