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デュエプレ12弾環境考察(NEW)

※全文無料です。気兼ねなく。

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

以下にて12弾環境の推移と簡単な解説を記していきます。

環境の変化に合わせて更新していく予定ですので、適宜参照していただければ幸いです。


全体外観

様々な進化に関するギミックが登場した、紙の神化編にあたるカードプールが追加された12弾。

最初に注目を集めたのは、主人公の新たな切り札でもある「ボルシャック・NEX」を軸とした『NEX』です。

紙にも存在した「NEX」+「マッハ・ルピア」のパッケージでも通用すると考えられましたが、全リスト公開時に「ブレイブ・ルピア」が判明すると評価はさらにうなぎ上りとなりました。

活躍が約束されたデッキと言っても過言でないでしょう。

同じく紙でトップメタに位置したことがあるデッキとして、『Bロマノフ』も注目を集めます。

2コスト初動→「カラダン」→「ヴィルジニア」からの4ターン目着地もそう低くない確率で起こり、早期の3ハンデスという今までにはなかった妨害性能で中速以下のデッキに対して強さを見せます。

11弾から引き続いて、盤面処理と押し込みに長けた「DEATH・ドラゲリオン」を積極的に採用できる点も強みとなっています。

既存デッキで当初勢いがあったのは『ガントラビート』でした。

新しく登場した「オリジナル・サイン」「コルテオ」を採用した『青ガントラ』が再び環境に戻ってきました。

やはりハイパフォーマンスのカードで揃えたグッドスタッフデッキということもあり、環境の波の影響を受けづらい側面があります。

「オリジナル・サイン」はカードパワーに着目して『ガントラビート』で採用されましたが、もちろんデザインされていた『キリコ』での使い方も開拓されていきます。

こちらは研究の果てに「オリジナル・サイン」を採用しない構築も出てきましたが、メインである「キリコ」は事前の不安を打ち消して見事環境入りを果たしました。

新弾環境が堪能された頃、再び頭角を現してきたのが『赤青剣誠』と『ナイト』です。

”『赤青剣誠』の攻撃に間に合うか”と、”『ナイト』の防御に間に合うか”は環境の天井のように機能し、デッキを組む際の対策必要事項として挙がってきます。

どちらもスーパーデッキのテーマとして選出されただけあって、環境上で最も手堅い実力を持つデッキです。

ただ、これら新時代のデッキが台頭する中で、『白青メカオー』はさすがのデッキパワーを発揮し続けます。

次の13弾が出る際には主要パーツが軒並みND落ちするにもかかわらず活躍を見せる様は、オーパーツと言えるほどでしょう。

一方でグッドスタッフで構築されたコントロールは冬の時代を託っているものの、環境に刺さりの良い「キング」を強みとして一定数見られるのが『5cコントロール』や『緑抜き4c』『青抜き4c』などのコントロールデッキです。

