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デュエプレ20弾環境考察(NEW)

※全文無料です。気兼ねなく。

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

以下にて20弾環境の推移と簡単な解説を記録として残していきます。

シーズン終了直後に随時追記予定です。



全体概観

E3に突入し、地続きではあるものの、これまでのハンター・エイリアンとアンノウンを軸としたエピソードシリーズからは毛色の違ったカードが多く登場している。

このE3は独特な効果を持ったカードが多く、それも起因して紙では実績を残せたカードは限られ、それを知る人たちからは収録内容が不安視されていた。

ところがいざ蓋を開けてみると、課題であったエグザイルクリーチャー、中央G・リンクのギミックとしての大幅強化をはじめ、平均的なカードパワーの高さは前回の19弾に引けを取らないほどとなっている。

極端に言ってしまえば、公式カードリストで見た時の1ページ目のカードすべてが環境で見かける可能性があると言っても過言ではない。

そんな20弾環境の幕開けから土台となるメタゲームの確立までは、以下の動画を参照してもらいたい。

ここからは動画内では触れていない、20弾環境の特徴について述べていこう。

押さえておくべき要所の一つが”ビートダウン環境”ということである。

①ビートダウン優位な環境

理由は下記が主だったものとして挙げられる

・ドロンゴーギミック、【墓地ソース】、【シューゲイザー】が登場した
・《終末の時計ザ・クロック》が登場した
・【リキッドピープル】にも強化が入った
・【MRC】が後退した

順に説明していこう。

ドロンゴーと墓地ソースは、どちらのフィニッシャーを見てもわかる通り、カラーの性質がビートダウンの火文明に寄っている。

実際台頭してきたデッキタイプもいずれもビートダウンであった。

《神聖麒 シューゲイザー》に関しては火文明ではないニュートラルな無色であるものの、併用される《鎧亜の咆哮 キリュー・ジルヴェス》などの効果の性質を見てもビートに寄ったものである。

