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モルト王の思考整理(AD)

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。


本記事について

本記事は主題であるデッキ解説についての部分を有料としています。


2024/2/3に以下理由より全文無料公開しました。
・24弾がリリースされ、環境が変わったため
・1月の購入による収益を令和6年能登半島地震義援金として寄付したことから、2月以降の購入があった場合に処し方に迷うため

購入にあたっては、筆者の日頃の活動や過去のデッキ解説記事を参考材料としてください。

実績は12/21時点、12/31時点でランキングにいるくらいです。

あまり参考にはならないでしょうが、念のため。

ただし、以下の条件に当てはまる人には無料でこの記事をプレゼントとします。(プレゼントされた記事はnoteではなくメールアプリ上で読むこととなります)

・今年度18歳以下である
・そのことを証明できる(個人情報は求めません、証明できれば緩い方法でOKです。)

条件に当てはまる希望者は、筆者のXアカウントにDMでメールアドレスと証明画像(例:今年度の日付の入った授業プリントの日付部分など)を送ってください。

個人情報は本当に求めないので、最悪学生証の個人情報部分塗りつぶしとかでもOKです。

ただし、筆者と長期間(目安6か月)X上で相互フォローの関係にあり、日頃から年齢のわかるポストをしている人は証明不要です。

手の空いた時間に順次対応します。

その際、DMに返信はしないので、迷惑メールを含めたメールボックスをこまめに確認するようにしてください。

また、本記事に関する質問や問い合わせには原則返答しませんのでご了承ください。


構築について

この記事の根底にある思想に沿うと、現時点はこれで95%完成しています。

いじる余地は《ライフ》《ガイグレン》《グリージーホーン》の枠くらい。

はじめに書いておくと、このデッキのプレイングはそこまで深くありません。

ただし、筆者が深くないと考えているプレイング方針が取れていない人、定石の分かっていないプレイをしている人は多数見受けられます。

このデッキを「マナカーブ通りに動いてブーストし《モルト王》を投げるだけ」と思っている方にはプレイング面での学びがあると思います。

また、プレイングの簡易さに対して、構築については相当量語れること・検討すべきことがあります。

筆者は普段あまり構築に自信を持つタイプの人間ではありませんが、「95%完成」と力強く言えるだけのことは考え、文字に起こしました。

真剣に読んでいただければこのデッキやAD環境に限らず、NDのデッキ構築にも普遍的に役立つ視点の内容だと自負しています。

その視点の提供が、この記事を書いた主目的です。

具体的には、

構築で10500字
対面相性とプレイ方針で2300字
プレイングケーススタディで2700字

となっています。

気になった方はご購入いただければと思います。

購入して内容に十分な価値を感じなかった場合、返金申請を受け付けます。

ご希望の方はこちらの公式ルールをよく読んだ上で行ってください。

(筆者は返金対応を行ったことがないため、上手く対応ができない場合もありますが、その点はご容赦ください。
また、本記事は公開から一か月以上経過した後、許可なく無料公開する場合があります。)

それでは以下、具体的な構築解説となります。


12/23追記

・全体的な誤字修正や表現の修正
・採用候補カードとして《ライフプラン・チャージャー》と《爆剣・チャージャー》の追記

を行いました。
また必要に応じて修正・追記を行います。


■メテオ・チャージャー

<強い点>
・初動である
・単色赤マナである
・条件を満たせば高いコスパを誇る
・不利対面への相性を改善する
・《キクチ》を避ける

<弱い点>
特になし

<有効な環境デッキ>
【MRC】【ツヴァイ】【アガサ天門】【黒緑速攻】

4枚確定。
本来なら初動は色のハードルを越えれば、あと一つ、二つくらいのメリットで採用を検討できるほどである。
このカードは弱い点がほとんどなく、強い点が十分すぎることから減らすことは考えない。
特に無視できないのは、ADの環境デッキにブロッカーが搭載されたものが多い点にある。
【MRC】→《ベリアル・ワーム》
【ツヴァイ】→《アクア・ガード》《アクア・ティーチャー》
【アガサ天門】→大型ブロッカー全般
【黒緑速攻】→《デスマーチ》《ボーンスライム》
その他、メジャーデッキには入らないが、踏み倒しを抑止してくる《オリオティス》を処理できるのも心強い。
10マナで【バルガライゾウ】の《ロマネスク》や《イージスブースト》を処理して、《ガイムソウ》《モルト王》を狙うこともできる。
《モルト王》がブロッカー1枚でリーサルを止められるカードであることから、根本的に相性の良いカードである。
また、マナ武装を意識するデッキで、埋めやすい赤単色でありながら使ってもマナに行く点も非常に優秀。
順当なマナカーブの3・5・7で動く時、3回の単色埋めが要求される中で、この点は見逃せない。
使用可能マナが確実に増えるため、5マナ時の2ブーストや6マナ時のチャージャー+《吸い込む》のような動きもしやすい。
極めつけはランプデッキの大敵である《キクチ》をすり抜けてブーストができたりと、本当に語れることが多い。
この構築では現状枠がないが、【モルト王】のデッキとしては完全下位互換の《コメット・チャージャー》まで候補にできる。


