見出し画像

デュエプレ15弾環境考察(NEW)

※全文無料です。気兼ねなく。

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

以下にて15弾環境の推移と簡単な解説を記していきます。

随時追記予定です。

GENJIカップ最終結果

※一名で複数のデッキを使用した場合もすべて計上(そのため56件=56名分ではない)
※15弾リリース前に最終ラインまで上げ切った人は除外

メタゲームの流れを紐解くと、まず流行りを見せたのは『ネクラ超次元』だった。

公開されたリストが早くも完成度が高く、瞬く間に広がっていく。

目立った不利対面がさしあたり見つからず、カードパワーの高いカードが多く採用された点と色の割に守りも厚かったことから環境の中心に居座ることは間違いなかった。

GENJIカップの結果としては2番手の8件入賞に留まったが、これには来るBATTLE ARENAに向けてリストの公開をためらった者が多くいたためと推測される。

実際の入賞数としてはトップ、あるいはそれに匹敵するほどであったと考えて差し支えないだろう。

観測できた限りで最大数となった『赤白速攻』は、その点リストが均質化しやすく、ネタもバレやすいデッキとして公開者が多かったと見える。

『ネクラ超次元』との相性は五分近くで、特に先手後手による差が大きい。

このデッキが流行を見せたのは存在感の大きい『ネクラ超次元』に相性が良かったというよりは、新弾直後の有象無象が多い環境の中で速度が正義となった側面が強かったと考えられる。

デッキパワー自体は高いとは言えないこともあって、一か月後には入賞数を大きく減らしている可能性も十分にあるだろう。

とはいえ、新弾リリース直後に『速攻』が強いという教訓はここでも結果として示されることとなった。

今回がリリース後わずか3日しか期間がなかったことも起因していることは違いない。

メタを読んだ際の回答の一つであったと考えられるのが、『ラッカ超次元』だ。

流行する『ネクラ超次元』に対しての相性は五分~微不利寄りといったところで、この点のみを見ると選択にはふさわしくない。

だが、同じく数を増やしていた『赤白速攻』には厚いトリガーで有利を付けやすく、『ネクラ超次元』への対策候補になると読まれた『Bロマノフ』も14弾から続くお客様対面だ。

今弾の看板の一枚でもある『MRC』は研究途上で一定の使用者が予想され、こちらもささやかながら「エクストラ・ホール」で対処できるために速度とカウンターの性質からも五分以上は付けやすい。

14弾環境で不利寄りであった『キリコ』『青黒リーフ超次元』が消沈したことからも、答えに近いデッキの一つであったと言える。

『ネクラ超次元』に対しても「アンタッチャブル」の増加などの構築面で対策を打てる点はさすがの柔軟性が光った。

8件の入賞も納得のいくところで、今後も安定した活躍ができそうだ。

コントロールの『ネクラ超次元』、速攻の『赤白速攻』、中速ビートの『ラッカ超次元』と出揃ってきたところで、コンボ系のデッキが少し遅れて(十数時間1日といったレベルだが、そこに明確な差がつくほどにこのゲームのメタ回転は速い)台頭する。

先ほども触れた『MRC』だ。

構築はこれを書く8月初頭でも模索中の様子だが、大きくは「ベター・トゥモロー」と「煉獄と魔弾の印」を採用したワンショット型、「キリモミ・スラッシュ」とホール呪文を用いたワンショット型、ホール呪文や「ソウル・アドバンテージ」を扱うコントロール型の3種に分類される。

それぞれの強みがあるため、どこに収束していくかは今後の見物だろう。

デッキとしては「お清めトラップ」などの墓地メタには当然弱いものの、『Bロマノフ』と比較すると相手墓地を参照できることから、使われたとしても敗北必死というわけではない。