周囲の相対的なデッキパワーの向上から立ち位置が良いとは言えませんが、環境の歯止めという意味をこの12弾環境では帯びてきました。

基盤を維持したまま「サンダー・ムーン」というアレンジの候補が出てきたのは面白みが増してきたところです。

もう一つ、コントロールデッキとしてその地位を定着させてきたのが『トリガーHDM』です。

このデッキを端緒として、トリガーを厚くするのが今のコントロールの常識ともなってきているでしょう。

また、デッキの性質が変わってきたという意味では、11弾環境の異端児であった『バルガライゾウ』も挙げられます。

こちらはコンボデッキとしては新たな『キリコ』に後塵を拝する存在となりましたが、必殺性と一部のデッキへの相性の良さは健在です。

ガードが下がったところで、メタデッキとして前環境よりもむしろ活躍がしやすい場面が出てきました。

この12弾は新カードのパワーの高さと6弾カードのND落ちによって、大きく環境が変化しました。

ここから7弾・8弾と強力なカードが収録された弾が使えなくなっていくことを考えると、ここがパラダイムシフトの起点となり得るでしょう。

振り返った時、この12弾からその物語が始まっていた、ということが近い将来にあるのかもしれません。


ヘヴィ・デス・メタルカップ最終TOP100

圧倒的なTier1候補は『赤青剣誠』。

5ターン目にリーサルをかけにいくデッキはこれまでにも存在しましたが、このデッキの再現性の高さは随一です。

「ザンゲキ」による追撃性も高く、数々の防御や妨害を跳ね除けるデッキパワーを持っていると判断できます。

他デッキと併せて、メイン・サブで使用している方が非常に多くいました。

二番手にやってくる『NEX』は、白赤緑のリースカラーを基本としながら、派生も多く登場してきました。

白を抑えて黒を加えた『デアリ』や、両方を織り交ぜた『青抜き4c』型、武者を加えた『NEX武者』など、パッケージの強さを活かした拡張性を見せています。

続く『ナイト』は、この二つと五分で戦いやすく、コントロールデッキの花形と言えるデッキで存在感を放っています。

大の苦手だった『バルガライゾウ』が母数を大きく減らしたことも影響しているでしょう。

同じく『白青メカオー』も五分近くに戦えるデッキが多い、これまで通りの安定感を売りとします。

周囲のデッキパワーの増強によって相対的な立ち位置は落ちたものの、「マーキュリー」の刺さりが若干良くなったという追い風もあり、相変わらずの活躍を見せる様は流石の一言です。

新コンボデッキの『キリコ』は、そのカラーと構造故に不利な対面を作りやすいピーキーなデッキですが、理想ムーブが決まった時は4ターンであらゆる対面を粉砕できる理不尽さを兼ね備えます。

新環境が始まったばかりということもあり、試行錯誤するプレイヤーたちを奇襲するにはうってつけのデッキであったと言えるでしょう。

12弾リリースから月末に向けて研究が進んでいく様子は目を見張るものがありました。

コントロールからは、ハンデスの通りの良さと防御力から『トリガーHDM』がじわじわと母数を伸ばします。

テーマデッキが多く結果を残すこととなりましたが、さすがは環境デッキが多くあることに定評のあるデュエプレ。

個性的なデッキもいくつか確認することができています。

一つは懐かしき『赤白速攻』。

『速攻』が淘汰されたと思われた中で、しっかりと環境の隙を突いて月末に勝ち星を積み上げました。

一方でまったくの意識外だったと思われるのが『リーフコントロール』です。

ハンデスの通りの良さは上位ユーザ感で認識されていたことですが、その上で最大バリューの「ガブラ・ハンド」を当てられる「リーフ」との組み合わせに辿り着いた人は限られるでしょう。

より素直な構築としては『クローシス自壊コントロール』も結果を残しています。

基本的に防御力に難があることから相性差がはっきりしやすいデッキですが、新弾リリース後の混沌とした環境を上手く読み切ったと評価できるでしょう。

今後どういったデッキが開拓されていくかの楽しみを魅せたまま、12弾環境は幕を開けました。


ボルシャック・NEXカップ最終TOP100

圧倒的リースNEX。

比率にすると37%に上り、いくらTwitter上で判明した数値と言えど他の追随を許さない強さがあることがわかるでしょう。

この記事内でも折に触れている通り、目立った不利対面を持たない『リースNEX』のデッキパワーが飛び抜けていたと判断できます。

TOP1,2をダブルで飾ることとなりました。

『リースNEX』の構築に関して、下記の記事で平均値が割り出されていますが、私が認識していたテンプレートとほぼ相違ないリストです。

1位の構築では初動となる「ホッピ・ルッピ」が増量されている点、2位の構築ではカードパワーの高さに目を付けた「ライジングNEX」の増量が見られます。

『リースNEX』が結論デッキであったことは間違いないので、細かなチューニングとプレイングの理解度が結果に表れたのだと考えられます。

2番手の『赤青剣誠』は『リースNEX』に水をあけられているものの、入賞数は全体の22%と、普段の入賞率1位に迫る勢いがあります。

やはり前月に比べるとメタ対象として意識されたこと、『リースNEX』がメタを張りづらいデッキがある一方でこちらが対策しやすいことから、少々強い向かい風が吹いていました。

