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くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第146回 「発達障害が『治る』ってどういうこと!?混乱のもとは『客観的なデータ』の少なさ!?」ってお話

登場人物

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本編

[く] こんばんわ。くらげです。

[寺] こんばんは。寺島です。いやー、早くも2月ですね。

[く] 本当に早いですね!今年は年頭から様々なタスクが重なりすぎて本当にわけのわからないまま突き進んだ感じです。体感的な時間と日付的な意味での時間が全然一致してなくて、軽い時差ボケが毎日あるような感覚に襲われます。

[寺] まだまだ甘いですね。私はいつも仕事をしているか寝てるかなので既に日付の感覚もありません!起きてるときが昼なんじゃ!

[く] 真似しちゃいけないワーカーホリックの戯言が来たわ…。寺島さんももう齢なんだから無理しないでくださいね?

[寺] うう…最近それみんなに言われるんですよね(笑)

[く] で、今週はどうしましょうか?ここ最近はヘビーな話をしていましたが、一度箸休め的なテーマにできればと思うんですが。

[寺] いや、ここは勢いに乗って深いテーマに切り込んでみません?(笑)私ぜひ一回「発達障害が治った治らない論争」について触れたかったんですよ。

[く] 「発達障害が治るか治らないか」ですか…。正直あんまり触れたくはないテーマではありますが…。いわゆるトンデモさんがウヨウヨしているところなので。

[寺] まぁまぁ(笑)水銀を排出するとかキレートが云々とかはさておいて、ツイッターでも当事者同士で発達障害は治るか治らないかの論争はよく行われていますよね。

[く] はい、まぁ、いろいろ見ますね。でも、どうも話がこじれるいうか感情的な対立が目立つのでボクから積極的に発信することはないですけど。

[寺] そうなんですよね。なんでこじれるかといえば「治る・治らない」の定義が全然噛み合ってないのが大きいと思うんです。

[く] このあたりは「聴覚障害は治るか」って議論と丸かぶりなんです。「治る」の定義が食い違ったまま話が進んでいくのも同じです(笑)

[寺] では、まず聴覚障害のほうの「治る・治らない」という問題についてちょっと教えてもらっていいですか?

[く] 聴覚障害といっても先天性や後天性…つまり生まれつきもあれば大人になってから聞こえなくなることもあります。徐々に悪くなるケースもあれば突然聞こえなくなることもあります。で、巷の本屋においてあるような「聴覚障害は治る!」みたいな本はもともと聞こえていた人がなんかしらの原因で聞こえなくなったのでなんかの方法で聴力を回復させましょう、という内容です。これはまぁ「治る」っていうのは間違いなく「ある」んですよ。軽度の間なら。

[寺] ところが、そうでもないケースもあると。

[く] 日本においては公的な意味で障害者と認められるには障害者手帳を取得している人ですが、「両耳が平均して60デシベル以上」で「耳が悪い状態が一定期間以上続いている」という条件が必要です。この状態だとまず、医学的な意味での「耳が治る」ことは期待できないですね。でも、補聴器や人工内耳をつけることで「聞こえる」ことは可能です。この状態を「治る」と表現する人もいます。

[寺] 障害としてはあるわけだけど聞こえるから治っている、ということですよね?それ以上の福祉支援が必要な障害状態ではなくなったと。

[く] そういうことですね(笑)更に面倒なのは重度障害の子供の教育において使われる「治る」という言葉ですが、これは「健常者に近づく」という意味合いを含むことが多くて、それに対して「聴覚障害は治るものではないので手話を使ってろう者として教育すべし」という対立があって…というややこしいことになっています。

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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。