下級ブロッカーや墓地肥やしトリガーによるカウンター手段もあることから『速攻』とも見た目以上に戦うことができ、今後のメタゲームの鍵を握っていく可能性は高いだろう。

7件の入賞が次月どうなるかは期待がかかる。

同じ墓地利用デッキとして先に注目されていたのは『Bロマノフ』だった。

超次元の枠競争が激しくなったことから「ジョン」が抜け始めた隙を見逃すことなく、コントロール殺しのデッキ代表として数を増やした。

改めて触れることでもないかもしれないが、このデッキも構成色による相性の壁を「デスマーチ」のカードパワーが崩してくれるおかげで『速攻』とも戦いやすい。

今弾実装後2日間ほどは立ち位置の良さを見せることができた。

だが、徐々に『MRC』が頭角を現す中で同じメタカードの「お清めトラップ」が効き、特にこちらの方がそのダメージは大きかったことに加えて『ラッカ超次元』も増え始めたことから後半は勢いを落とした。

4件の入賞はできたが、今後同じ程度の活躍ができるかの先行きは不透明である。


GENJIカップ終了時点の今後の環境傾向推測

8月上旬での環境を俯瞰した際に、明確に上位に位置すると考えられるデッキは『ネクラ超次元』『ラッカ超次元』『赤白速攻』だ。

この3種をメタの中心として考えていくべきである。

『ネクラ超次元』は前述の通りに総合力が高く、大きく不利を付けるという対面は少ない。

プレイの幅もあることにデッキタイプから想定されるプレイヤー傾向も加わって、構築で不利をカバーするよりもプレイでカバーしようとする者が多いと考えられる。

そのため、構築の変化としては同型を意識したものが強くなると推測される。

これを書く時点で「リップル」「グレイトフル・ライフ」をはじめとしたクリーチャー軸の『ネクラ超次元』が台頭してきているが、それは最たるものだろう。

下手に速攻を意識してトリガーを増やしたり、「ローズ・キャッスル」のようなメタ枠を積んだりといったことは今後も起こりづらいと思われる。

対する『ラッカ超次元』は、環境上には有利と言える対面が多く、GENJIカップの流れを汲んで引き続き環境の最適解と判断することができる。

戦略がビートダウンでマナカーブもきれいに描かれ、超次元の奥深さがありながらも使用ハードルが低い点がメタゲーム上では重要なことで、今後も使用率は高く推移し続ける可能性が高い。

課題となるのは『ネクラ超次元』と同型。

『ネクラ超次元』に対しては「チャブル」の3枚採用が一般化したほか、14弾よりも生存率が高い上に5キルルートを増やせる「ミルアーマ」や「ディアボロス」を寝かせつつ展開できる「シャイニー・ホール」、「バルカディアス」にもただではやられない「不滅ギャラクシー」など、クリティカルではないものの有効な選択肢をいくつか持つ。

『ネクラ超次元』側もおいそれと『ラッカ超次元』に対してのメタカードを採用する余裕はないため、この二つのマッチアップは『ネクラ超次元』側に分があるとしても、今後面白いものへと発展していくことが期待できる。

ただ、同型に関しては先攻後攻と引き・盾に左右されやすく、運の要素が一段と強くなる点がネックとなってしまう。

扱いやすいデッキがこういった側面を持つのは、非常によくできた部分だと思わされる。

『赤白速攻』は『ネクラ超次元』とは五分近く、『ラッカ超次元』には不利といった相性で、特別使用する理由は薄いと言える。

だがこのデッキは『ネクラ超次元』と『ラッカ超次元』が取りこぼすところ(具体的には『ドロマー超次元』『キリコ』『ライゾウ』)をしっかりカバーされていることは着目すべきだ。

三強という状態とは異なるが、構図としてはこの3デッキが作る三角形が環境を網羅してると現時点では判断できる。

デッキ選択をする際は、まずこの三デッキに極端な不利を取るものは使用を避けたい。

その観点から見ていくと候補に挙げられるデッキには『MRC』『ドロマー超次元』あたりがある。

『MRC』は総合的に見て極端な不利対面がなく、メタカードも突き抜ける特質がデッキ自体にある。

今後構築が定まっていく中で、環境の中心ともなり得るだろう。

『ドロマー超次元』はハンデスを上手く決めてコントロールできれば『ネクラ超次元』『ラッカ超次元』とも戦いやすく、今環境に不足した成分を持っていることからも再興が期待される。

