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ぎんのいずみ子ども園レター IASWECE(国際シュタイナー乳幼児教育連盟)からのメッセージ

四季折々の手仕事をとり入れ、子どもに寄り添う憧れの「シュタイナー教育」。調布市にもシュタイナー幼稚園「ぎんのいずみ子ども園」があります。今年、幼馴染の子供が無事に卒園。おめでとうございます。わたしも、バザーや大人のための芸術療法体験に参加したり、とても豊かな時間を過ごしました。ご興味のある方はぜひ問い合わせてみてください。

今回は、メールマガジンに添付されていた文書をご紹介させて頂きます。
いつも子供たちと一緒に現場で尽力されている皆様への敬意と共に。

「い*ず*み  - 自分、子ども、社会を考える冊子-  Vol.12」
より引用↓

「シュタイナー乳幼児教育の本質的特徴(0歳~3歳)」

私たちの人生の最初の三年間は独特なものです。子どもは世界に対して完全に開かれ、信頼に満ちています。そして、自分が必要としているものを与えてくれる他者に完全に依存しています。

三歳未満の子どもの保育にはきわめて特異的な特性が必要とされます。自分の心と精神の特性を発達させようとつねに努力している大人が必要なのです。

子どものニーズを理解し、敬意をもってそれに応えようとすることで、私たちは意識的に日常生活を築き上げることができます。この理解が私たちの態度と活動に浸透していなければなりません。大人は、模倣される手本(ロールモデル)であることは何を意味するのかに自覚的でなければなりません。なぜなら、子どもは自分の主たる学習手段として、模倣のなかを生きているからです。保育者と子どもの間に、親密で持続的な愛着を形成することが重要です。

意識的な日常のリズムを通して、子どもは生活のなかへと導かれます。その生活は真実の仕事に基づいていなければなりません。私たちはまた、子どもは外なる世界を探究するための十分な時間が必要だと考えています。他の存在たちと出会い、自分自身と出会い、すべての感覚、とりわけ触覚、生命感覚、運動感覚、平衡感覚を発達させるために時間が必要なのです。

《教育原理》
1.大人の態度
子どもとの生活に対して、信頼、開かれた心、感謝を養うことが重要です。
自分自身のために、また自分の技術の発達のために、意味のある活動が重要であることを理解することも必要です。たとえば料理、掃除、洗濯、庭仕事などの活動、散歩、自然探索などです。

2.子どもの環境
子どものニーズに応えるために、環境は静かで、簡素で、暖かく、平和でなければなりません。安全に探検できる環境でなければなりません。おもちゃは単純で自然素材のものであるべきです。

3.リズムのある日常生活
リズムのある日常生活には、子どもがもつ下記のニーズへの理解が浸透していなければなりません。
◎良質な環境における適切な質と量の睡眠
◎健康な栄養
◎運動および自然に触れること、日々の活動としての散歩を含む
◎暖かさ、自覚的な意識、そして喜びに満ちた保育

これによって、子どもが安全と安心を覚え、健康な自尊感情を発達させることが可能になります。

4.大人同士の出会い
子どもは他の人々との関わりを通して世界との出会いを学びます。そのため、どの出会いも尊厳と配慮に満ち、プロフェッショナルなものでなければなりません。それは子どもたちに対しても、大人同士でも変わることはありません。

健康な子どもの発達が十全に展開するのは、保護者、教師、子どもたちの間の健康で社会的な関係からなるコミュニティーという文脈においてです。ヴァルドルフ保育者は、子どもたちの周囲にそのような意識的な、協働的なコミュニティーを創造しようと努力します。その保育と活動は、世界中に広がるインパルス(衝動)につながるものです。

(「シュタイナー/ヴァルドルフ幼児教育者の基本的特徴および「ヴァルドルフ・シュタイナー幼児教育の普遍的人間性の精神」参照。) 


「シュタイナー乳幼児教育の本質的特徴 (3歳~7歳)」

個々の子どもの、そして全体としての人類の将来の発展は、人生の最初の七年間において、健康的な体験ができるかどうかによります。愛情に満ちた暖かさや、喜び、驚きそして畏敬の念を促進する導きの雰囲気がこのような健康的な成長を支えます。幼い子どもとの働きで一番重要な側面は、子どもの模倣の手本となる教育者の内的な態度です。だからヴァルドルフ教育者の仕事として、人智学の学び、瞑想の実践、芸術的で実践的な活動を含んだ研究や自己教育の継続的なプロセスが要求されるのです。

ヴァルドルフ保育園、幼稚園、在宅ケアのプログラム、チャイルドケアセンター、親子プログラムなどにおいては、その基本は生涯における肉体的、社会的、感情的、知的、精神的成長を含む後の学びや健康的な発達におかれるのです。
個々の人類の発達の理解に基づくこの教育は子ども時代に対する尊厳と保護を提供します。そこには誕生から3歳までの歩く、話す、考えるという特別な意義を持つ成長も含め、誕生前から7歳までの子どもの開かれていく成長を理解することが含まれます。

シュタイナー幼児教育においてなされることは、幼い子どもの年齢ごとの発達の必要性を考慮することです。それは最初の3年間においては意志による身体活動を中心としており、幼児期の中頃では想像力豊かな遊びが中心となり、そして子どもが学校に入る頃には、より認知的アプローチが中心になります。

《教育理念》
ヴァルドルフに基づいた教育は地域、文化、グループの大きさ、年齢範囲、そして個々の教育方法によって違います。これらの違いがある中でも、ヴァルドルフプログラムはある基本的な特徴を共有します。

◎それぞれの子どもを愛情に満ちた関心を持って受け入れる。
◎幼い子どもにとって、不可欠な活動としてのシンプルな遊具での自主的な遊びの機会を持つこと。これが幼い子どもの仕事であり、彼らにとっては自分の体験したことを消化し理解することを可能にします。
◎幼い子どもは模倣を通して、多様な感覚的な印象を体験することを通して、動きを通して学ぶということを認知すること。彼らの生来の傾向は物質的、社会的環境を活動的に探究することです。周囲の環境は境界をもたらし、構造的であり、保護的でもあります。そしてリスクもあれば、挑戦と出会う可能性もあります。
◎境界との健全な関係を作るためには、仮想の体験より実際の体験の方が、子どもを支えます。
◎お話を聞くこと、音楽、クレヨン画や水彩、リズムのある遊びや形作るなどの芸術活動は想像力と創造性の健全な成長を促進します。
◎料理、パン焼き、園芸、手仕事、日常的な家事のような意味のある活動は潜在的な人間の能力を成長させる機会を与えます。ここでは学習効果よりも、生活のプロセスを大事にしています。
◎一日、一週間、一年の予測可能なリズムは安心感と生活の相互関係や全体性の感覚を与えます。季節やその他のお祝いは、文化や地域的な環境に基づいて祝われます。

 私たちは、健全な子どもの発達は親、教師、子どもたちの間での健全な社会的関係と共に地域とのつながりの中最も完全に広げられることを認識しています。ヴァルドルフ教育者は自分たちがケアする子どもたちの周りに、このような意識、協働できるコミュニティーを作るために努力しています。世界の文化の衝動の一部として彼らの活動を見てください。

IASWECE(国際シュタイナー乳幼児教育連盟)より

httm://www.iaswece.org

山本ひさの園長、いつも貴重な情報をありがとうございます。

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