■フェアリーの火の子祭

<強い点>
・初動である
・リソースを失わないブーストである
・性質上赤のマナ武装を達成補助する
・単色がほぼ確実に手札に返って来る

<弱い点>
・使用可能マナが増えない
しいて加えるとすれば緑単色な点だが、これは強さと表裏一体

<有効な環境デッキ>
【MRC】

4枚確定。
リソースを失わない初動カードと言えばちょっと強いくらいのイメージになるが、「1:2交換が当たり前、放置すれば1:4交換くらいのアドバンテージを普通に取ってくる」と言えばぶっ壊れカードである。
当然構築制限の代償はあるが、限られたデッキが使えるザイナーズコンボに近いパワーを持っている。
普通に使って強いカードであるが、真価を発揮するのはハンデスを持ったデッキと対面した際。
時にはノーチャージも視野に入れながらこれを連打することで、ハンデスをしている相手の手札の方が減っていくという事態を引き起こせる。
一回撃っただけでも相手の《ジェニー》が不利交換になっているのは本当にヤバい。
このデッキには《リュウセイ・ホール》と《パンツァー》も入っているが、仮に相手が苦労して《火の子祭》をハンデスできたとしても追撃で出てきた《パンツァー》を処理する余力の確保は難しく、リソースレースで優位に立つことができる。
しばしば起こることだが、ハンデスのある対面にこのカードをマナに埋めて《リュウセイ・ホール》を撃つプレイは裏目が多い。
なんなら《リュウセイ・ホール》を埋めて《火の子祭》を撃つことがままある。
後ほど《リュウセイ・ホール》の項目で触れるが、このデッキの《リュウセイ・ホール》が特殊である点と、《火の子祭》が容易にマナに置くべきではないスーパーカードであることから起こる事態である。
基本的に10マナまで溜まればお役御免だが、特定対面ではこれを使用し続けて15マナや20マナあたりを目指すことや、山固定を狙うことも少なくない。


■翔天と天恵の声援

<強い点>
・初動である
・トリガーを持っている
・赤と緑を含む多色である
・条件を満たせば高いコスパを誇る
・使用可能マナが増える場合がある

<弱い点>
・多色事故のリスクがある
・青のウィニーを出さず、ビートもしない対面の時に弱い

<有効な環境デッキ>
【ツヴァイ】【墓地ソース】

4枚ほぼ確定。
このデッキの色配分は特にシビアなため、「赤と緑を含む初動」というだけで非常に高い評価ができる。
そこにトリガーと【ツヴァイ】メタというポイントが加算されるのであれば、採用は必至。
この2点がセールスポイントとなりづらい環境では《ジョニーウォーカー》との入れ替えが視野に入るため、4枚「ほぼ」確定としている。
他に評価すべき点としては、
・2ターン目までに初動が複数引けている時
・4ターン目に《火の子祭》を撃つ時
に迷わず埋められてマナに最も埋まってほしいカードという側面もある。
《メテオ・チャージャー》《火の粉祭》には一歩劣るが、それでも十分なほどに強力な初動である。
仮に枚数を減らしたとしても、刺さる対面には抑止力として働く効果があり、メタゲームを考える上で必ず視界に入って来るカード。


■フェアリー・ライフ

<強い点>
・初動である
・他初動よりも1コスト軽い
・トリガーを持っている
・間接的に他初動カードとシナジーする
・間接的にマナ武装の達成に貢献しやすい

<弱い点>
・枠を割くほどのパワーがない
・トップを弱くする
緑単色な点が強さと表裏一体なのは《火の子祭》と同じ

<有効な環境デッキ>
【バルガライゾウ】【モルト王】【黒緑速攻】

自由枠。
コスト順に書いている中で最初に書かないのは、最も基本的な性能のこのカードが、このデッキでは特殊な性質を帯びているからである。
強みは書いた通り非常に多い。
初動を厚くする点は説明不要だと判断して他の長所を述べると、このカードの「2」コストという点が非常に重要。
主に以下の動きに作用してくる。

・2ターン目に《ライフ》、3ターン目に《火の子祭》と動いた時、4ターン目に《火の子祭》が2回詠唱可能
・5マナ時に多色を埋めながら《ライフ》+3コストブーストの使用が可能

一つ目は《火の子祭》とシナジーであり、《ライフ》を使用する手札消費の激しさも《火の子祭》の脅威のリソース力がカバーしている。
二つ目は《翔天と天恵の声援》や《レイジクリスタル》などの、捌くタイミングを逃した多色カードをカバーする役割を果たしつつ、同時に赤マナの補給を行っている。
5マナ時に2ブーストを行うということは次に8マナに繋がるということであり、このタイミングでの多色を埋めた《ガイムソウ》のプレイや、1枚の非赤マナを許容した《ガイムソウ》+《ガイグレン》の無限攻撃開始を許容することができる。
これはブースト合戦になる【バルガライゾウ】やミラーにおいて、特に無視しづらい要素となる。
5マナ時のみでなく、3ターン続けて多色を埋めながら使用できる点も重要。
また、《勝利リュウセイ》の入った対面では、自ターン中に7マナに到達する意義は大きい。
《勝利リュウセイ》を意識すると、《吸い込む》とくっ付きやすく、6マナでバウンス+ブーストの動きが取れる点も小さくない。

書いた強みはいずれも細かなものではあるが、たった2コストの基礎カードである《ライフ》にこれだけの意味付けができる点は特筆すべきだろう。
採用の経緯としては、まず「3ターン目に必ず初動を撃つために緑枚数の確保が必要」という理由から、緑が先攻3ターン目までに2枚以上引ける確率90%を超える18枚を意識した。

最低n枚含まれる(n枚以上引く)確率より計算

緑がなくても使用可能な《メテオ・チャージャー》の存在を考慮すると、この確率で十分と判断している。
どの緑のカードを採用するかを考え、当初《ライフプラン・チャージャー》を選択していたが、こちらが想像していた以上に他カードとのくっつきが悪く、マナに埋まるのも弱いカードだと感じて採用をやめた。
次に最も無難な択である「初動の増量」として《ライフ》を選んだところ、使用する中で前述した様々な強みを改めて実感したという経緯である。
個人的には確定枠としていいと感じているが、「初動が12枚でももう十分」という側面があるため、いじる余地はあると考える。
緑が18枚を下回る構築は現状理論的な強みを感じないため、使用する気は起きない。


■ドンドン吸い込むナウ

<強い点>
・無難なパワーカード
・貴重な受け札増量
・コンボデッキにおけるサーチカードの価値が高い
・青マナの補充
・《VAN》や《永遠リュウ》などを除去できる
・ミラーを耐える手段

