見出し画像

くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第136回 「名もなき先人たちが発達障害理解のために積み重ねてきたものに感謝しなきゃいけないですね!」ってお話

[く] こんばんは。くらげです。

[寺] こんばんは。寺島です。

[く] さて、ついさっきの話になるのですが、NHKで「発達障害って何だろうスペシャル」という放送がありました。タレントの小島慶子さん(ADHD)や落語家の柳家花緑さん(LD)、漫画家の沖田×華さん(ASD)の困りごとを取り上げて発達障害について理解を深める、という番組でしたね。だいぶソフトでわかりやすかったんではないでしょうか?

[寺] くらげさんがリアルタイムでテレビの話を降ってくるのは珍しいですね。私は娘が裏番組を見ていたので少ししか見られなかったですが、発達障害があるということで、働ける力があるのに「障害者」としてはじかれていた人を、会社で受け入れていく工夫というテーマなんだろうなあと感じました。

[く] そんな感じでしたね。障害者というイメージでできることもさせてもらえない、自動的に人数外にされて悔しいという層がターゲットですね。

[寺] くらげさんもこのレベルの障害者ですよね。

[く] まさにどストライクですねぇ。最後に紹介された会社が羨ましい!昼寝できるんですよ!

[寺] 私はそこまでして会社に雇われたいのか?と考えてしまいますが、長くなるのでやめておきます(笑)ところで、この番組は進行が千原ジュニアさんでしたが、「身の回りにもああいうやつおるわと思った」って言ってましたね。私の頭には兄のせいじさんが浮かんでしまいましたが。

[く] 芸能界、本当に詳しくないので誰なのかすらわからないんですが、NHKの収録で千原ジュニアさんとリアルであったときは「すげぇASDっぽい」と思いました(笑)

[寺] ジュニアさんの方ですか。まあ、あの運動神経のなさは確かに怪しい。そういえば、「アメトーーク!」っていう番組の「運動神経悪い芸人」って知ってます?たぶんジュニアさんがNHKで発達障害関係の番組のファシリテーターやってるのって、たぶんあれきっかけですよ。

[く] ほんとすみません、テレビあんまり見ないんです。動きが音に聞こえるって前に言ったと思うんですが、テレビはかなりうるさいんですよ。

[寺] 聞こえないだけじゃなくてそういう問題もあるんですね。さておき、「アメトーーク!」も発達障害を認知させているという意味では隠れた功労者だと思ってます。最初の放送の後は、反響すごかったらしいですよ。「わざとやっているのではないか?」「障碍者を笑いものにしているのではないか(つまり真似していると思われた)」という反響もあったようですが、第2弾から「本人たちはいたってまじめにやってます」というテロップを入れて乗り切った!(笑)スタッフも相当腹を決めてやった感がありました。

[く] 「発達障害」という言葉は使わないけど、「発達障害的なこと」をバラエティが受容するようになってきた、ということでしょうかね。

[寺] 実名を挙げるのは避けますが、他にも「これって発達障害由来のトラブルだよね」と見て取れる題材を扱っているバラエティ番組はいくつもあります。あ、くらげさんには後で送っておきますね。タレントさんなどの場合は、トラブルがあったとしても芸能人として成功して、社会生活も送れていますので、あくまで「障害」ではなく「苦手な部分」として扱っているわけですが。

[く] (送られたリストを見て)バラエティはたくさんの人が入り乱れて喋るし、テンポも速いので、基本的に見ていなかったのですが…とりあえず「アメトーーク!」見ておきます。

[寺] こういうところから見ると発達障害がマスコミから理解が進むというのは予想していたんですが、ここ1年間でNHKが本気出して発達障害へ取り組んでいますよね。それで芸能人がどんどん発達障害を公表しているんですが、それで叩かれるとかほんと無いんです。むしろアンチがファンになったりする(笑)マスコミの本気ってすごいなと思いました。

[く] 言われてみれば、ネットでもここ一年くらいで急速に「アスペ」「発達障害」って言葉が「悪口」として機能しなくなってきた気がします。

[寺] そもそもADHDだ、アスペだというのは症状の名前であって、悪口ではないのですよ。 それを「下に見ていい正当な理由」と振りかざしていたヤツらがいたわけですが、そういうのはおかしい!と発言する方が意識高いとか、イメージがいいとか、 そういうムードになってきたんじゃないでしょうかね。

[く] まぁ、このへんは自分も「ボクの彼女は発達障害」を書いたりして理解啓発で頑張ってたわけですが…。

[寺] くらげさんや私だけでなく、多くの当事者が教育もない中、医者もまだよく分からない症状や病例について、本当に命がけで文章を紡ぎ、喋ったことが資料として残っていたからこそ、テレビ制作会社も番組を作れるし、私たちも顔をさらして喋れるのです。感謝しなくてはなりませんね。

[く] 聴覚障害も「当事者が語る」ってことが難しいことが長く続きましたが、それでも手話で考えて伝えて、手話が当たり前に使えるようになってきました。本当にこういう積み重ねには敬意を払いましょう。

[寺] こういうものは物量なのですよ。 テレビタレントの力は大きいけれど、別に彼らだけの手柄という訳ではないと思いますし、1番の人だけが勝つとか生き残ると言うものではないですよね。語り続けたみんなで取り戻した権利なんだと思います。 日本全体、世界となるとまだまだだと思いますし、他にも看過できない差別はいっぱいあります。私たちのしてきたことが、他山の石程度でも役に立つと良いですね。

ここから先は

1,462字 / 1画像
この記事のみ ¥ 200

妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。