そして、火文明と敵対色であるものの、構築上の親和性が高い水文明との多色カードや相性の良いカードが多く登場した。

こうした火・水の構築は受けが脆くなりがちなのだが、そのすべてを補うのが《クロック》である。

トリガーで出れば確実に1ターンの猶予をもらえ、かつアタッカーになるという性質から、ビートダウンのデッキは色が合うならば何も考えずにこれを採用しても良いほどだ。

このビートダウン、水文明という点は、19弾環境で最上位に位置付けたビートダウンデッキ【リキッドピープル】にも共通してくる。

種族が異なることから当初は採用を疑問視する声もあったが、カードパワーがその疑念を払拭するにはそう長い時間を要さなかった。

また、同じ視線を向けられていて、同様にあっさりと覆したカードには《一撃奪取 マイパッド》もある。

【リキッドピープル】の弱みとして先手時と後手時の勝率の差が19弾環境ではあったが、このカードによる3ターン目の《アクア・エリート》がそれを大きく改善させた。

先手で行った時の強さは言わずもがなである。

こうした新規カードによるデッキタイプの推しは大きな要因としてあるが、NDの使用可能カードの入れ替えに伴う【MRC】の弱体化も見逃せない。

それなりの受けとブロッカーを搭載でき、《MRC》による爆発的なアドバンテージを稼ぐコンボギミックがビートダウンに対して構造的優位を取っていたからだ。

何より、登場以降着地が窮地を意味した《時空の霊魔シュヴァル》が使えなくなってしまったことは、ビートダウンにとっては朗報と言うほかない。


しかし、そうしてビートダウンが目立ってくれば当然それを受けられるデッキが頭角を現してくる。

②ビートダウンを受けるデッキの台頭

その筆頭は【祝門】となった。

現環境のビートダウンは、【墓地ソース】にしても【シューゲイザー】にしても【リキッドピープル】にしても、基本的にトリガーケアは行わない。

せいぜいが《5000GT》や《嘘と盗みのエンターテイナー》による対策くらいであり、盾は率直に割られる。

そこに《ウェディング・ゲート》によるカウンターは良く効いた。

【ヘブンズ・ゲート】にも同じことは言え、細部の様相は異なりながらもやや原初的な殴るデッキvs受けるデッキの構図となる。

その隙間に入り込んで来る形となったのが自然文明によるブーストを基調とするビッグマナ系のデッキだった。


③第三勢力・ビッグマナの再興

ビートダウンとゲート系の受けデッキが出てくると言うと、そこではつまり最強のブーストカードである《メイ様》が不在ということを意味する。

多少の構造的不利を覆すほどのパワーを持つ《メイ様》を搭載するデッキとして、【白抜き4cビッグマナ】と【シータ刃鬼】が再び環境に顔を見せた。

【墓地ソース】にしても【シューゲイザー】にしても、ビートダウンの速度が若干遅めな4ターン目以降に重心が置かれることで、ターボする側のゆとりが生じる。

《メイ様》が絡めば一方的なゲーム展開もしばしば発生し、環境上での地位は向上した。

これらの活躍には、19弾から続いて【速攻】の不在も大きく影響している。

カードプールが貧弱な上に、《メイ様》がクリーチャーに攻撃可能で速攻対策にもなっている点、【墓地ソース】等、2ターン目からクリーチャーを展開して受けもそこそこあるデッキが存在する点で苦境が続く。

この三すくみで進むと思われたメタゲームであったが、ここで一つのイレギュラーが現れた。

それが、受けに更に特化した【トリーヴァ大地】である。


④意外の【トリーヴァ大地】

受けの役割は《ヘブンズ・ゲート》や《ウェディング・ゲート》などのゲート系のカードが担う。

ゲームスピードが加速し、最早黎明期に見られたライブラリアウト戦術が忘れられ、そうした定説が浸透した頃に現れたのが《母なる大地》と《宇宙美刃 ミケランジェロ》を使ったこの【トリーヴァ大地】だった。

《超次元 ホワイトグリーン・ホール》に《サイバー・N・ワールド》を絡めたデッキは生半可なビートダウンでは容易に貫通できない鉄壁さを誇った。

時を経ると《光器・パーフェクトマドンナ》が採用されてその強固さには磨きがかかり、ゲート系のデッキの比ではないほどとなって役目を奪う格好となった。


これらを踏まえた現6月中旬時点の相関図はこういったところ。

上記、環境考察2週目の動画より引用

ただし、この図は【トリーヴァ大地】出現直後の《パーフェクト・マドンナ》が採用されるまでのものであり、それ以降は若干変化してきている。

デッキパワーは拮抗しており、上記動画内でも触れた通り、どのデッキも一定数の結果を遺すに十分な強さを持つ。

このままバランスを取れた状態を維持していくか、あるいは【トリーヴァ大地】の如く激震をもたらすデッキの発明があるか。

随時追記予定だが、その変革を待ち望みたい。


6/28メンテナンス後の環境

以下動画を参照。

健全性を取り戻した、という表現が正しいのかわからないが、デッキパワーが十分であるにもかかわらずくすぶっていた【墓地ソース】と【シューゲイザー】の躍進が目覚ましい。

抑圧されていた【ワイルドベジーズ】や【4cメンチ】も復活して、環境はより多様で可能性を探れるものとなった。


注目カード紹介(6/28まで)

現環境でさほど目立ってはいないが、十分なパワーのあるカードと、20弾に入って評価の上がったカードを紹介。
こうした評価の機微に敏感になることがデッキ構築やチューニングの上では重要な場合が多い。
なお、最新弾からリリース順にNDで使用可能な15弾までを書いていく。