ただ、それを乗り越えて入賞数2位となるのは流石の地力です。

このNEXカップでは「トモエ」を抜いて多色濁りを避けたものや、トリガーを増やしたものなど、前月よりも個性が出る構築が見られたと感じました。

次に来る『デイガナイト』はコントロールというデッキ性質もあってか、前月と同程度の入賞数となりました。

ただし、この『デイガナイト』に関しては上位の中の上位に多く、4,5,6位を占めています。

構築に関しては再び『NEX』対策となる「ヘヴバイ」を戻した構築が多く見られました。

枠がかなり厳しいデッキであることから4枚確定枠と思われた「ネロ」を減量する構築も見られたりと、工夫が模索されていたようです。

ここまでで圧倒的3強環境になっていると、グラフから率直に判断できます。

次に来る『キリコ』はランクマッチ全体での使用率こそかなり高かったものの、入賞数は控えめでした。

とはいえ、同種の理不尽性を持ち合わせていた『ライゾウ』が流行期にほとんど入賞できなかった点を鑑みると、『キリコ』は上位互換に近い存在なのだとは言えそうです。

同数の4件入賞した『メカオー』は、相性的には極端に不利な対面がないところでなんとかこれまでの最強デッキとしての面目を保てたでしょうか。

『NEX』が素直なビートダウンとして覇権を取る中で、トリガーを無力化できる点は魅力として際立ちます。

潜在的な強さはまだまだ健在なので、今後も一定数は見られそうです。

その他のデッキで注目したい一つが『赤白武者NEX』です。

懐かしの『赤白武者』に「NEX」のシナジーを組み込んだ形で、上位のデッキたち、特に『リースNEX』に対して強く出やすい特徴があります。

コントロール系の対面が重くなってくる点で相性がある程度はっきりしてはいますが、デッキパワーは高めです。

これほど『リースNEX』が一強の結果を見ると、今後の活躍に期待がかかるデッキタイプとなってきます。

既存のデッキとしては『青抜き4cサンダー』が一件結果を残しました。

各カードの枚数に個性は見られるものの、構築全体を見た時にさほど奇抜ということはありません。

ただ、『ナイト』を除いて大きく不利を付けるデッキが環境上位にない点はメリットとなってきます。

月末の偏った環境を鋭く見抜いたデッキ選択であったと感じられました。

異色のデッキの入賞者には『白抜き4cキリコ』があります。

黒の入った『キリコ』や、黒緑以外の『Bロマノフ』を考えた人は多くいることでしょう。

形となって表に出て来ることはほとんどありませんでしたが、この最後の追い込みで入賞を果たしました。

「キリコ」という到達点のためにブーストと妨害を同時におこなう「トリプルマウス」や、4枚積みでない各種カードを見ると非常に興味深い構築です。


ここ数か月のデュエプレの環境、特にNDでは常に多様なデッキタイプが環境に存在しました。

こちらにアポロヌスカップ以降の最終TOP100のグラフをまとめていますが、上位3デッキで75%を占めるような環境は過去に類を見ません。

データを取る前の環境にはなりますが、3弾の頃のボルバル、ブリザード、ガルザークの三つ巴の状態が近いと言えるでしょうか。

ただ、この時と比べても『NEX』の強さは頭一つ抜けたものがあり、『剣誠』と『ナイト』を同列としてよいのか迷うところがあります。

今回の入賞者は複数のデッキを使い分けていたという報告が少なく、『NEX』『剣誠』『ナイト』のいずれか一本で上ったという方が多く見られました。

あくまでTwitter上で拾えたデータを基に考察を行っていますが、今回については信憑性がいつも以上に高いと考えられます。