『速攻』や墓地利用デッキがいる中では生き生きとはしづらいかもしれないが、今後の環境の鍵を握る可能性はあるだろう。


BATTLE ARENA 8th 予想分布

その前に7thの時の予想(予選開催4日前に投稿)と結果の比較を。

細部は外れているものの、全体的な傾向としては捉えられている。
過去最大の精度とはなったが、予想はかなり難しいので参考程度としてほしい。

これまでのBAのデッキ分布をモデルケースに振り返ると、大きく4タイプに分けられる。

・一強が存在する
⇒BA4th(8弾環境期)
『ゲオルグ天門』全盛期かつ『5c天門』も環境級で、使用率はぶっちぎりの25.3%。次点の『除去コントロール』が13%。


・一強が存在するが二番手との差が小さく、かつ二番手以下が拮抗している
⇒BA2nd(6弾環境期)
『天門』が頭一つ抜けていたが最新弾での強化は小さく、デッキパワーが上がった既存デッキや新デッキに差を詰められる。
『天門』の使用率は20.9%だったが、二番手以下『アウゼス』13.4%、『除去サファイア』12.7%、『ブリザード』11.7%、『ツヴァイ』11.5%。


・二強、三強が存在する
⇒BA1st(5弾環境期)、5th(9弾EX環境期)
1stでは最強のデッキパワーを持つ『5c天門』、ハンデスコントロールの『ハンデスボルバル』、ビートの『ブリザード』の三竦みで使用率はそれぞれ19.9%、18.8%、18.4%。
次点の『デス・フェニックス』が8.4%と大差。

5thでは扱いやすさと対応力から『ガントラ』が18.5%、『メカオー』が14.3%で二強。続く『ボルフェウス』は8.0%。
『緑抜き4cコントロール』は最大の21.2%だったが、内訳で『除去コン』『ドルバロム』『除去ゼロフェニ』などに分岐するため、個別に見れば二強には届かない。


・全体的にパワーバランスが拮抗している
⇒BA3rd(7弾環境期)、BA6th(11弾環境期)、BA7th(13弾環境期)
3rdでは『メカオー』17.7%、『ツヴァイ」17.5%と一見二強だが、三番手以下も『天門』12.1%、『アポロ』10.2%、『ブリザード』9.7%、『カチュア』8.9%と、いずれも高シェアを持っている。

6thでは『ガントラ』の15.3%に『5c』の14.3%が続き、『赤青剣誠』11.9%、『ライゾウ』9.6%、『ナイト』8%…と緩やかに率が下がっていく。
読みが非常に難しく、決勝ラウンドにも意外な顔ぶれが多く見られた。

7thでは『Bロマノフ』を筆頭として存在感の強いデッキがあったものの、それらに対する効果的なメタカードが抑止力として働き、『5c』16.1%、『Bロマノフ』12.8%、『キリコ』12.7%、『ライゾウ』9.9%…と最終的にはバランスの良い分布となった。


これらを踏まえた上で今回の環境を分析すると、

・一強が存在するが二番手との差が小さく、かつ二番手以下が拮抗している
・二強、三強が存在する

のどちらかに該当して来ると考えられる。

作成した予想分布図がこちら。

どちらかと言えば『ネクラ超次元』と『ラッカ超次元』の二強と見て作成したが、はっきり言えば今回は特に自信がない。

環境がまだ未成熟であり、候補となるデッキを挙げることはできてもその比率検討までが非常に難しいからだ。

各デッキの比率設定理由を書いていく。

『ネクラ超次元』…最大シェアになることはおそらく間違いない。コントロールとしてそこまで率を増やすかの懸念がある一方、直近でクリーチャー主体の構築に分岐が生まれた点と、やはり不利対面が少ないということから20%前後付けると予想。

『ラッカ超次元』…環境上に微有利以上を付ける対面が多く、ビートダウンとしては最大勢力になると考える。だが、トップメタの『ネクラ超次元』に対して不利気味となる点と、ミラーが不毛となりがちな点を考慮して15%を切る予想とした。『リース』『シータ』などの他超次元ビートとまとめられて最大でも20%程度のシェアに落ち着くと踏む。