・神人類 ヨミ

3ドローによって除去されても有利交換を取れており、後続が続きやすいことから実質的な除去耐性とも言える。

その一方でゴッドリンクによるデコイの役割も果たす個性はこのカード独特なものである。

流行し始めた《パーフェクト・マドンナ》を《左神リバティーンズ》が処理できる点は評価点。

1枚でも機能する性能は、グッドスタッフ性の高さを裏付けている。


・未知なる弾丸 リュウセイ

ビッグマナに対する最も直接的な対抗手段。

結局《メイ様》が環境の中心に居座るのであれば、このカードの出番も自然と回って来る。

【トリーヴァ大地】を中心にライブラリアウト戦術を積極的に狙う環境になってきたことも、遅延性能の高いこのカードには追い風と言える。

自分のマナを飛ばすが、相手のみマナの増えない効果でマナ埋めを誘う=Nワールド循環込みの山札総量を減らすよう仕向ける性質もある。

ただし、対象が完全ランダムである点は《シューゲイザー》や《母なる大地》などのコンボギミックと相性が悪い。

未知の弾丸は銀の弾丸となるか。


・一撃奪取サイクル

既に《マイパッド》が【リキッドピープル】で活躍しているが、サイクル中の他カードが日の目を見る可能性も大いにある。

特に4コストのカードは軒並み評価が上向く。

《お騒がせチューザ》、《日曜日よりの使者メーテル》や《金属器の精獣 カーリ・ガネージャー》《祝儀の堕天チャーマジュン》など、早出しのメリットの大きいカードとの併用は常に頭の片隅に置きたい。


・偽りの王 ナンバーナイン

元よりターボ系やコントロール系に刺さりの良いカードだが、呪文による耐久デッキの【トリーヴァ大地】に有効なカードとして、ミラー対策も含めて採用が見られる。

構築によっては詰みとなり得るカードのため、採用・対策の読み合いが発生する重要なポジションにあるカードと言える。


・真実の王 ヴィオラ・ソナタ

同じコスト、破壊効果としては《偽りの王 ヴィルヘルム》が存在するが、こちらは色がない点がメリットにもデメリットにもなる。

デアリカラーを構築に含まずとも先ほどの《ナンバーナイン》の対策とできるほか、自身の《ナンバーナイン》や《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》が墓地に落ちた際のリアニメイトなども狙える。

ピンポイントな用途にはなりそうだが、この環境でアイデンティティを帯びてきた点は覚えておきたい。


・ガンリキ・インディゴ・カイザー

ブロッカーと併用することでシールドがない状態でも《クロック》のカウンターを防ぐことができる。

【シータ刃鬼】においては《アクア・カスケード<ZABUUUN・クルーザー>》、《永遠のリュウセイ・カイザー》と並べることで、《疾風怒闘 キューブリック》によるバウンスを含めても対面は突破が難しくなる。

1枠でも役割を持てるため、採用候補となる。


・神滅無双デラット・バラッド

メジャーなサイキッククリーチャーを除去できるのはもちろん、《パーフェクト・マドンナ》を除去できる点は特性が光る。

標準のパワーに除去効果、更には《ヴィルヘルム》に繋がる軽減効果を持つ点を踏まえても単体性能は非常に高い。

《ヴィルヘルム》の採用先である【白抜き4cビッグマナ】にこのカードを安定して出す黒マナが足りない点と、多色である点はネック。

あるいは《ヴィルヘルム》のカラーに焦点を合わせたデアリカラーまで色を減らしたデッキも今後台頭しうるか。


・偽りの星夜 ブラック・オブ・ライオネル

強力なトリガーの《クロック》が増えたことと、【トリーヴァ大地】を筆頭に盾仕込みギミックを持つデッキが増えたことで焼却効果の価値が上昇している。

また、シールド化の効果と、紙で持たなかったブロッカー能力を素で持つ点もカウンター防ぎとして頼もしい。

《ウェディング・ゲート》で出す前提と思われがちだが、コスト相応のスペックを持った手出しして十分なカードであり、《チャーマジュン》等による軽減が入ればパフォーマンスは高い。


・逆転王女プリン

《大魂蟲オオ・ヘラクレス》、《戦鬼装甲トラマルGGG》、《シューゲイザー》から出すカードと思われがちだが、【刃鬼】でも候補となる。

特に環境で評価の高い《鬼丸「覇」》との相性が良く、攻撃トリガーを起動するための的を作ることが可能。

同じく通りの良い《永遠のリュウセイ・カイザー》に対するメタとしても使え、ミラーで相手が先に《刃鬼》を出してきたのを《永遠リュウ》で耐えた返しに、《刃鬼》からこれと《鬼丸「覇」》を出してアンタップさせることでワンチャンスが生まれる。