『剣誠』『ナイト』ですら先行きが不安にも見えてくる中、『NEX』に関しては既に規制へ片足を突っ込んでると言って差し支えないでしょう。



環境デッキ紹介


NEX

主人公の新時代のデッキとして、「ブレイブ・ルピア」をはじめとする強力なルピアたちと共に登場しました。

構築の基本は『リース』で、

  • 初動(ライフ、ホッピ、ラピア、コッコ)が12~16枚

  • NEXパッケージ(NEX、ブレイブ、ライジング)が10~12枚

  • トリガー枠(スパーク、コルテオ、ナチュトラ、グレンオー)が8~10枚

  • マッハ・ルピアとピースルピアがそれぞれ2~3枚

の計30枚ほどを固定枠として、その他の部分で個性を出す形となっています。

自由枠は「サンバースト」「ギフト」「ジャック」などのほか、固定枠の枚数拡張も視野に入ります。

『リース』からの派生には白を極力削ってカードパワーの高い黒を加えた
『デアリ』型。

両方の特徴を引き継いで「キング」を加えた『青抜き4c』型。

緑を抜いて「武者」を加えた『NEX武者』などが存在します。

何より上記の”NEXパッケージ”が非常に強力なことから、デザイナーズコンボでありながらも様々な構築を模索できる強みがあります。

ミッドレンジ系のエースとして、今後も長く環境で見られるデッキになると考えられます。


Bロマノフ

紙ではトップメタに君臨していたことから期待されていた『Bロマノフ』は、デュエプレでも同じく黒緑の色で構築されるのが主流となりました。

最速4ターン目に出て来る3ハンデスのT・ブレイカーはどの対面にとっても脅威で、多少の相性差を埋めるほどの力を持ちます。

このデッキのメタゲーム上での強みは「DEATH・ドラゲリオン」にもあるでしょう。

「Bロマノフ」の進化元を墓地に落としながら盤面除去ができるのは最高の相性と言え、対面によってはこちらの方が活躍を見れるほどに強力なカードです。

安定性が他環境デッキに比べると不足することからほど良い強さに収まっているデッキですが、上手く回った時の強さは理不尽さも持ち合わせています。

メインとしている黒と緑はどうしても防御が薄くなってしまうのですが、優秀なトリガーが追加され、脆さをある程度カバーできているのも絶妙なところです。

環境トップとはなりづらいでしょうが、同じ色の『黒緑ドルバロム』がメタデッキとして長く環境にいたところを踏まえると、こちらも今後の活躍が見込めるでしょう。

一部では青を入れた形や黒単色の構築も模索されているため、今後の研究とカードプールの追加が楽しみなデッキです。


キリコ

当初は環境での活躍を不安視する声も聞かれましたが、無事環境入りを果たしました。

構築は青緑を基本として、白や「サファイア」とその他の赤のトリガーをタッチした型が見られます。

ポイントとなってくるのはトリガーと多色が入ってくるかという点です。

最速キリコに向けて完全に受けを切った型から、デザインの内であった「オリジナル・サイン」や「コルテオ」、もしくは「スパーク」や「スクラッパー」を採用したものまで、『NEX』同様に細部でのバリエーションが光るデッキとなってきています。

基本的に採用候補となるカードは定まってきていましたが、最近は「ディルガベジーダ」を加えるなどの細かな調整も見えてきました。

カードプールの増強によっていくらでも改良の余地があるデッキなので、採用カラーの変化からチューニングまで、今後も活躍が期待できるでしょう。

大味なデッキに見えますが、構成する色の特性上相手に対して妨害を挟むことが難しく、また、相手の妨害に対しても基本的に無力で、動きを通すには構築やプレイへの細かな工夫も求められます。