<弱い点>
・マナに置くカードとしてこのデッキ最弱
・手撃ちも特定対面以外で重視されないため、多くの場合で引くと嫌なカード

<有効な環境デッキ>
【ビッグマナ】【バルガライゾウ】【モルト王】

4枚確定。
シータで組む理由の一つであり、シータであることを成立させる2枚の内の1枚。
もう1枚は《リュウセイ・ホール》。
カードパワーの高さは言うまでもないが、コンボデッキで採用する場合はカウンター的性質を帯びる点を無視してはいけない。
マナの十分溜まった状態では、たとえ手札が0でも相手の刻みを咎める効果があり、更に多量に溜まっていればデッキトップの回答札にもなる。
ワンショットギミックを持つデッキにおいては、このカードの存在自体が相手の行動を束縛する、ただのトリガーを超えたウルトラシールドトリガー的側面を持つことを覚えておきたい。
《吸い込む》で回収したいカードすべてがバウンスに繋がる赤のカードである点で、【モルト王】との相性は良い。
直接切り札を拾った時に受けられない【刃鬼】とは違う。
また、ミラーにおいて《モルト王》の攻撃を阻止する受け札としての役割も大きくなる。
相手の《モルト王》をバウンスした上で《モルト王》をサーチし、反撃の狼煙としよう。
NDでは存在感が小さくなったが、ADでは引き続きサイキック・クリーチャーが多く、その除去に最も適したカードであるのも評価点である。


■超次元リュウセイ・ホール

<強い点>
・最優秀の色基盤
・モードの多さによる圧倒的汎用性
・最軽量のSA

<弱い点>
・手札にキープしづらい
・ワンアクションで止まりやすい
・ドラグハートの枠もあってサイキックの選択肢を取りづらい

<有効な環境デッキ>
特になし
出力のサイキックに依存するためそちらを参照

4枚確定。
シータカラーで組む際の最大の意味となるカード。
だが、このデッキの《リュウセイ・ホール》は今までの使用のされ方と一味違うということを強調したい。
一つは色基盤としての意味合いが非常に強いということ。
ブーストするデッキなことから緑がマナゾーンに欠かせず、《リュウセイ・ホール》の使用には青マナが必要となり、更にマナ武装の達成のためには赤マナが重要である。
《リュウセイ・ホール》一枚がマナに埋まることで、その後の動きの制約を各段に緩くすることができる。
もう一つは役割がはっきりしているということ。
《リュウセイ・ホール》と言えば鬼の汎用性を誇るカードであるが、このデッキではドラグハートの兼ね合いからサイキックを3枠しか取ることができない。
しかし、その3枚でも十分なほどに各対面をカバーできており、戦術の幅を拡張するカードとしては十分となっている。
3種のサイキックそれぞれについてはこの後。
しっかり異なる対面に対して高い有効性を持ってくれている。
【モルト王】の基本の動きがブースト→フィニッシャーの単調で飽きやすいものであるため、分岐を生み出すこのカードはマンネリを防ぐプレイヤーメンタルの面でも重要と考える。
また、役割が明確なことと【シータ刃鬼】での使用のような多様な選択肢を持てないことから導き出せるように、このデッキの《リュウセイ・ホール》は決して過剰なカードパワーを持っていない。
要所を見極めて使うと真価を発揮するカードであり、雑に使用するカードでもなんとなくでキープするカードでもない。
この点は最優秀なマナ基盤という点ともリンクしてくる。
優先度が低いと感じたら、躊躇なくマナに送っていこう。
何より、このデッキの多色枚数は16枚と、手札2枚コンボのデッキとしては決して見過ごすことのできない構造的欠陥を抱えている。
3→5の流れで単色を2回埋めたことで、次のターンに手札にある《ガイムソウ》《モルト王》ができないなんて事態は極力避けなければならない。
《吸い込む》や《火の子祭》を置いたがために、マナ武装の達成に失敗するということも多々ある。
5マナ時に使用する場合は、
・5→7のマナカーブで良いのか
・ブーストを2回撃った方が良いのか
・いっそ《リュウセイ・ホール》を埋めて《火の子祭》を撃った方が良いのか
といったことは一通り考えるべきである。
このカードの強さは周知であると前提の下、短所を中心に説明したが、冒頭に書いた通りシータで組む意義になる強カードであることには変わりない。
今までのどのデッキとも異なる意味で「デッキの中心」となっていることを改めて強調しておく。


■勝利のリュウセイ・カイザー

<強い点>
・実質EXターンの妨害効果
・ドラゴン2打点
・除去を誘いやすい

<弱い点>
特になし
しいて言えば単体で数的アドバンテージを取らない点

<有効な環境デッキ>
【バルガライゾウ】【モルト王】【ブリザード】

相手の行動を読んだプレイをする中で最重要な位置づけとなってくるサイキック。
稼いだテンポでフィニッシャーに繋ごう。
ミラーや【バルガライゾウ】など、速度が近いワンショットデッキには特に重要となる。
また、盤面にドラゴンを残しておくことは、《モルト王》が《グリージーホーン》を装備してアンタップキルした際の2回目の攻撃役となる意味を持たせられる。
しばしば使う戦術のため、《勝利リュウセイ》を場に出した瞬間からこのプレイは意識すべきである。
一方で、盤面に残ることが相手の《デスゲート》の的になるというデメリットも存在する。
このカードに限ったことではないが、【モルト王】がブロッカー1面でリーサルを止められる都合上、《リュウセイ・ホール》を使用する裏目として覚えておかなければならない。