『MRC』…総合的な強さと環境上の相性を見れば10%前後になるのは間違いないと思われる。だが、その幅を8~12%程度のどこに位置付けるかと言われると難しい。使用率に対して予選突破率が高くなるデッキが現れるとすれば、このデッキは有力候補なると考える。

『ライゾウ』…14弾の流れを継いで一定層好むプレイヤーがいると読み、過去2回の率を基に環境上の立ち位置を加味して8%とした。ランクマッチでの遭遇率は以前よりも落ちているものの、それなりの強さはあり、かつ今大会では『速攻』が減りそうなことを見ても番狂わせに期待できる。

『速攻』…ランクマッチ上では『赤白速攻』は警戒されるべきデッキだが、11回前後の予選を戦うにしてはリスキーである。『赤白』のデッキパワー自体は低く、他カラーリングにも有力なものがないことを踏まえると5%前後が妥当と推測する。あるいはもっと少ないということもあるかもしれないが、たった1%の使用率で優勝をかっさらったBA2ndを忘れてはならない。

『ドロマー超次元』…ハンデスの通りがいい環境であることは間違いなく、現状その使い手としては一番の候補になる。メタ読みの中で候補に挙げるプレイヤーも多いと思われるが、『MRC』や『速攻』をどこまで意識するかが難しく、率は5%程度になるだろうと予想する。

『リース超次元』…同じ超次元ビートとしては『ラッカ』が優勢だが、こちらもデッキパワー自体は十分であり、『ラッカ』が取りこぼしがちな不利対面のガン周りを速度で補える利点がある。「キズナ・ブラスター」という強化が入りながらも警戒対象からは外れているので、これも使用率以上の活躍が期待できる。統計としては『ラッカ』とまとめられると予想。

『スノーフェアリー』…コントロールに強く出やすい点はあるが、『ラッカ次元』に不利を付けやすい点とデッキパワーが低くなりがちな点が懸念材料となる。研究された構築が登場する可能性は持つものの、やはりプレイヤーの信頼を得るほどの地位にまでは達していないとして率は5%を切るものと読む。

『Bロマノフ』…デッキとしてはそこまで悪くない強さを持つが、『MRC』がいることでついでのように墓地メタの被害を受けてしまうところが難点。総合的な強さは『MRC』の方にあると考えられることからも、あえてこちらを使うメリットが薄いと判断するプレイヤーも多いと推測される。

『キリコ』…『ネクラ超次元』が課題の対面だが、そちらはともかく『速攻』系が減りそうな点では分があるか。裏をかいていくならば『ラッカ超次元』や『Bロマノフ』等には有利が取れるとは言える。14弾ではトップクラスの強さを持っていたデッキなだけに、抗う術を模索しているプレイヤーもいると考えられる。

『NEX』…「武者」がNDから落ちてしまったために従来の『リース』での構築となるが、この15弾では何枚かの候補パーツを得ている。中速ビートダウンとしては並以上の強さを持ち、この手のデッキが苦手としていた「キング」が環境から消えているのは朗報である。

『ナイト』…基盤自体の強さは言うまでもない。ハンデスの効きはいいため、「バレット・バイス」も比較的気楽に撃ちやすい。『ネクラ超次元』『MRC』あたりが課題となってくるが、これまでにプレイングを磨いてきた歴戦のプレイヤーの中には選択肢としている者もいると考える。

『赤青剣誠』…こちらも古参デッキとして『ナイト』と境遇は近いが、『ネクラ超次元』に優位を取れる点が強みとなる。不利を取りやすい『ラッカ超次元』がトップシェアに及びそうな点は難所だが、同じく不利な『速攻』が減ってくれるならばプラマイゼロにも考えられる。波乱を起こし得るデッキだ。


『その他』には『ロマノフサイン』『イモータルブレードコントロール』『青黒リーフ』『シンラン』『ジャイアント』『マーシャルタッチ』『白騎士』『死神』『5cコン』などが入ってくる想定。