目立つようになるとどうしても対策が重くのしかかってしますが、環境の隙を突いた際には連勝も狙いやすいデッキです。


ライゾウ

前環境の暴れっぷりからすると、かなり大人しくなったとは言えるでしょう。

ただし、『キリコ』同様に回った時の理不尽性は健在で、あちらに比べると単体のカードパワーが高いものが多く、トップ解決力が高いです。

ハンデス対策の「ザークピッチ」や呪文対策の「デルフィン」を積めることもありますが、『ナイト』に対して『キリコ』が不利寄りであるにもかかわらず、『ライゾウ』が有利を取れるのは面白いところだと感じられます。

平均キルターンが5~6ターンのデッキに対して不利を取りやすいですが、遅めのデッキに対しては軒並み有利を付けやすいです。

『ライゾウ』というデッキタイプから同一視されがちですが、実は採用色や採用候補に挙がるカードはかなり多く、アレンジのし甲斐もあります。

元からの人気に加えてドラゴンはおそらく毎弾追加されていくので、今後も環境で一定数見かけられるでしょう。


赤青剣誠

安定した5ターンキルが可能なビートダウンデッキとして環境を規定しているのが『赤青剣誠』です。

構築に前環境からの大きな変化はなく、低コストのサムライを多く採用した前寄せ型がすっかり一般的となりました。

4枚積みのカードで36枠程度は決まり、残りの枠を環境を見ながら微調整された構築が見られます。

最大の争点となる「トモエ」の採用については、するなら4枚とはっきりした構築が多く、体感で全体の8割ほどが採用派です。

不採用派でも好成績を残している方はいるので、採用が絶対とは言えないでしょう。

また、このツイートの構築に見られるように、「アクア・ツバメガエシ」を1枚採用したものも見られるようになってきました。

「ザンゲキ」によって実コストよりも高いパフォーマンスを出しやすいのがサムライの強みのため、意外に候補となってくるカードは多くあります。


ナイト

『赤青剣誠』同様にスーパーデッキのテーマに選出され、コントロールデッキの筆頭として活躍を見せています。

明確に不利対面だった『ライゾウ』が環境から減少し、同じく不利寄りであった『5cフュージョン』などのビッグマナ系統が後退しているのも追い風でしょう。

「グローリー・ゲート」をはじめとする初動カードが引けるかに左右される側面はありますが、それでも安定性の高いコントロールデッキとして愛用されています。

最近の傾向としては、

  • 「破壊龍神」の採用枚数が以前のフル投入から2枚前後に減少

  • 「ヘブンとバイオレンスの衝撃」を採用しない

  • 「魔弾プラス・ワン」を1枚採用する

  • 「獅子幻獣砲」を2~3枚採用する

  • 「魔光死聖グレゴリアス」を1枚採用する

  • 「邪眼銃士アレクセイ候」を採用する

といった変化がみられるようになってきました。

以前好みの範疇であった「シーザー」と「HELL」に関しては、枚数ほど定まらないものの、ほとんど採用が定着化してきています。

コントロールという特性上、前述したビッグムーブを持つデッキや、想定外の動きをする環境外のデッキに弱い側面は持ちます。

が、ある程度対面するデッキタイプが固まってくる上位となるとプレイングで勝負がしやすく、上に行くほど見かけやすくなるデッキでしょう。

今後もコントロールの基準として、『赤青剣誠』同様環境では見られていくと考えられます。


トリガーHDM

11弾から環境入りを果たした防御に特化したコントロールデッキが『トリガーHDM』です。

  • 素直なビートダウンデッキが増えたこと

  • 『白青メカオー』のようなトリガーを無力化するデッキが減少したこと

  • 『ライゾウ』『フュージョン』のようなタイムリミット系のデッキが減少したこと

などから環境には若干追い風が吹いていると言えます。

ただ、この多量のトリガーを採用した構築ですらなお『NEX』などの攻撃に耐えきれない側面があるため、過信はできないでしょう。