GJで捲れた時やトリガーである点も強く生きるが、多色でこそないものの色を持たない点がネック。


・埋葬の守護者ドルル・フィン

これ1枚で墓地が6枚肥え、フルクリーチャー構築であれば《5000GT》のコストを大幅に下げられる。

《ドルル・フィン》→《白骨の守護者ホネンビー》→《学校男》と動けば、ぴったり5ターン目に《5000GT》の着地も可能。

《5000GT》の効果の範囲外になるブロッカーという点でも評価は高く、《激天下!シャチホコ・カイザー》で蘇生を繰り返しても強固な壁となる。

バウンスに弱い点はこうしたカードの定めでもある。


・勝利宣言 鬼丸「覇」

最強格のフィニッシャーであるのは言うまでもないことであったが、《クロック》をケアできるフィニッシャーとしてまず評価が上がった。

環境が回る中で【トリーヴァ大地】の台頭に伴い、《スパーク》と《光器パーフェクト・マドンナ》が増えたことで、これらをケアできるこのカードは更に評価が上がっている。

フィニッシャーの枠としてゼニスと明確に差の出てきたところで、再評価の流れは続くと思われる。


・アクア・インテリジェンス3rd G

バウンス効果の刺さりは大きな変化があったというわけではないが、上記の《「覇」》によってGJの値を増加させる効果の価値が向上している。

不意の全体バウンス効果は警戒されないことも多いため、今後もいぶし銀的なポジションとして【刃鬼】構築時は念頭に置きたい。


・「呪」の頂 サスペンス

活躍の歴史も背景ストーリーでも日陰者のカードであるが、デュエプレの上方修正によって取れるアドバンテージはゼニスの中でも最大級となった。

《クロック》と《パーフェクト・マドンナ》によって焼却の価値が上がっているのも前述の通りであり、追い風は来ている。

【トリーヴァ大地】に対する役割が期待できるほか、ミラー対策としても候補にできる。


・光器パーフェクト・マドンナ

この記事を投稿する段階では触れるまでもないかもしれない。

ビート優位の環境かつ《5000GT》下でも、《「祝」の頂 ウェディング》を出されても生存する壁役としてようやく日の目を浴びた。

《サイバー・J・イレブン》を除いて警戒するものはさほどなく、どの対面にも場に出して効果を発揮する。

紙の運用に倣って《シューゲイザー》から出すのもあり。

ライブラリアウト戦術と相性が良く、これに苦しめられるデッキは今後タップやアンブロッカブル等、如何にしてこのカードを抜くかが鍵となるだろう。

スレイヤー付与や場持ちの良い《聖隷王 ガガ・アルカディアス》との相性など、かねてからの強みも健在である。


・超次元ホワイトグリーン・ホール

これを採用した構築が4色以上となりやすく、そうなると緑を入れるデッキとして《メイ様》の入るデッキに劣ることから19弾環境では日陰寄りのカードであった。

ところが、20弾環境ではビートの波が来たため、再び正当な評価を取り戻す。

同時に紙で長らく殿堂入り経験のあったこのカードが「果たしてまだ4枚使えて良いのだろうか…?」という疑問を再び抱かせて来る。

序盤に引いて役割が少ない点と、このカードを採用するデッキ性質がハンデスに弱くなりがちな点は変わらずだが、光と緑を両方採用する大きな意味となるパワーを持つカードだ。


・超次元ブラックブルー・ホール

先ほどの《ホワグリ》と比べると地味と言わざるを得ないが、このカードも効果の唯一性は高い。

20弾環境の鍵の一つになりそうな《パーフェクト・マドンナ》の集団をこれ一枚で抜くことが可能な点は、今後評価される可能性があると言える。

強制攻撃効果もジリ貧の続く状況で盾回収として使えたり、自分のクリーチャーに特攻させたりといった器用な使い方が可能。

ピーキーなカードではあるが、存在を忘れてはならないカードの一枚。


・熱湯グレンニャー

水・火の2色を含むビートダウンデッキのある環境では必然採用候補となるスペックを持つ。

《ガネージャー》が直接墓地を肥やすわけではないものの、除去の対象となることで間接的に墓地を肥やす役割があるのと同じ意味がこのカードにはある。

2色持ちである点も《キューブリック》の効果起動に役立つ点でメリットとして捉えやすい。


・復活の祈祷師ザビ・ミラ

性質が変わったという意味を込めて紹介。

《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》が使えなくなったことで《死海竜ガロウズ・デビルドラゴン》の突破力が落ちたのは大きな痛手だが、《パーフェクト・マドンナ》の採用が増えたことでそちらと併用する道ができた。