■勝利のガイアール・カイザー

<強い点>
・SA
・盤面処理役
・放置されやすいドラゴン

<弱い点>
・1打点である

<有効な対面>
【ツヴァイ】【白単サザン】【黒緑速攻】

すっきりとした能力のため、他のデッキと使い方が異なるということはあまりない。
今まで通り困った時の盤面処理役として運用する。
このデッキは基本が3スタのビートダウンに弱い構造を持っているため、中間地点で防御の動きができることは極めて重要である。
また、このデッキにおける最軽量のSAであるため、9マナで《吸い込む》とくっ付けて使える点も評価点。
短所には《勝利リュウセイ》で書いた《デスゲート》の的になることが挙げられるが、更に加わって来るのがこのカードが1打点ということである。
これによって、《勝利リュウセイ》のように《モルト王》に《グリージーホーン》を付けてアンタップキル+シールドブレイクで《オウギンガ》を着地させても、そのターンのリーサルがいけない。
それなら《モルト王》に2回攻撃させて、盤面無視でリーサルに行ってしまう方がいいという場合も多い。
要するに、このカードは「盤面にいるようでいないような邪魔な存在」となるシーンが発生するのである。
そうなると《デスゲート》の的となる以外にも盤面上限が見えてきたり、《アポカリプス・デイ》の頭数にされたりと、小さなマイナス点が見えてくる。
肝心なところで場に残っているばかりに、SAとして投げられないということも起こり得る。
中盤で出す時は必要に迫られて出しているということが多いが、《勝利リュウセイ》でも相手のリーサルを遠のけられないかは一度考える癖を持とう。


■アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>

<強い点>
・リソース補充が手札コンボデッキとマッチする
・《勝利リュウセイ》以上に除去を誘いやすい

<弱い点>
・ドラゴンではない

<有効な対面>
【MRC】【アガサ天門】

リソース役としての強みは他デッキと変わらない。
このデッキでは《火の子祭》と共に息切れを防ぐカードである。
ハンデスを駆使するデッキには《火の子祭》を基本として手札キープを心がけ、そちらが落とされた際の保険としてこれを繰り出していく。
もちろん《陰謀と計略の手》などのカウンターカードがなさそうであれば早期に投げていくことも重要。
【MRC】はそれが有効な対面の一つであり、4ターン目に投げると相手はほとんどの場合でこのカードを処理できない。
相手にハンデスを諦めさせ、《ガイムソウ》や《モルト王》を守る役割を果たす。
また、このカードが除去の対象となりやすいことから、相手に除去でターンを使わせる=自分の動きをその分通す隙を作らせるといったことを狙える。
デコイとしての性能は《勝利リュウセイ》以上の一級品。
別の側面の強みとしては、【アガサ天門】対面で《ガイグレン》を引き込む役割がある。
【アガサ天門】は《ガイグレン》の攻撃を止める手段が限られるため、《モルト王》以上に優先度が高いカードとなる。
しかし《ガイグレン》は良くて2枚くらいしか採用できないため、その捜索役として攻撃耐性も持つ《パンツァー》は適性が高い。
短所は先の二枚と同じく場に的として残ることであるが、こちらはドラゴンを持たないために《勝利ガイアール》以上に置物となる場合がある。


■怒英雄ガイムソウ

<強い点>
・キルターンを各段に引き上げる
・《ヴィルヘルム》の連打を可能にする

<弱い点>
・役割がほぼコンボに限定される

<有効な環境デッキ>
特にないが、しいて言えば【バルガライゾウ】

4枚確定。
10コストと《バルガライゾウ》よりも重いカードをメインに据えるデッキとして、その専用早出し手段はマストである。
《モルト王》だけではなく、当然《ヴィルヘルム》や《ガイグレン》も選択肢となる。
基本的にはどの対面にも5ターン《ガイムソウ》《モルト王》の動きを狙って行っていいが、
・【バルガライゾウ】や【刃鬼】などには打点を横に並べる動き
・横並べデッキには《モルト王》による盤面処理を挟む動き
が重要となる場合もある。
具体的には、
・《ガイムソウ》《ヴィルヘルム》の動きで、2ターン続けてのランデスをしながら場に5打点揃える
・《ガイムソウ》《モルト王》→《グリージーホーン》《プロトハート》で2面アンタップ処理をして、更に《リトルビッグホーン》と《ガイギンガ・ソウル》を残す
など。
《スパーク》や《クロック》の入ってない対面には横並べの打点が有効のため、まだ待てると判断ができたら前者の動きで打点を横に広げていき、打点の暴力でトリガーをケアする。
後者の動きは継続したアンタップキルによって負け筋を完全に潰した上でのリーサルを狙いにいける。
「フィニッシャーの早出し」というたった一つのアイデンティティで採用される、まさにデッキの核ともなるカード。
7コストがカウンターの速度としては絶妙で、これの存在のために相手に刻みを咎めさせる効果がある。


■無法のレイジクリスタル

<強い点>
・赤と青の2色を持つ
・受けになる
・ミラーのワンショットを止める

<弱い点>
・手打ちがほぼない
・受けとしての性能がピーキー

<有効な環境デッキ>
【モルト王】

4枚確定。
色とトリガーという点と、ミラーの《モルト王》を止めるためのカードとして存在する。
このデッキで最も弱いカード。
だが、色配分と求められる役割から導くと、このカードが最適だと考える。
対抗馬には下位種である《伝説の秘宝 超動》が存在するが、あちらは軽いとはいえデッキコンセプトから手打ちする暇がなく、それならトリガー期待のこちらの方に軍配が上がる。
多色チャージが許されるターンでは、気軽にマナに送ろう。
一応、このカードしかできない仕事としては、【MRC】の多量横展開を阻止したり、【バルガライゾウ】の《ヴィオラ》+《イージスブースト》のロックを抜けだしたりといったことは挙げられる。
ロングゲームが想定される場合にはキープの択も頭に入れよう。
これよりも優秀な赤を含むトリガーとしては《ホワイトフレア》が存在するが、シータで組む場合はとてもそんな枠を確保できない。
他の青である《吸い込む》と《リュウセイ・ホール》に価値を見出せない場合は、このカード含めて青を抜くべきだろう。


