クリスマスシーズンなのでSanta Claus is Coming to Townを文法的に考えてみた。

ここで学ぶ文法事項
現在時制、現在進行形
ここで学ぶ英語の表現
had better、willとbe going toの違い。

この時期、あちこちで耳にするクリスマスソングですが、Santa Claus is Coming to Town(サンタが町にやってくる)を取り上げて文法的に考えてみましょう。
まずは、最初の部分からですが、主語のyouの後ろにいきなりbetterが来ていますが、これはどうしてでしょうか?そして動詞のwatchは、現在形?それとも原形ですか?ここら辺から考えてみましょう。

You better watch out
You better not cry
Better not pout
I'm telling you why
Santa Claus is coming to town

had betterについては学習しているかもしれませんが、簡単に確認しましょう。had betterの主語は自分(または自分たち)の場合と、聞き手に向けられた場合のyouを使うことがあります。前者の場合は「〜にしたほうがいい」という意味になり、We'd better be going.そろそろおいとまさせて頂きます、のように使います。しかし、主語にyouを持ってきた場合には強い助言をあらわして、もしそうしなければ、なにか面倒なことがおきる、ということも含意します。つまりshouldやought toよりも相手に対して迫っていく感じがあります。ですので、通例は目上の人などには使わないとされています。shouldやought toは義務を表すといわれていますが、have toやmustと違って、「果たさなくてもよい」ということが含意されます。

このhad betterのhadは弱く発音されることから'd betterと表記されたりします。さらにhadが省略されることや、主語が省略される形が見られるのがこの語句の特長です。ここでもhadが省略されているということで理解することができます。そして、had betterの否定の形はhad better notとなり、さらにhadが省略されてYou better not cry.となっています。続くBetter not poutは上述したように、hadの省略だけではなく、主語youの省略が生じていると考えておきましょう。

そうすると、ここでの意味は、「気をつけておきなさい、泣かないようにしておきなさい、(おこられて)すねたりしたらダメ(そうしてるといいことが起こらないよ)」という感じになりますね。

次の2つの進行形で書かれている文を見ていきましょう。現在進行形は目の前で起こっていることを描写することに使われるということは何となく理解できていると思います。しかし、I'm telling you why.は私自身が今やっていること(=話していること)を動的に描写するというものではありません。「私は、今、あなたになぜだか説明しているところです」というのではしっくりきません。そこで、現在進行形について簡単にまとめておくことにしましょう。

現在進行形
①現在進行中の動作を表す。
 What are you doing? 何しているの?
 Tom is singing. トムが歌っています。
 I am writing a new book. 今新しい本を執筆中です。
→出来事や行為が進行中であり完了していないことを表す。
②動作の繰り返しを表す。
 Someone is knocking on the door. 誰かがドアをノックしている。
 He is sneezing. 彼は何度もくしゃみをしている。
→一回限りの動作ではなく、繰り返しを表している。
③間近に迫っていることを表す。
    The battery is dying. (スマホなどを見ながら)充電が切れそう。
 The train is arriving soon. 電車がまもなく到着します。
    The bus is stopping. バスが止まろうとしています。
④進行形にalwaysなどの副詞を付けて、非難を表す。
     He is always complaining. 彼はいつも文句ばかり言っている。
  He is always buying expensive things. 彼はいつも高いものばかり買っている。
⑤今現在、動作をしていること・これからすることを強調する。
  I'm telling the truth. ボクは本当のことを言っているんだからね!
⑥状態動詞の進行形
 本来、liveやwearは状態動詞で一般的には進行形にすることができないが、進行形にすると「一時的」な様子を表すことになる。
 He lives in London. 彼はロンドン在住である。
 He is living in London. 彼は今のところロンドンに住んでいる。
 He wears an expensive watch. 彼は高級腕時計を身につけている。
 He is wearing an expensive watch. 彼は(今日に限って)高級腕時計をしている。
 He is being kind. 彼は(今日に限って)親切にしてくれる。

というようにおおざっぱに6つに分けてみました。そこで歌に戻ってみると、④のこれからやることを強調する役割を担っていると考え、「これからなぜだか教えてあげるよ」という意味になるわけです。ですが、この "I'm telling you."は

used to emphasize that what you are saying is true, and should be believed

とCambridge Dictionaryに記されています。つまり、「これから教えてあげるよ、だからよく聞いて」というように、後に来る情報がとても大事であると言うことを予告する役割をこの表現がになっているのです。

泣いたりしちゃダメ出し、ふてくされてもダメ。何でだかわかる?教えてあげるね。

という感じですね。そして、次のSanta Claus is coming to townは③の間近に迫っていることを表していると考えて、「そろそろサンタさんが来るよ」という意味になるのです。

さらに続きを見ていきましょう。

He's making a list
And checking it twice
Gonna find out Who's naughty and nice
Santa Claus is coming to town

ここでも現在進行形が出てきます。He's making a listやchecking it twiceは①の今、現在サンタクロースが行っている動作ですね。今、リストを作っていてそれを二回もチェックしているところ。そして、Gonna find out Who's naughty and niceはHe is going to find out who's naughty and nice.として解釈することができます。be going toは「前もって決心していることがこれから行われる」ということを表しますので、サンタクロースのルーチンワークとしてこれから誰が悪い子で、誰が良い子なのか見分けようとしているんだということを意味しています。ちなみにwillは「今この瞬間にやろうと思ったこと」を表したり、話し手の推量になりますので、この場面ではあまりふさわしくないですよね

He sees you when you're sleeping
He knows when you're awake
He knows if you've been bad or good
So be good for goodness sake!

さて、ここではHe seesやHe knowsという現在形が用いられていますが、どういった意味でしょうか?

現在時制
①当分変わることのない事実
 The sun rises in the east. 太陽は東から昇る。
②習慣を表す
 He drinks and smokes. 彼は酒もタバコもやる。
③現在の状態を表す(知覚動詞、思考動詞)=過去や未来とは関係なく、今現在の状態にしか焦点が当てられない。
 I feel dizzy. めまいがしています。
 I hear someone is coming. 誰かが来るのが聞こえます。
    I know him. 彼を知っています。
④スポーツの実況で使われる現在形
 眼前の動作を実況する場合には現在形が好まれます。
⑤歴史的現在
 過去の事実をあたかも眼前で起きている効果を現すために現在形を使うことがあります。
⑥描写の現在形
 レシピなどで現在形を使うことがあります(=スポーツの実況と同じ使い方と考えてもよいでしょう)
⑦行為遂行文としての現在形
 I promise...など言葉にした瞬間に「約束」という行為が遂行されるもの。
⑧時や条件を表す副詞節内での現在形で未来を表す。

ここで使われているseesやknowsでは「見ている」、「わかっている」という意味として用いられ、「寝ているときでもきみを見ている」、「いつ起きているかも知っている」という意味になりますね。だから早く寝なさいというような感じになりますね。

He knows if you've been bad or goodはknow ifで「〜かどうか知っている」という意味になり、さらにyou've been bad or goodは現在完了で、今年1年間、悪い子にしていたのか、いい子にしていたのかサンタさんは知っているからね。そして、So be good for goodness sake!おねがい、いい子にしてるんだよ、となります。for goodness sakeは「お願い〜して」という時に使われる慣用的な表現です。

というような感じで、時制を勉強するにはよいきっかけになる歌ですね。

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Kurabayashi

英語の歌を文法的に考えてみる

英語の歌を楽しむだけでなく、英語の勉強もできる。そんな一石二鳥なシリーズです。
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