ただし、《デビルドラゴン》自体は《5000GT》や《勝利のプリンプリン》で止められ、《VAN》には《ザビ・ミラ》の出し直しも含めて対処されるなど逆風気味であるが、油断したところに突き刺さる強さは十分残っている。


・魔水晶スタートダッシュ・リバイバー

18弾の環境デッキで19弾の【リキッドピープル】によって取って代わられたが、【墓地ソース】で再度候補となる強さがある。

《キューブリック》のバウンス条件に貢献しながら不足しがちな黒マナを補充できるのは、多色であるデメリットを考慮しても優秀。

何でも蘇生さえできればパフォーマンスの十分な性能でありながら、3コストに《電脳の女王アリス》、《停滞の影タイム・トリッパー》などが追加されたのも強化要素になっている。


・至宝 オール・イエス

活躍できるかと言われれば現状できない可能性の方が高く感じるが、《タイム・トリッパー》や《嘘と盗みのエンターテイナー》など戦術のマッチしたカードが多数登場したことは重要である。

【オール・イエス】は小型を多数積む性質上《5000GT》を不得手とするが、上手く環境を読んだ構築をすればチャンスはあると考える。


・スベンガリィ・クロウラー

ビート環境で《永遠のリュウセイ・カイザー》の需要が上がっているとすれば、デメリット持ちながらも同じ効果を持つこちらも思い出したい。

代償は小さくはないものの、《母なる大地》で引っ込める等工夫して使うことも可能。

《シューゲイザー》から出すカードの候補となることもポイントとなる。


・ベニジシ・スパイダー

環境デッキにドローを行うものが多く、これを加えた【Nエクス】等がちらほらと環境で見られた。

【墓地ソース】のルーター、【リキッドピープル】の《ジャバジャック》、【祝門】の《チャーマジュン》、【シータ刃鬼】の《サイバー・N・ワールド》などが条件を満たしてくる。

地味ながら序中盤の1マナは先攻後攻をひっくり返し、ゲーム展開に大きく影響する効果だ。


カイザー刃鬼カップ最終TOP100

動画化しているのでそちらを参照。

カイザー刃鬼カップ終盤の主な注目点を整理すると、

・【祝門】と【墓地ソース】の惨敗
・ビッグマナ系デッキの細部の変化
・【トリーヴァ大地】の変遷
・【MRC】の再興

といったところだろうか。

19弾の延長戦という声も多く聞かれる20弾環境だが、ことカイザー刃鬼カップのメタ推移に関しては趣のあったものだと感じる。

続くカツキングカップはどのようなものとなるかが、まだまだ評価を左右しそうだ。

動画中で述べた、【ドロマーハンデス】や【白黒オラクル】、【青抜き4cシューゲイザー】など、新進気鋭のデッキ台頭には期待がかかる。


カツキングカップ最終TOP100

特に終盤にかけてのメタゲームの変遷が目覚ましかった。

ざっくりとした流れで言うと、

墓地ソース⇒ビッグマナ⇒アガサ・シューゲイザー

といった遷移をわずか数日で辿った。

上位は拮抗しており、どれが最大の入賞となってもおかしくなかったと感じる。

途中でカードプールの劇的な変化があった17弾の時もそうだったが、この環境がわずか1カ月もせずに終わってしまうのは残念と言うほかない。

毎回調整ありきというわけにもいかないだろうが、新パックのリリース期間も2か月毎から見直しが合ってよいと思うが…


環境デッキリスト

記載順はデッキの成立降順。

リストの作成には上記最終TOP100の公開者をはじめ、日ごろTwitter上で情報公開して下さる方々や、note等記事を書いて下さっている方々ものを参考にしている。