■偽りの王 ヴィルヘルム

<強い点>
・最強のグッドスタッフ性
・遅延と打点とリソースの三位一体
・優秀な色基盤
・3打点ドラゴン

<弱い点>
・召喚が難しい色
・フィニッシャーのコストでありながらフィニッシャー足り得ない

<有効な環境デッキ>
【シータ刃鬼】

4枚確定。
《ガイムソウ》をただの《モルト王》射出専用機にさせない役割がある。
ランデスとブースト効果が5ターン目に出るには破格であり、《勝利リュウセイ》から繋がるとゲームバランスを壊すレベルで強力。
7→10のマナカーブを《モルト王》に繋げることもでき、とにかくデッキと相性の良いカードとなっている。
《ガイムソウ》+《モルト王》の動きを阻止しようと相手が出してきた《エンターテイナー》や《オリオティス》を裏目にできるのもポイント。
《ヴィルヘルム》は除去されてしまうものの、取れているリターンが圧倒的に大きい。
赤と緑の多色が色基盤として優秀なのも今更言うまでもないだろう。
《ヴィルヘルム》+《レイジクリスタル》で色を揃えるのが、2ターン目までのベストムーブである。
また、3打点であることは、《ガイムソウ》の項で書いた通り横に広げる戦術を取った際に輝く。
筆者の構築ではできないが、《ヴィルヘルム》が場にいる状況で《ガイムソウ》《モルト王》で《プロト・ギガハート》と《プロトハート》を装備させると、《ヴィルヘルム》3点→耐性持ち《モルト王》2回攻撃のトリガーケアの動きが取れる。
《プロト・ギガハート》を入れる場合は必ず意識しよう。
非常に優秀なアドバンテージの塊のようなカードだが、黒がこのカード4枚しかないことから召喚が難しい点は要注意。
《ガイムソウ》からの5ターン着地もクリーチャーを破壊できていないと大きなアドバンテージは得られない。
このカードを《ガイムソウ》から出す場合は「次のターンの動きがあるか」をよく確認した上で実行しよう。


■暴龍事変 ガイグレン

<強い点>
・1枚でリーサルまでいける
・実質的なアンタッチャブル
・《モルト王》と相互互換と言えるレベルのフィニッシャー

<弱い点>
・《モルト王》ほどの汎用性はない
・マナ武装7の達成に工夫が必要

<有効な環境デッキ>
【バルガライゾウ】【MRC】【アガサ天門】【リキッドピープル】

1枚確定。
可能なら2枚でも3枚でも積みたい。
《モルト王》に次ぐ5枚目以降のフィニッシャーであるが、決して下位互換ではなく、肩を並べるだけの強さが特にADではある。
【バルガライゾウ】はこのカードのマナ武装が達成されれば99%勝ち確、【アガサ天門】も一度攻撃を通せばトリガー《ヘブンズ・ゲート》から《ダイイング》を出されても相手の場を壊滅させてくれる。
【MRC】にはサイキックを展開していた場合に、《モルト王》でケアが難しい《デスゲート》+ブロッカー耐久を分が良く潜り抜けることが可能。
このカードのフィニッシュ力は非常に高く、着地が間に合うかという点に目を瞑れば、出した時点でほとんどの対面に分の良い盾祈り勝負を仕掛けられる。
《モルト王》と両方出せる場合、どちらがより多くのトリガーをケアできるかは必ず検討しなければならない。
ここまでの他カードの解説で度々述べてきたことだが、マナに赤マナを置くことを意識する必要があるのはこのカードの存在のためである。
《ガイムソウ》や《モルト王》のマナ武装5の達成はそこまで意識せずとも7,8マナ時に達成できるが、《ガイグレン》の7を同じタイミングで達成するのを無意識にやるには難しい。
1ターンの差で勝敗を分けることも多く、「次のターンがないかもしれない」状況でブチギレのリーサルを決められる状況は可能な限り作っていきたい。
このデッキの最もプレイングが出てくるところの一つだと考えている。


■二刀龍派 グレンモルト「王」

<強い点>
・1枚でリーサルまでいける
・リーサルに失敗してもその後のケアができる
・面処理もできる

<弱い点>
・ブロッカー1枚でリーサルが消える
・選ばないトリガーに無力

<有効な環境デッキ>
特になし

4枚確定。
デッキ名であり、1枚ですべてを終わらせる最強のフィニッシャー。
《ガイムソウ》で書いた通り、このカードの5ターン目の着地を狙って行くのが基本の動き。
とはいえ、ワンショットはブロッカー1枚で止められてしまうため、時には盤面を整えてから10マナで出すのもあり。
基本的に《プロトハート》+《ギガハート》で2回攻撃のフィニッシュを目指しに行くが、《グリージーホーン》を交えたよくある別の使い方を記載しておく。
一つは《グリージーホーン》+《プロトハート》を装備する使い方。
主に《ガイムソウ》から出した際に選択し、9000のアンタップキルを2回行って場に《リトルビッグホーン》と《ガイギンガ・ソウル》を残していく。
横並べ系のデッキはこの動きが間に合えば、その後《リトルビッグホーン》の継続除去でコントロールしていくことが可能。
そうでなくとも場には計7打点が残ることになるため、相手にかける圧は強い。
もう一つは《グリージーホーン》+《ギガハート》の動き。
《勝利リュウセイ》や《ヴィルヘルム》などが展開済みの際にしばしば行い、アンタップキラーによってブロッカーを処理しながら攻撃回数を稼ぎつつ、横に添えたドラゴンのブレイクで《オウギンガ》着地→リーサルを見据える。
この動きは場のクリーチャーを寝かせて《デスゲート》を回避するためにも重要で、《MRC》対面では常に意識したい。
超次元ゾーンに《プロトハート》を残せることから、特定対面の《ホワイトフレア》やトリガーブロッカーのケアもできる。
このデッキではサイキックに3枠取っていることから《プロト・ギガハート》をはじめとしたいくつかのドラグハートを採用しておらず、若干汎用性の幅は狭まっている。
十分すぎるほどに強力でありながら、《ガイグレン》との価値の差が埋まっている要因。


■ドラグハートについて

ところどころで触れてきたので省略。
非採用のドラグハートも《プロト・ギガハート》については使いどころを述べたため、補足するのは《オリオティス》などを越えられるというくらい。
個人的には《グリージーホーン》が戦術幅の拡張としてマストレベルのドラグハートと感じており、これに枠を取ると《スパーク》やブロッカーを乗り越える2枚目の《プロトハート》などを入れる枠はないと考えている。
また、《オウギンガ》から出すドラグハートは《ザウルピオ》がカウンター防止として必須、トリガーケアとしては【MRC】の存在から《ガイギンガ》が優先と判断し、これで十分と見ている。