いくつかその他の分類にはならないものもあるかと思われるが、2%以下も含めて誤差の範疇だろう。

直近のアリーナの傾向として、デッキ構築の幅が広がったことから環境デッキが乱立し、それぞれに率を分け合って必然的に『その他』の比率も増加傾向にある。

今回もそれに沿って15%程度はその他になると踏んだ。

毎度書いていることだが、アリーナは水物であり、使用率の予想も難しければ上位入賞もこれと比例しないことが多い。

あくまで検討材料の一つとしてもらえればと考える。

予想は当たるに越したことないが、一致しなかった時の検証もまた面白いものであるため、早くも結果が待ち遠しい。

※追記

8/8に記事投稿後の環境の変化を呼んで下記のように修正しました。

変わらず自信はないです。

※追記

8/20の本戦にて全体デッキ分布が公開された。

筆者が作成したものでは『グレイトフルライフ』は光闇自然のものと光水自然のものを総計して8%としていたため、実際の結果と比較するなら『光闇自然超次元バルカディアス』と『光水自然グレイトフル・ライフ』で計3.7%のズレがあったことになる。

他、読みの浅かったところは『スノーフェアリー』の3.1%差、『超次元ビート』を3%と取っていたところだろうか。

『スノーフェアリー』に関してはどこまで考えを尽くしてもこれほどのシェアになることは予想できなかったので意外であった。

その他は概ね想定通りであったと言えるが、やはり結果が開示されるまで安心できたものではなかった。

シード枠と本戦出場者(業者さんが重複するため計15名)は除く

こちらは拾える範囲のデータを拾って集計した、予選スイスドロー突破者のグラフである。

本戦出場者が2名いたことを見ても、『ラッカ超次元』が勝ち組デッキだったと判断できる。

全体的な使用率と比較してみれば、『ネクラグライフ』『トリーヴァグライフ』も好成績を収めたと言えるだろう。

『ネクラ超次元』はトップ使用率に比して低い突破率だが、これは環境中でも一つ頭抜けたデッキ故に対策された結果だと考えられる。

大会環境ではよくあることだが、これもまたメタゲームの展開が垣間見える面白いところである。

その点隙を突いていたのが『キリコ』で、ランクマッチ上では不利を取りやすい『速攻』が少なくなることと、最多入賞数の『ラッカ超次元』に有利を取れることで納得の行く結果だ。

一方で『MRC』は全体使用率に対しても、デッキの強さに対しても芳しい結果は残せていない。

負け組デッキとなってしまったとはいえ、最多母数であった『ネクラ超次元』に狩られる形となってしまったのだろうか。

隠し玉デッキとしては『ネクラ設計図』『ドロマー白騎士ゲート』が脚光を浴び、その後のメタゲームにも食い込んでいくこととなった。


デビルディアボロスZカップ最終結果

※一名で複数のデッキを使用した場合もすべて計上(そのため56件=56名分ではない)

環境の流れを知っていた人からすれば概ね順当な結果であったと考えられる。

トップはやはり『ネクラ超次元』(呪文軸)で、無理な対面のない安定した強さと、並び立つ実力を持つ『MRC』に対して有利を付けられることが優位に働いた。

メタとしては一貫して意識されたものの、それを掻い潜るだけの力を持っていたと判断できる。

次点は『赤白速攻』で、前月に続いての好成績を残すことに成功した。

『速攻』の中でもデッキパワー的に難のあるものであるが、環境の流れの中で意外な通りの良さがあった結果だと感じられる。

『ラッカ超次元』が数を減らしていたことや、新規勢力の『トリーヴァグライフ』などにも思いの外不利を取らずに済んだのも影響しちているだろう。

その『ラッカ超次元』は8月の中旬こそ環境上位に名を連ねていたが、下旬になると『トリーヴァグライフ』の台頭もあって風向きが悪くなっていった。

最終的には若干巻き返すことができたので、9件の入賞は検討した方だろう。

『トリーヴァグライフ』も同じ8月中旬にかけて流行りを見せたデッキだったが、こちらは『MRC』の強さが認知されていく中で構築の変化も迫られ、最終的には中堅の位置に収まることとなった。

『MRC』は「お清め」のないデッキほとんどに有利を取ると言えるほどの強固なデッキパワーを持つが、BA後にその強さが広まっていくと一挙に対策されて立ち位置が悪くなっていった。