また、環境の趨勢については下記BEANS様のサイトを、デッキリストの作成にあたっては画像からデッキコードの発行を行えるCoco様の下記PictDeckerを活用させていただいている。

多方面に心より感謝を。


墓地ソース

デッキコード
デッキコード

【祝門】に対して若干分は悪いが、これといって大きく有利・不利が付く対面はない。

構築では採用カードの有無から色配分、プレイングでは墓地枚数の計算からキューブリックを意識したマナ埋めに攻撃タイミング等、使用難度を高める要素が多い。

使用者によって出力が大きく左右され、デッキ構造で有利を取っている対面も特段いないことから上級者向けと言える。

ただし、デッキパワーは高く、多少のメタは乗り越えてくるだけの高い地力を持つ。


6/28メンテナンス以降

デッキコード

《ガネージャー》の不採用が定着化して以降、大きな変化はなかったが、次第に《学校男》が抜けて《地獄門デス・ゲート》が再びメジャーになってきた。

不利対面だった【トリーヴァ大地】と《メイ様》の上振れを許容しやすいデッキだっただけに、この二つにメスが入ったのは大きな追い風。

絡め手も可能なビートダウンの優等生として環境トップとなる期待は高い。


ガネージャービート

デッキコード
デッキコード

墓地ソースとしての性質を削いで安定したビートダウンに寄せた形。

グッドスタッフに近いビートダウン戦術に、《キューブリック》のバウンスギミックや《カツドン破》による実質《クロック》8枚体制、更には墓地が肥えたら《クロスファイア》による追撃が加わる等、シナジーが多数織り込まれた高水準なデッキに仕上がっている。

マナカーブ上の最善の動きである、3ターン《ロビン》4ターン目《ガネージャー》が後手を取った時には悠長である点が難点だが、ビートダウンを志向する者ならば触れて学ぶことの多く、その上で一定の強度も担保されているデッキだ。