採用候補カード


■ライフプラン・チャージャー

<強い点>
・チャージャー+サーチの特性が手札コンボデッキに合っている
・コスト的に多色を埋めたターンやくっ付きで使いやすい

<弱い点>
・強い2アクションが取れるマナ帯が限られる
・引いた時点で確実に緑マナが埋まる
・最速のコンボ狙いがリスクな対面に腐りやすい
・そこそこに不発率もある

<有効な環境デッキ>
しいて言えば早期のコンボ始動を迫って来るリミット系デッキ

《フェアリー・ライフ》の項で書いた通り、当初その2枠はこのカードだった。
《爆剣・チャージャー》と併せて【モルト王】の中盤を担うカード兼緑マナ確保として採用されていることが多い。
強みは明確で、単純な性能が《爆剣・チャージャー》を上回る以上、優秀なカードである。
4コストである点も《爆剣・チャージャー》と大差であり、4マナ時に多色を捌きながら使用できて、3→5とブーストで動いた7マナ時に多色を埋めて《ライフプラン》+《火の子祭》でサーチをしながら次ターン10マナに到達可能。
だが、そうした時を除くと、このカードを使ったターンは追加の行動がブーストくらいしかできないという場合が多い。
大きくマナを伸ばしてこのカードから拾ったフィニッシャーをそのまま投げるという役割も《吸い込む》で足りている側面があり、5枚目以降が欲しいかと言われれば迷いが生じる。
あちらが《永遠リュウ》や《VAN》を退けるという役割も持つことから、その時点でマナを伸ばしても効果の薄いこちらの評価は低くなる。(もちろん、1マナ軽く使える点は長所)
また、引いた時点でハンデスされる以外は使用するかマナに埋めるかの2択となり、必ずマナにマナ武装を補助しない緑単色が埋まることとなる。
これを絡めると、最速《モルト王》は簡単でも《ガイグレン》の択は取りづらくなってしまう。
最速《モルト王》狙いの動きでワンショットに失敗するリスクがある対面であれば、妨害を挟みながら打点を横に広げるプレイや、《ガイグレン》に繋ぐ方が安全性が高くなる。
具体的には【ツヴァイ】には除去を優先することからこれを撃っている暇がなく、【バルガライゾウ】対面でも最速《モルト王》が《イージスブースト》を踏むと止まって、かつ返しの《バルガライゾウ》に繋がるという状況が少なくない。
この観点から考えれば、採用時は《ヴィルヘルム》などのサーチも視野に入れてプレイするべきである。
ただし、このデッキはクリーチャーが14枚と少な目であり、そこまでの引き次第では不発のリスクも考慮する必要がある。
デッキ特性との合致具合は相当高いために良いカードなことは間違いないが、《フェアリー・ライフ》との比較の中で筆者はこちらの優先度を下げる判断に至った。
《グローバル・ナビゲーション》とも並ぶ有力な候補である。


■爆剣チャージャー

<強い点>
・単色赤マナである
・357のカーブでコンボに繋がるデザイナーズ

<弱い点>
・単色赤マナである
・カードパワーが低い
・5コスト故に順調なカーブを描く時に単色埋めを要求してくる
・5コスト故に他カードとのくっ付きが悪い
・最速のコンボ狙いがリスクな対面に腐りやすい
・そこそこに不発率もある

<有効な環境デッキ>
しいて言えば早期のコンボ始動を迫って来るリミット系デッキ

基本的な特性は《ライフプラン》と同じため、長所・短所も共通してくる。
現構築でこれを採用すると、緑マナが不足することから赤単色な点がマイナスに働き、コストも重いことから評価が低い。
採用すると色・マナカーブ・フィニッシャー枚数・デッキパワーなどの様々な点で構築の欠陥が生じてきてしまうため、方向性を変えない限りは採用できないと結論付けた。
弱い点が数々上がって来ることからも、自身の採用意欲の低さが窺える。
青を抜いた構築をする場合や、NDで【モルト王】を組む場合には大きく評価の仕方が変わって来る。
逆を言えば、《リュウセイ・ホール》を中心とした構築からの脱却を試みる際に象徴となり得るカードである。


各環境デッキとの対面相性とプレイ指針


vs【MRC】
相性:五分~微有利
キーカード:《メテオ・チャージャー》《火の子祭》《パンツァー》《ガイムソウ》

《ガイムソウ》の着地と相手の《MRC》の着地がほぼ同速で、若干こちらが速いといったところ。
ハンデスによる妨害は恐いが、一度《ガイムソウ》からのコンボが決まれば分のいい盾勝負に持ち込める場合が多く、五分~微有利の相性となる。
基本戦術は《火の子祭》《リュウセイ・ホール》+《パンツァー》でリソースを確保しながらキーパーツを手札に揃えていく。
5マナのホールを封じたい場合は《勝利リュウセイ》も視野に入れるほか、2ターン続けて《パンツァー》+《勝利リュウセイ》と動いていくのも相手の動きを大きく縛れて強力。
先手でも後手でも、相手の《ベリアル・ワーム》に《メテオ・チャージャー》を当てる動きは意識したい。
本記事のところどころで触れているが、リーサルに行く時の最適なルートは必ずプレイ前に考えよう。