月の終盤はそのタイミングが悪く重なってしまったのだと考えられ、デッキポテンシャルの割には少ない入賞数となってしまったと考えられる。

『キリコ』以下は環境上位のデッキの一部に対して不利が目立つものが多かったが、しっかり環境を読んで使えば十分な強さというものが多く、結果を見ても納得の行く部分は多い。

特に1位を輩出した『黒緑Bロマノフ』は、この15弾環境が一筋縄ではいかないことを感じさせてくれるようなデッキであった。

16弾のリリースは間近に迫っているが、まだなお変革の可能性があることは、1件の入賞であった数々の個性的なデッキからも感じ取れる。

BAを経て幾度となく転機を迎えたメタゲームがどこに着地していくかを見守りたい。


デッキリスト

環境で見かけられる主要なデッキのリストを載せておくと共に、大まかな相性傾向を記す。

構築やプレイによって左右される部分も多いので、あくまで目安程度に。

14弾では多種多様なデッキの活躍が見られたが、現状15弾はそれよりも若干門戸が狭く感じる。(14弾が出来過ぎていたとも言える)

ただし、超次元はやはり可能性の塊であるため、研究の成果が上がってくることを期待したい。

※追記

デビルディアボロスZカップを終え、9月に入った所感としては期待以上に多様性の見られる環境となった。

ビート・コントロール・速攻・コンボのあらゆるデッキタイプが一定の活躍を収めることができている。

やはりユーザーの集合知は偉大であったと改めて感じるシーズンであった。


ネクラ超次元

有利→有象無象
不利→黒緑Bロマノフ、スノーフェアリー、ライゾウ

前述の通りにデッキの完成度は環境序盤からして高水準である。

呪文主体の構築から分岐して、「グレイトフル・ライフ」が目を引くクリーチャータイプの構築も登場してきた。

多少の相性差はあれど、環境上に無理な対面が存在しない突出したデッキであるため、課題はミラーとそれ以外の対面へのバランスを如何に保つかということだろうか。

既に完成度は高いとはいえ、型の分岐が登場したり「ラスト・ストーム」を採用するか否かなどで揺れる部分はあるため、今後どういった形に落ち着くかを見守りたい。


トリーヴァグライフ

有利:ラッカ超次元、各種ビートダウン
不利:MRC

『ネクラ超次元』がクリーチャー型に派生する傍らで誕生した、黒を青に替えてよりクリーチャーコントロールに寄せた形。

「バルカディアス」はほとんど効かない上に展開力と防御力も両立された構築で、意外に隙が少ない。

「トルネード・ムーン」は器用な立ち回りを可能にするだけでなく、急な打点形成力を持って汎用性が高く、より切り札的性質を高めたカードとして「バリアントバデス」や、ミラーに強く出やすい一発逆転の「J・イレブン」まで採用が見られる。


MRC

有利→有象無象
不利→お清め入りのデッキ

極めて有利、不利という対面は少なく、派手なデッキ性質に反してその点安定していると言える。

構築は基礎部分である墓地肥やしを担うカードの採用は固定化されてきており、後は「MRC」が射出する弾をどこに落ち着けるかで模索が続く。

「プライマル・スクリーム」や「ニューオーダー」がトリガーした時のバリューが非常に高いことから、不利な局面からの巻き返しも狙える点ではデッキのヒーロー性も高いと言える。