シューゲイザー

デッキコード

デアリ型を紹介するが、型としては青の《クロック》《吸い込む》《リュウセイ・ホール》を加えたものや、白の《パーフェクト・マドンナ》を加えたものなども存在する。

この点は紙で様々なバリエーションが模索された歴史と相違ない。

だが、ビートとコントロールを両方行えることが強みであるデッキで、コントロール側のハンデスが若干弱い現状にある。

《クロック》への対抗手段が少なく、率直なビートダウンであることから【トリーヴァ大地】対面をどう乗り切るかも課題。

《エンターテイナー》を最も柔軟に扱える点は現状このデッキの最大の強みの一つのため、そこが活きればチャンスはあるかもしれない。


6/28メンテナンス以降

デッキコード

カイザー刃鬼カップ終盤から少しずつ見られてきた。

実績を出しているものとしては、光入りの構築が主流となってきている。

ハンデスは必要十分でなく、このデッキが苦手な《永遠リュウ》を引いてしまう恐れもあることから控えられ、正統派のビートダウンで受けを厚くした形が多い。


トリーヴァ大地

デッキコード

ビート環境に一石を投じた革命家であり、言葉を選ばずに言えば問題児。

相性はビートダウンに対して有利を取り、ビッグマナ系に五分、ハンデスコントロール(祝門)に不利となる。

カラーの特徴がそのまま表れていると言える。

ミラーは互いにプレイ方針を熟知していると《ナンバーナイン》がある方(盾落ちしていない方)が有利となり、互いに《ナンバーナイン》が出なければほぼ千日手となる。

そうでなくとも安全に詰めるにはどの対面とも時間がかかってしまい、ある程度短時間で終わることを想定したDCGの性質にはそぐわない。

環境上での立ち位置を別として、何らかの形でメスの入る可能性は高いと思われる。


6/28メンテナンス以降

《ホワグリ》が殿堂入り。

公式大会であるデュエプレ選手権でも異例の30ターン上限が付いたりと、やはり許されなかった。

《ソルハバキ》や《スーパーエメラル》を使ってリペアできないことはないが、《ホワグリ》のパワーには大きく劣るため後退はやむなし。



オラクル

デッキコード

《インガ・ルピア》からの軽減したゴッドの展開力はかつての【ジャイアント】を彷彿とさせる。

《ヨミ》は1枚で多数の役割をこなしながら大幅なアドバンテージを取り、《イズモ》は《クラフト・ヴェルク》によってトリガーを仕込みながら攻撃していくことができる。

唯一性を持つ部分であるが、どこまで行っても行うのは単純なビートダウンであり、安定性やビートに強い【トリーヴァ大地】の存在を考慮すると立ち位置は良くない。

無色を多数含むことによる構築制限もあり、新規カードの追加がない限り目立った活躍は難しいと見る。


祝門

デッキコード
デッキコード
デッキコード

大きく3種存在。

どれも環境上のデッキと相性差は小さく、20弾環境では安定した強さを持っている。

ただし、詰め性能が低い点はどれも共通し、相手のリソースを枯らしたところでトップ解決をされたり、盾に行かざるを得ない状況でトリガーを踏んで逆転されたりといったことも多い。

守りは《ウェディング・ゲート》依存となるため、埋まらなかったり仕込めない場合もあっさり負けうる。

《シュヴァル》による対策ができなくなってしまったのは、大型のエンコマ・デモコマを扱うデッキにとっては総じて痛手だ。

【トリーヴァ大地】に有利を付けられる点が今後どう影響してくるかは、一つ環境の鍵と言える。


6/28メンテナンス以降

デッキコード

青黒がメイン。

やはり黒緑は《メイ様》の抜けた穴が大きく、ネクラは《ホワグリ》が減ったことでカラーバランスを保つことが難しい。

盾仕込みが行える点も青黒の個性となっている。


白抜き4cビッグマナ

デッキコード

速攻とそれに近いビートダウン系に不利が付くが、現環境でこの条件に当てはまるアーキタイプが【リキッドピープル】のみであり、それも引きとトリガー次第で勝てないことはない対面となる。

デッキパワーが高く、順調に回った時にはあらゆる対面に対して五分以上で戦うことが可能。

《パーフェクト・マドンナ》の台頭は向かい風のため、意識した構築とプレイングが求められる。


6/28メンテナンス以降

デッキコード

シータ基盤のビッグマナがそれなりにやれるとわかると、同型勝負で優位に立てる黒入りも必然的に出てくる。

その分ビートに対しては脆くなりがち。


シータ刃鬼

デッキコード

【白抜き4cビッグマナ】に比べると構築に若干あそびのある部分があり、特定の対面を意識して寄せることが可能。

大きく不利を取る対面はなく、ビッグマナ系では最も安定して《メイ様》を扱うことができる。

基本的に19弾までのカードプールで構成されるが、《鬼丸「覇」》やピン積みが見られる《ガンリキ》や《アクア・インテリジェンス》など、再評価の流れにあるカードも選択肢として多い。


6/28メンテナンス以降

デッキコード

《メイ様》が抜けた穴は《ダンシング・フィーバー》や《再誕の聖地》でカバーしようという方向性が模索されている。

一気にジャンプアップするため、ビッグマナ同型で先んじることが可能。

それらと繋がる《「智」の頂 レディオ・ローゼス》を入れる構築も散見される。


リキッドピープル

デッキコード

19弾から続投し、強化も入った最速ビートダウン。

《マイパッド》《エリート》が先攻で決まって3枚トリガーを踏まずに割ってしまうと、ほぼ勝ちが決まると言ってもいいくらいの決定力がある。

地味ではあるが、19弾から続く《メイ様》をはじめとしてバウンスをする意義のカードが増えたため、《ヴィルヴィスヴィード》はシンプルながら強力なカードとなっている。

《ゴーゴン》によるメタだけでなく、【墓地ソース】に対しての《コンクリオン》や、ハンデスに対する《サンダーボルト》も選択肢とできたりと、贅沢なほどに選択肢と可能性を持つ。