トリガーは25枚前後の構築が基本となりますが、近頃は15~20枚ほどまで枚数を減らし、その分コントロールカードを採用する構築も見られるようになってきました。

各種ハンデスカードや「キング」「超絶究極神」など、環境上に刺さりの良いカードは増えているので、調整の塩梅が試されていくでしょう。


ガントラビート

青→黒→青→黒と、メインのリースカラーに加える4色目の色がほぼ交互に推移してきた『ガントラビート』ですが、この12弾ではどちらも見かけられます。

青入りでは前述の通りに「オリジナル・サイン」と「アマテラス」の高いカードパワーを活かしたパッケージが採用され、黒入りでは前環境の構築を踏襲した上で新規の「ダチュラ」をトリガー枠として迎えています。

「ダチュラ」の採用先としては『Bロマノフ』に続いて真っ先に挙がる候補であり、この12弾環境でも大きな活躍が予想されていました。

周囲のデッキパワーが大きく向上した影響で期待ほどの成果は出ていませんが、それでも使いやすさやグッドスタッフとしての強さは健在です。

今後も上手く環境を読んだメタカードを採用して前線に復帰する可能性は大いにあるでしょう。

『NEXガントラ』などの一見して奇抜な構築が可能なのも、このデッキの強みです。


白青メカオー

安定感の代名詞である『メカオー』は、NDでも最後まで環境に残れそうです。

12弾のリストが判明するや否や露骨なメタカードだと認識された「吸魂バキューム」はさほど環境で見かけることもなく、「コルテオ」という新規のカードも迎えられています。

ただ、この「コルテオ」自体が『メカオー』にとってケアが難しいカードとして重く、登場がプラスよりもマイナスに働いている側面が強いです。

周囲のデッキパワーの向上からもこれまでのような突出した強さはなく、総合的にちょうどいい位置に収まってくるようになりました。(時代が『メカオー』に追いついたとも言える)

構築の変化としては、環境の高速化に合わせて「ガニスター」を採用する型や、活躍の場面が増えた「マーキュリー」を増量したものが増えています。

有象無象に対する対応力が高いため、環境が混沌とした際には改めて存在感を強めることもあると考えられます。


速攻

『赤白』がメインですが、一部で『赤緑』や『黒緑』なども見られます。

他の環境デッキを見た際に、最も速度のあるデッキが『赤青剣誠』で、これは安定した5ターンキルと引き換えにトリガーがほとんどない防御の薄いデッキです。

1コストクリーチャーを採用した『速攻』は最速4ターンキルが可能な上に、選択する色によってはトリガーやブロッカーを採用することもできます。

この”『赤青剣誠』に有利を付けられる”というのが最大の強みとなっていると言えるでしょう。

構造上不利が付きやすい対面もキルターンの速さから運が傾けば乗り越えることができ、メタデッキ的性質で今後も環境に残り続けると考えらえます。


4cコントロール

『緑抜き』と『青抜き』の二つが候補に挙がります。

『緑抜き』に関してはハンデスと「キング」を主な武器として戦うことになりますが、『トリガーHDM』の項で上げたように現在のコントロールは防御力に難があります。

どうしてもトリガー枚数を増やす必要が発生し、純粋なメタコントロールとして組むには難しい状況にあるでしょう。

サンプルのように、『トリガーHDM』と折衷した形も増えてきました。(もはや4cではなくなっていますが)

『青抜き』は「ギフト」を強みとして、「キング」や「HDM」の早出しを意識したデッキで、これまでも環境を読んだ使用が求められました。

また、こちらに関しては新たに「サンダー・ムーン」と「フュージョン」を加えた形も登場してきています。

この12弾で環境のスピードも0.5(先手後手の差)~1ターン前後加速したと感じられることから、理想的な動きができない場合に苦境に追い込まれやすくなってしまいました。

ただ、有利を取れる対面が減った一方で明確な不利の対面も減ってきたため、それぞれに環境上有効な戦術は持ち合わせていることを踏まえても、環境を見たチューニング次第で一矢報いる可能性はあるでしょう。