vs【バルガライゾウ】
相性:五分~微有利
キーカード:《フェアリー・ライフ》《勝利リュウセイ》《ガイムソウ》《ガイグレン》

《バルガライゾウ》の9マナより《ガイムソウ》の7マナの方が軽く、《勝利リュウセイ》や《ヴィルヘルム》の妨害要素もあることからフィニッシャーの着地はこちらの方が早め。
ただし、相手は1枚で2ブーストを行うことから、順調に《メンデル》《呼び声》を使われると先手を取られる場合があり、負ける時は普通に負ける。
相手の《バルガライゾウ》着地はほぼ負けだが、捲りが渋かった時は《ガイグレン》からの突破を狙おう。
ブーストレースに勝つためにも、最速でプレイできる《フェアリー・ライフ》や、実質2マナ差を付けられる《リュウセイ・ホール》+《勝利リュウセイ》は重要。
相手の動きが鈍い時に限られるが、《ガイムソウ》+《ヴィルヘルム》で打点を蓄えていくのも悪くない。
準備ができる前に《ロマネスク》や《イージスブースト》を置かれてしまうと高確率でワンショットが狙えなくなるため、相手の場ががら空きであれば割り切った《モルト王》ワンショットを狙うことも視野に入れる。


vsツヴァイ
相性:微不利~五分
キーカード:《メテオ・チャージャー》《翔天と天恵の声援》《リュウセイ・ホール》

先手後手が非常に重要で、後手を取ってしまうと3ターン目の初動から除去を挟めてもきつい場合が多い。
特に《マーキュリー》が大敵で、こちらが4・5マナの段階で着地されてしまうとそのまま2往復と横に添えた1体で負けてしまう。
先攻が取れる場合や相手が《マーキュリー》を引けない場合を考えればそこまで極端な相性差にはならないと考えるが、筆者は4ターン《マーキュリー》を何度も決められて一向に負け越していた。
《クロック》が入っていると明確に不利。
基本はノートリ構築のため、マナを伸ばしてワンショットやボードコントロールに繋げる。
《ヴィルヴィスヴィード》がなさそうであれば《ザウルピオ》の着地を目指すのも重要。
色事故にさえ気を遣えば、そこまでプレイするカードに迷う対面でもない。


vsアガサ天門
相性:微有利
キーカード:《メテオ・チャージャー》《パンツァー》《ガイグレン》

《メテオ・チャージャー》が強烈に効いてくれる。
相手が最速で《アガサ》を着地させても間に合うため、そこを狙って行けると有利に進めやすい。
加速が遅れてもいいから、空撃ちはできるだけ避けて立ち回る。
また、《ガイグレン》が一度着地すると有利なリーサルを狙いやすい。
シータ基盤は基本構造で《アガサ天門》に不利を取っているが、《メテオ・チャージャー》と《ガイグレン》の2枚で相性を大きく揺るがしてくるあたりに【アガサ天門】の脆さを見ることができる。
キーカードを引くための《パンツァー》はタップキルもされないため、早期に立てて置くとゲームを有利に進めやすい。
相手の割り切った《アガサ》展開に対して《メテオ・チャージャー》が当てられない場合はかなり不利な展開にされてしまうため、負ける時は負けてしまう。


vs【ビッグマナ】
相性:微有利
キーカード:《吸い込む》《リュウセイ・ホール》《ヴィルヘルム》

【刃鬼】や【白抜き4cビッグマナ】を想定。
フィニッシャーの着地速度が《ガイムソウ》で底上げされているため、基本的にこちらが有利。
ビッグマナミラーの定石として、相手の次の動きをイメージしながら妨害を挟み、先のフィニッシャー着地を目指していく。
相手の《吸い込む》をケアする手段がないため、最速《ガイムソウ》《モルト王》を狙うのはいいとしても、次のターンの動きがないということは避けたい。
無理してワンショットを狙わず、横に打点を並べていくプレイも考えていく。
速度で負けそうと感じた場合は、一転して《火の子祭》連打でマナを伸ばしに行くのもあり。
相手の《刃鬼》や《VAN》を耐えた後、《吸い込む》+の動きで逆転を仕掛けに行く。
《ガチンコ・ジョーカー》は2枚の手札コンボをするデッキな以上かなりきつく、シータ型でも《永遠リュウ》や《ダイハード》に耐久されたりと、構造ほどに安易な有利を取り切れる対面でもない。


vs【黒緑速攻】
相性:不利
キーカード:《フェアリー・ライフ》《翔天と天恵の声援》《リュウセイ・ホール》

3スタデッキで1面除去のトリガーしかないデッキの宿命として、【速攻】やそれに類する速度の対面は軒並み不利となる。
【ブリザード】や【リキッドピープル】にも回られるとキツイ。
プレイ指針はとにかく目の前のクリーチャーを捌きながら、運よくトリガーしてフィニッシャーに間に合わせるほかない。
後攻で対面してしまった際はほぼ諦めよう。
他に完全な不利を食う対面がなく、【速攻】にだけこの相性となることが、【モルト王】がメタゲームに大きく絡む要因となり得る要素である。


プレイングケーススタディ

冒頭に書いた通り、はっきり言えば、そんなに深いプレイングがあるデッキではない。

どちらかと言えば構築の比重が大きいため、本記事もそちらを主眼とした。

その上で迷いが発生しそうなケースをいくつか紹介する。

《火の子祭》によるボトム固定・山把握などは本気で勝ちに行く際はやって当たり前の部類なので、極めたい人は癖にすべき。

山調整に加えて、マナをどこまで伸ばすかも考えられるようになれば一流である。


《モルト王》のぶつかり稽古

《ギガハート》の破壊耐性を活かして、相手のタップされた9500以上のクリーチャーやスレイヤー持ちに《モルト王》で特攻を仕掛けて、安全に《オウギンガ》を着地させるテクニック。
これは《モルト王》を使う上での基本であるが、あまりにも頭から抜けているであろう人が多い。
ただ、振り返ってみれば普段様々なデュエプレ情報に目を通す中でも、このテクニックについて解説されたメディアや発言はあまり見たことがない気がしたため紹介する。
もちろん、2回目の攻撃はシールドブレイクに向けることで、《オウギンガ》3点からリーサルを狙うことも可能。
《グリージーホーン》のアンタップキラー付与による応用も含めて覚えておきたい。
なお、このデッキには入っていないものの、《グレンモルト「覇」》を使う場合でも重要なテクニックである。


