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苦しいと思ったらすぐに「降伏」するようになった話

実践してみると割と有効だったので、みなさんにもシェアしたいと思います。

積極的に降伏するようにしてから、メンタルの落ち込みが減りました。両手を上げて「負けました。これ以上は戦いません」というポーズをとる感じ。

苦しみと格闘しても悪循環に陥るだけだから、さっさと降伏して無駄な戦いを避けるようにしています。

ヒントをもらったのは、鈴木祐さんの『無』という本です。

ざっくり語ると、この本の中に「一般の人と仏弟子は何が違うのか?」という話が出てくるのですが、その答えが「二の矢が刺さるかどうか」なのです。

一の矢は、避けられない苦しみのこと。例えば、病気。

二の矢は、一の矢に続く思考です。例えば、「なんで僕は病気になってしまったんだ…」などです。

本書では以下のような例が紹介されています。

・同僚が昇進したことに対し(一の矢)、定期的に「私の能力が低いのか…」など自分を責める(二の矢)
・貯金が少なくなったことに対し(一の矢)、「このままでは将来の生活はどうなるのか…」と不安を募らせる(二の矢)

鈴木祐著『無』p36より引用

これを読んだ自分は「めちゃくちゃ心当たりあるな!」と思いました。

休職中は「復職に向けて1日活動しようとしたけど、疲れて午後から寝てしまった」とかがよくありました。

その事実(一の矢)に対して、「自分はなんてダメなやつなんだ」(二の矢)「こんなんじゃ復職しても失敗するだろう」(三の矢)「そもそも、あのときああしておけば…」(四の矢)

という具合に、何本もの矢を自分自身に刺して、苦しみを倍増させていたのです。

復職した今でも、日常的にストレスはやってきます。仕事がうまくいかなかったとか、疲れているのに家事をしなきゃいけないとか。

そのときに「なんで自分ばかりこんな思いをしなきゃいけないのだろう」とか「他の人がもっと動いてくれたらいいのに」とか浮かぶわけです。

一の矢は避けられないのですが、二の矢、三の矢をブスブス刺すのはどうにかしたい。そんなときの解決策が、「降伏」なわけです。

これは僕が考えたわけではなく、鈴木祐さんが『無』の中で提案されています。

私たちが人生で出くわす”一の矢”(痛み)は誰にも避けられません。そこに「現実への抵抗」という行為が加わることで、”二の矢”(苦しみ)が生まれるわけです。ならば私たちが取れる対策はひとつしかありません。すなわち、現実に対して積極的に「降伏」するのです。

鈴木祐著『無』p151より引用

実践した感想とか

どんなタイミングで「降伏」するかというと、ぐるぐる思考が始まったときです。ストレスを感じた後に自分を観察すると、いろんな思考が飛び交います。そこで「これは降伏できないか?」と考えるようにしています。

もちろん何か問題を解決したほうがいい場合もあります。ただ、経験上、たいていの場合、苦しみと格闘しても何にもいいことがありません。自分や他人に対する怒りが増し、機嫌が悪くなることが多い。

最初に書いたように、両手を上げて「負けました。これ以上は戦いません」というポーズをとる。実際にとる。降伏、降参。これ以上無駄な戦いはしないという判断。これがうまくいくと、「やるじゃん自分」という気持ちになります。

もちろん、負けてはいけない大事な試合もあります。僕の場合「再発をせず、継続して働くこと」です。ここに関しては積極的に勝負に出る。でも、他の場面は負けていい。

日常的なストレスのすべてで戦う必要はない。むしろ、戦うと疲れる。

これは何の科学的根拠もない経験からの実感なんですが、「自分の思い通りに人が動いてくれないとすごい疲れる」ってありませんか。僕はあります。

そんなときは大抵、二の矢、三の矢がブスブス刺さっているので、さっさと「降伏」する。そうしたほうが、心の平穏が訪れる確率が高いし、人間関係もうまくいくことが多いなというのが実感としてあります。

おわりに

最初の画像、「いらすとや」なんですけど、こんな苦しい表情で「降伏」しているわけじゃなくて。もっと早めに、積極的に「降伏」を選んで、内心ニヤニヤしているような感じです。

大事な場面では勝負する。でも、負けてもいい場面では積極的に「降伏」をする。それを決断できた自分を褒める。

実践するうちに、苦しみと無駄に戦うことが減ったので、もしよかったらやってみてください。

おわり。



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