5cコントロール

『5cミラクル』と『5cフュージョン』があります。

『5cミラクル』に関しては5色のグッドスタッフということで、これまでとさほど位置づけは変わりません。

ただ、マナを伸ばして大型を出す戦略を取っている以上、”これをすれば勝ち”という手段が少なく、他デッキのビッグムーブを耐えきることにも難があって現在は下火です。

『5cフュージョン』の方は13マナという長い旅路ではありますが、一応の終着点を持てているところが今環境では強みとなりやすいです。

新規の「サンダー・ムーン」を採用した形も散見され、『ナイト』や『トリガーHDM』などに対してリミットを速めて圧を掛けることもできるようになりました。


環境の鍵

端的に言って難しいです。

というのも、現環境は再三述べてきたように汎用出張カードが少なく、環境の抑止力となっていた6弾のND落ちと、12弾のデザイナーズのデッキパワーによって、デッキの選択肢が狭まっている面があるからです。

グッドスタッフのビートダウンである『ガントラビート』、コントロールの『4cコントロール』や『5cミラクル』は環境の中堅~下位と言った位置づけで、ランクマッチの上位層で安定して勝つのが難しくなってきています。

こうなるとチューニングの幅の狭いデザイナーズのデッキ同士でのジャンケンのような構図になり、結果として新たなデッキが介入する余地もなくなってきます。

とりあえずマストで対策が求められるデッキを想定するために、現在環境デッキの各相性を考えてみます。

〇→有利 □→五分 △→不利

※構築や練度によって相性は多少変化します
※各相性表記内でも幅があります

『NEX』は速いデッキ以外に対しては軒並み五分以上を付けることができ、不利寄りとされるデッキに対しても大きく後れを取ることはありません。

総合的に環境を見た場合、最も使用に無難なデッキだと言えるでしょう。

同じ立ち位置にあるのが『赤青剣誠』で、こちらは対策されると弱い面がありますが、より速い回転率と抜群の安定性がそれをカバーしています。

ここから、『NEX』と『赤青剣誠』が環境上で無視できない存在として挙がってきます。

この二つを意識して相性表に目を移すと、見えてくる最も単純な回答は『速攻』でしょう。

極端な相性ではないですが、『NEX』『剣誠』には五分から有利寄りに戦いやすいアーキタイプとしては特筆すべき点があります。

難点は現在主流の『赤白』のデッキパワーが低めなことから、トリガーやブロッカー1,2枚で瓦解しやすく、前弾までの『赤緑』や『黒緑』ほどの攻撃力を維持できていない点です。

白入りと言えどカウンター要素もさほど強くはなく、この点は本来有利を取りやすい対面を取りこぼす脆さを孕みます。

近頃はパワーラインの高さで優位を取りやすい『赤緑』、墓地進化とマナ進化によってSA不足の差を埋めた『黒緑』も復権してきており、『速攻』を手に取るならばうまく流れを読んで使い分ける必要がありそうです。

もう一つ、流れが来ていると考えられるデッキが『メカオー』です。

周囲のデッキパワーが追い付いてきたとは言うものの、それは『メカオー』がまだデザイナーズの古参として抗うことが可能なことの証左でもあります。

速度の差を埋める「ガニスター」や、ハンデス対策の「サウンドシューター」、カウンターの性質を強められる各種トリガー獣が選択肢としてあることは強みでしょう。

本当によくできているデッキだと思わされます。

安定した盤面形成をして攻めるには6ターンほどを要しますが、これもある種のタイムリミットだと捉えれば、高速化する環境を見てもかなりの速さです。

11弾の『ライゾウ』の如き理不尽な動きで人気を誇る『キリコ』や、先ほど『NEX』『剣誠』の対策と想定したNDの非力な『速攻』に対しても有利が付きやすいのは明確な長所です。