《火の子祭》で置くカードと《リュウセイ・ホール》のプレイについて

※先日Youtube配信された対抗戦での局面のため、こちらの24:10頃から対戦の全容が確認可能です

【バルガライゾウ】対面後攻3ターン目。
前2ターンは《翔天と天恵の声援》《ヴィルヘルム》をマナに置いている(この《声援》置きは賛否だが、ここでは触れない)。
《モルト王》を埋めて《火の子祭》を撃つ局面。

捲れたカードは《吸い込む》と《ヴィルヘルム》だった。
どちらを埋めるか。

少々迷った末に《ヴィルヘルム》をマナに置いた。
次のターン《リュウセイ・ホール》を撃つために青マナを置きたいのはもっともだが、《火の子祭》を回収しておかないと次のターンのトップが多色の時に《ガイムソウ》か2枚目の《モルト王》を埋めざるを得ない。
マナカーブの動きを意識するあまりにフィニッシャー着地を遠ざけては元も子もないため、ここは《ヴィルヘルム》を置き、次のターンに《リュウセイ・ホール》を撃つことは半分以上諦めた。
また、【バルガライゾウ】対面で《モルト王》のワンショットは《イージスブースト》か《ロマネスク》で止まってしまうため、安全な勝利を見込める《ガイグレン》のルートもまだ視野に入れておきたい。

《ヴィルヘルム》を埋めた次のターン。
引いてきたカードは《モルト王》。
こちらにできる動きとしては《リュウセイ・ホール》を埋めて《火の子祭》を撃つ動きしかないため、考えることはない。
脱線してイメージしてほしいのは、この引いたカードが《吸い込む》だった場合である。
もしマナゾーンに非赤マナが1枚あり、赤マナが3枚の状況だった場合、《吸い込む》埋め《リュウセイ・ホール》の動きをするだろうか。
そうすると、次のターンに《ガイムソウ》《モルト王》の動きをするには、
・《リュウセイ・ホール》のブーストで赤マナが落ちる
・トップで赤単色を引く必要がある
という要求をされる。
前述「構築について」の《リュウセイ・ホール》の解説と符合させてみると、理解が進みやすいのではないだろうか。

《リュウセイ・ホール》埋め《火の子祭》をした次のターン。
相手は《バルガライゾウ》ラインに到達しており、かつ盤面には《モルト王》のワンショットを止める《イージスブースト》という苦しい状況。
ここで引いたのが、まさかの《ガイグレン》だった。
【バルガライゾウ】の常識的な構築でこのカードを止める手段は、せいぜい《コルティオール》くらいしかない。
《モルト王》をマナに置いたことでマナ武装7を達成し、《ガイムソウ》《ガイグレン》でワンショットが通った。
相手の手札に《バルガライゾウ》が控えていたため、最終的にトップで回答札を引いた結果だが、《ガイグレン》を見据えつつ《リュウセイ・ホール》に囚われない立ち回りの結果で勝ちを拾えている。
勝ち筋を追う動きとして参考にしてほしい。
なお、初手の《翔天と天恵の声援》埋めはプレイミス。
後攻で相手からビッグマナ・ライゾウ系のにおいがする以上、4ターン目に《声援》+《火の子祭》の2ブーストを狙いたい。
これができてると《ガイグレン》のマナ武装達成もよりハードルが下がっていた。


《モルト王》と《ガイグレン》のどちらを出すべきか

【MRC】対面。
墓地は十分であり、次にも《MRC》が飛んでくるという状況。
相手の墓地には《ベリアル・ワーム》が見えている。
《モルト王》と《ガイグレン》のどちらを出すべきか。
それぞれパターンを考えてみよう。

①《モルト王》で《プロトハート》+《ギガハート》の場合
⇒どのクリーチャーから攻撃してもリーサル効率に影響なし。
どこで《デスゲート》を踏んでも《ベリアル・ワーム》蘇生で耐久されてしまう。

②《モルト王》で《グリージーホーン》+《ギガハート》の場合
⇒《モルト王》で《ホネンビー》に攻撃、《勝利リュウセイ》2点で《オウギンガ》に龍解する。
《パンツァー》2点、《オウギンガ》1点時《ガイギンガ》出しがベストリーサル。
最後の《デスゲート》のみケアできている。

③《モルト王》で《ガイハート》+《ギガハート》の場合
⇒《勝利リュウセイ》2点、《モルト王》攻撃(高確率で《ホネンビー》がブロック)で《ガイギンガ》と《オウギンガ》に龍解する。
《オウギンガ》3点で《ガイギンガ・ソウル》を出していくのがベストリーサル。
最初の2点の《デスゲート》と、その後の《デスゲート》1枚以上を含む2トリ以外は貫通する。

④《ガイグレン》を出した場合
⇒《ガイグレン》2点を連打するのがベストリーサル。
《ガイグレン》の全体火力は相手のトリガー処理後に発動することから、《デスゲート》で破壊されてブロッカーを出されてもすぐに退場させられる。
最初の2点の《デスゲート》と、その後の《デスゲート》1枚以上を含む2トリ以外は貫通する。

まとめると、《ガイグレン》を選択すれば、最初の2点で《デスゲート》を踏む以外リーサルを狙える。
《モルト王》でも③のパターンで同じ条件に持ち込めるが、《ギガハート》の装備をするプレイが選択できる人はほとんどいないだろう。
かく言う筆者も④がベストプレイと思い込んでいた。
《ホネンビー》でブロックするかのプレイミスの可能性がある選択を相手に迫れる点で、わずかに③の方が最適解と考える。
ひょっとするとこれ以外にもベストなリーサルパターンがあるかもしれない。
《デスゲート》+ブロッカー蘇生のパッケージが大敵なことと、リーサルパターンの多様性を理解してもらえればと思う。


おわりに

今回、初めての有料記事としました。

初めて故に試行錯誤の面もあり、多くの方に満足のいく受け取り方をしていただけているかが不安です。

有料にした理由は特に書きませんが、支払った額に見合う価値を感じていただけたら幸いです。

もしご不満の際は、冒頭記したようにご遠慮なく返金申請をしてください。

少しでもこの記事があなたの日々の楽しみにつながれば幸いです。

それではまた。

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