天門

デッキコード

《パーフェクト・マドンナ》がブロッカーということならば、そこから連想して《ヘブンズ・ゲート》のデッキも候補となって来る。

環境が小型ハンデスへの警戒を緩めていて、《学校男》によるメイ様対策等も可能。

《エル・ドラード》と《バルカディアス》の強さに変わりないことを見れば、現環境でまったく戦えないということもない。

急所となりやすい《エンターテイナー》が下火な現状もあって、可能性は秘めていると言える。


ターボゼニス

デッキコード

どうやっても安定するデッキではないが、【トリーヴァ大地】の出現によって環境が後ろ寄りになってきた際には記憶の奥の方から少しだけ思い出したいデッキである。

《ウェディング》の強さはかねてよりのものであるが、特定の対面を詰みにする《VAN》や、若干評価の上向いてきた《サスペンス》など、状況が変わって来たカードもある。

回った時の理不尽感は他のビッグマナ系とも一線を画すものがあるため、侮ることはできない。


MRC

デッキコード
デッキコード

小型ハンデスが警戒されておらず、《学校男》が使える点は【祝門】や【天門】と共通する。

《MRC》の攻撃を《学校男》でキャンセルできるのはこのデッキ独特の使い方。

《クロック》や《スパーク》のケアの仕方、《Nワールド》の存在、【トリーヴァ大地】への戦い方等の課題はあるが、ND落ちを目前として未だ環境で戦うだけの力は持っている。


アガサ天門

デッキコード

6/28以降、再び環境に戻って来た。

ハンデス、《エンターテイナー》など、黒の妨害に露骨に弱いものの、ビートダウンや破壊手段を持たないシータ基盤には強い。

新環境での上位デッキ候補になる。


ワイルド・ベジーズ

デッキコード
デッキコード

6/28以降、環境に戻って来た。

《ホワグリ》《メイ様》両方がきついデッキだったので、この2枚の規制はかなり大きい。

《クロック》は当然入ってきて、《ビクトリー・アップル》の効果に寄与する《オドル・ニードル》の採用も見られるようになってきた。

《エンターテイナー》には涙を呑む。


ベニジシNエクス

デッキコード

それ以前も少しだけ見られたが、6/28以降それ以前よりも数を増やした。

《ベニジシ・スパイダー》は【墓地ソース】【リキッドピープル】【祝門】等、多数の対面に反応する。

《N・ワールド》によって能動的に使うことも可能で、順調に回った時の展開力はすさまじい。

《ベニジシ・スパイダー》はビッグマナの方で使われることもあり、20弾環境で評価を上げた。


4cメンチ

デッキコード

6/28以降一定数が見られるようになった。

《ホワグリ》の穴は《グリーンレッド》で埋める。

《メイ様》のリソース力に勝てなかったが、デッキパワー自体は高く、環境に帰ってこられたのはある種必然と言える。

とはいえ、黒の妨害やメタカードは刺さりやすく、構造的に不利を取る対面は多い。


おわりに

《5000GT》や《クロック》などの象徴的なカードをはじめ、ある種活躍の約束された新アーキタイプの台頭もあって環境が大きく変わりました。

加えてND落ちした14弾のカード(特に超次元周辺)の影響も同程度にあり、既存デッキを含めたパワーバランスは変化の時を迎えています。

20弾を象徴するデッキの一つとなりつつある【トリーヴァ大地】は、そうした間隙に可能性が見出されたデッキと言えるのかもしれません。

一方で、公式側でも「対策を出します」と明言こそしないものの、歯止めをかけるモーションを見せていた《メイ様》に関しては、結局環境への影響力に変化のない現状です。

決して《メイ様》一強とは言わないものの、もたらすゲーム性については日夜議論がなされています。

同じ自然文明の暴れ馬として規制対象となったカードでは、
《ダイヤモンド・ブリザード》が2週間
《ジェネラル・クワガタン》が5週間
《驚天の超人》が7週間
という寿命の歴史があります。

《メイ様》もまた、試される時が来ているのかもしれません。

ともあれ、私としてはコンテンツの繁栄を願いつつ、細々と記録を遺せていけたらと思います。


最後に投げ銭方式で、内容とは関係ない文章を残します。

無理をする必要はありませんが、この記事や過去記事も含め、私の日頃の活動に対して見合う価値があったと思ったらご購入いただけると大変嬉しいです。

いただけなくても、少しでもこの記事があなたの日々の楽しみにつながれば幸いです。

それではまた。

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