新規戦力の「コルテオ」はやはり敵に回ることがありながらも強い味方であることに変わりなく、もっとも嫌らしく扱う『ガントラ』が若干下火であるという朗報も加わります。

また、『ガントラ』から連想すれば、苦手とする「DEATH・ドラゲリオン」を見かける機会が減ったのもありがたいことです。

寿命が長いことから熟練した使用者も多く、いつ使用率が増大してもおかしくないでしょう。


まったく新しいデッキについて考えると、ここで最初の”難しい”に帰ってしまいます。

一応、ヒントとなりそうなポイントを探ってみましょう。

一つは「NEX」周辺のカードの強さです。

『NEX』の項で多様なデッキを記したように、NEXを軸とした周辺パーツとの組み合わせは汎用性が高く、ここを起点としたデッキを考案することが可能です。

たとえば「ギフト」+「アガピトス」の動きが強力だったことに回帰して、同じコストでより強い打点形成力を得た『NEXドリメ』。

「コッコ」or「呼び声」→「NEX」+「コッコ」で「ライゾウ」へマナカーブがつながる『NEXライゾウ』。

「NEX」をグッドスタッフとして採用した『NEXガントラ』などが挙げられます。

この拡張性の高さはかなり特徴的で、”「NEX」が入っていればデッキの体を成す”と言っても現状過言ではありません。

当然カードプールが増大していけば使い道も増えて来るため、今後「NEX」がどのような使われ方をしていくかはゲームの楽しみの一つだと考えられます。

もう一つ、戦術に着目してみると、何度か述べたようにハンデスカードの通りの良さは一定しています。

カードパワーに難がある「ゴースト・タッチ」も、少なからず見られる機会が出てきました。

また、HDMカップ最終TOP100のところでも触れたように、「のろいとテラーの贈り物」を使用した旧来のコントロールや、新カードの「ガブラ・ハンド」に着目したデッキも登場しています。

これら黒青赤を軸としたデッキは構造上環境トップとはなり得ないと過去にも書きました。

1年ほど経ってもこの性質は変わらないと考えますが、環境デッキの性質がはっきりとしていて、そこに刺さるならば隠れ兵として機能します。

『NEX』『剣誠』『メカオー』でのマッドネス採用が積極的でないことからも確実に流れが来ている時はあります。

この戦術を上手く活かした新デッキの登場は期待したいところです。

最後に、現環境のデッキをTier表として整理してみます。

  1. NEX、赤青剣誠、キリコ

  2. ナイト、メカオー

  3. Bロマノフ、トリガーHDM、ガントラビート、速攻、4cコントロール

  4. ライゾウ、5cコントロール

※ここでのTier表は、デッキの強さと使用率を総合的に私個人が判断したものです
※使用率に関しては、下記統計グループBEANSの代表・まめさんのTwitterアカウントで公開されているBEANSDATAを主に参照しています

単純にTier上位のデッキを使っても勝てるわけではないところがデュエプレの難しくも面白いところでしょう。

環境のことをかなり理解していると自負している私でも、最適に近い解を出すことはなかなかできません。

それでも、それを追う楽しみを共有できたならば、この記事がその一助となるならば何よりです。


おわりに

本当は2月上旬にこの記事を上げてしまいたかったのですが、多忙に多忙が重なって中旬まで縺れこんでしまいました。

2月は日が少ないので、もう下旬と言っても差し支えないかもしれませんね。

記事を書く速度を上げたいです…

折に触れてきましたが、この12弾はかなりの環境変化を経験しています。

NDとADのすみ分けもかなり進んでゲームが面白くなってきていると感じるので、普段あまり書かないADの記事も後日書いていきたいです。

まだ多忙は続くのでいつになるかはわかりませんが…お待ちいただけることがあれば嬉しいです。


最後に投げ銭方式で、内容とは関係ない文章を残します。

無理をする必要はありませんが、この記事や過去記事も含め、見合う価値があったと思ったらご購入いただけると大変嬉しいです。

いただけなくても、少しでもこの記事があなたの日々の楽しみにつながれば幸いです。

それではまた。

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