初胃カメラ

2020年12月17日、この日初めて胃カメラを受ける事になった。

正直、自分が胃カメラを体験するという事にあたり、
自分がどうなるか、何の想像も出来なかったのは確かである。
問診表を見ても、「口から入れる」「鼻から入れる」「鎮静剤の有無」
という、後から見れば重要すぎる選択肢を
「まあ、鼻から突っ込むの痛そうだし口からでいいや」
ぐらいの感覚で「口から」にチェックをするぐらい
この時に自分には後先が見えていなかった。
今だから言えるが、コイツはどうかしている。
自撮り棒片手に治安の悪い国へ突撃するぐらい彼の視界は思わしくない。

最初にその兆候に気づいたのは12月17日の病院内。
健康診断での問診で担当医がなぜか笑い出した事に始まる。
女性の担当医は問診表を見た途端、こっちが結構なジョークを
飛ばしたぐらい、机に突っ伏す勢いで笑いながら
「胃カメラは経験したことありますか?」
と質問してきた。
こちらが未経験だと伝えると、さらに笑いながら

「どうだったか、また教えてくださいね」

初対面である担当医のフレンドリーさも気になるところだったが、この時点で何かしら身に嫌な事が降りかかる予感がしたので、
「どんなもんなんですかねぇ?」
と聞くと、普通は鼻から、あるいは麻酔中に行う場合が多く、
口からはあまりいないとか。
ドラマやコントでは口から入れるので、てっきり口からが
普通かと思っていたが、どう考えても担当医の様子は
「えらい目にあうから気を付けてね。もう遅いけど。」
のそれだったので、身長やら視力やらの検査中もずっと
モヤモヤしたまま、その時を迎える事に。

検査室前で寝落ちする程度には待たされ、胃を膨らませる的な
薬を飲んでベッドへ。
のどの麻酔を飲んだあと、横になりマウスピースをつけられて
いよいよ初の胃カメラへ。

胃カメラの担当医からは
「のどを通る時と、十二指腸(うろ覚え)を通るときが苦しいですが、
 そこを通れば楽になります」
との説明。
入った瞬間は恐らく麻酔が効いていたので、こんなもんかという印象
だったが、のどを通る瞬間に顔の穴全てから液体を噴出。

「これかー」

と思った頃には既に器官に異物がぶっ刺さっているわけですが、
都合2回の大えずきを経て数分のうちに検査は終了。
担当医からは「潰瘍ほどじゃないですが、胃が荒れているので
(具体的な胃腸薬の名前)を飲んで下さい」との忠告。
のどの麻酔を多少残したまま、帰途に就いて指定された胃腸薬について
調べてみると

なんだあいつら。

(了)

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