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OKRを導入し定着させるには

[2017年にはてなブログで書いた記事を、noteに引っ越ししました]

2016〜2017年ころ、当時働いていた会社のOKR導入に携わったので、現場の視点で導入・定着のポイントをまとめてみる。OKR導入を検討されている方の参考になれば、、。

結論

OKRは銀の弾丸ではなく、合うか合わないかはその会社次第。

OKRの良いところ

- 全社ミッションと目の前のタスクとの関連性がわかる。
- 他人・他部署のミッションを把握できる。
- 個人のミッションに集中できる。無駄なことをヤラなくてすむ。
- 設定を壮大にすると、発想が大胆になる。
- 施策(の細部)を検討するときに、大方針を確認できる。

OKRを導入しても定着しないケース

こんなケースだと、OKRは定着しない。

1)業務整理できておらず、一人何役もこなす状況
例えば、OKRでは◯◯がメインミッションだが、それ以外に雑務タスクがたくさんある状況。このケースでは、マネージャーが部下にOKRの意義を説明できない。現場の士気が下がり運用が破綻する。

2)OKRを「単なる目標分解のフレームワーク」と捉えてしまう
この場合、個人のKRに具体的な施策が設定される。評価基準は、数多くこなしたか、とか、予定より早く実現したか。これだと生産性は高まるかもしれないが、大胆な発想は出てこない。OKRのメリットが得られないので、わざわざ導入しなくてよい(MBOでいい)。

3)不確実なチャレンジがしにくいカルチャー
OKRは現場にチャレンジを求める。チャレンジが推奨されないカルチャーとは相反する。「ミスしたら怒られそう」とか「他人から見えないようにSlackのPrivateチャンネルで話そう」とか、そういったマインドのある会社では、OKRは定着しない。社内政治力が必要な会社でもOKRは定着しない。

補足
OKRではカルチャーを変えられない。カルチャーを変えられるのは、仕組みではなく「熱量をもった人」。

OKRがフィットする会社

こんな組織だと定着するんじゃないだろうか。

1)組織としても個人としても、やることがシンプル
OKRに関連する業務に集中できる。どんな手を使ってもいいから目標を達成しよう、というマインドが生まれる。

2)どんな施策でも現場主導で実行できる環境
Objectiveには壮大な目標をが設定されているので、今までやったことがない打ち手が必要になる。調整ごとは最低限で、施策を即実行できる環境なら、大胆な打ち手が生まれるはず。

3)失敗に寛容
今までやったことがないことをやるので、必ず失敗する。小さな失敗をへて大きな成功をつかむ。

OKR導入担当者が考えるべき事

「どうやったらOKRを定着させられるか?」
ではなく
「どうやったらOKRが定着するような組織になるか?」
を考えるといいのではないか。
OKRのことだけを考えていても定着はしない。

まとめ

OKRは銀の弾丸ではない。OKRがハマれば会社・個人の成長に繋がるが、合わないケースも多々あるので、その時はさっと捨て、いつかまた導入する。

参考書籍

OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法 よりも、ジョン・ドーアの「Measure What Matters」のほうがおすすめ。

OKRの基本から応用(例えば、期の途中でもOKRを変えていい、とか)が書かれており、OKRの設定例も豊富に掲載されている。 また、OKRが組織や文化と非常に密接に関係していることも理解できる。


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