今後構築と戦術が確立する中でメタゲーム上の存在感も強まると考えられるデッキだ。


スノーフェアリー

有利→ライゾウ、コントロール系
不利→ラッカ超次元、MRC

AD環境で暴れるデッキだが、NDでも研究が進む中で少しずつ存在感を出してきた。

やはりあちらよりも出力は落ちるものの、「ダイヤモンド・カスケード」のパワーには目を見張るべきものがある。

速度は『速攻』より遅く、『ラッカ超次元』よりは速いといったところで、コントロールに対する継戦能力は高い。

サンプルとした白緑以外にも青緑や黒緑など、様々な色で構築が模索されている。

どこに落ち着くか、環境でどれほど通用するかは今後の動向を注視する必要がある。


赤白速攻

有利→ライゾウ、キリコ
不利→後手を取ると不利という対面多数、ラッカ超次元、Bロマノフ

ポイントと言えるのは「キルホール」の投入が一般化したこと。

ブロッカー破壊効果が『ネクラ超次元』の「マティーニ」に対して刺さり、「チャブル」の通りもいい環境が活きている。

だが、3コスト帯の重めのカードが増えてしまっている点と、白に有用なカードが少ない点は事故要素になってしまった。

色バランスとデッキパワーが天秤にかけられるため、細かなチューニングが試されていくデッキだろう。

他カラーの『速攻』も模索されるが、現状は『赤白』が一強という状況が続いている。


ラッカ超次元

有利→速攻、Bロマノフ、剣誠
不利→ネクラ超次元、ドロマー超次元、キリコ

ビートの優等生の性格は『ガントラビート』から引き継がれている。

相性も概ね『ガントラビート』に重ねることができるが、厚くはないながらもリソースを確保していく戦術を取れる点とマッドネスが採用出来る点は明確な違いである。

『ネクラ超次元』への対抗策から「チャブル」を増量したものが一般化し、「バルカディアス」や厄介なサイキック獣をどかす手段としてバウンスクリーチャーを増やしたものも目立つ。

「GENJI」で突破不可能な「ディアボロス」も「シャイニーホール」を採用すれば突破しやすかったりと、環境を見た柔軟な構築が可能だ。

14弾に続いて15弾のビートとしては主力になっていくと考えられる。


ドロマー超次元

有利→ラッカ超次元、リース超次元、キリコ
不利→速攻、MRC、Bロマノフ、ライゾウ

14弾環境では有終の美を飾ったというほどに終盤勢いを伸ばしたデッキ。

相性は中速に強く、速攻とコンボに弱い。

15弾環境では不利寄りになる対面も多いが、現状ハンデスを最も柔軟に扱えるデッキというアイデンティティを持っている。

「ガード・ホール」を採用するかどうかは好みが分かれるところであり、ハンデスの通りがいいことから14弾末期には採用率の落ちていた「ゴースト・タッチ」なども再び採用圏内となってくる。

純正のコントロールとしては今後も一定の使用率を維持し続けると考えられる。


Bロマノフ

有利→ネクラ超次元、ドロマー超次元、トリーヴァグライフ
不利→ラッカ超次元

14弾から引き続き、環境上に目立った有利も不利も付かないデッキが多い。

14弾では「ジョン」によって13弾最強の一角を落ちることとなったが、15弾では「ジョン」が減った一方で『MRC』の存在から「お清めトラップ」などの直接的なメタが増えている点が心苦しい。

本来有利を取れた『ネクラ超次元』との相性にも疑問符が浮かび始めている。

デッキの特性としてはコンボとミッドレンジの中間といったところで、それが突出した相性差を生まないことに結び付いている。

『ラッカ超次元』ばかりは不利の色が濃くなるので、これが多い時は使用を避けた方が良いものの、基本的にはいつでも一定の勝率を期待できる。

同じ墓地利用型のデッキとして『MRC』の後塵を拝さないかという点が懸念事項だ。


キリコ

有利→ラッカ超次元
不利→ネクラ超次元、ドロマー超次元、速攻

14弾までは常に環境上位の争いに加わっていたが、現状を見る限りでは影が差している。

ランクマッチ環境では『速攻』や各種ビートを見るために「オリジナル・サイン」が4枚積まれるものが多い。

コントロール環境で「ジャミング・ビート」なども模索されている。

特段規制を受けたりしておらず、出力は落ちていないので、環境の流れを見る中で再び台頭してくる可能性は大いにあると考えられる。


ライゾウ

有利→コントロール系
不利→速攻系

14弾からND落ちによる弱体化を受けた点は「ミルドガルムス」が抜けた程度だが、環境での存在感は随分と大人しくなった。

相性の点は14弾頃と変わらず、キルターンが6のデッキに対しては五分前後、それより早くなれば有利で遅くなれば不利とわかりやすい。

デッキによっては「ミルドガルムス」の不在によってこの相性に変化が出ているものもいるだろう。

「ホーガン・ブラスター」や各種7コストホールは非ドラゴンのノイズになるものの、カードパワーが高いことから順調に回られると対処不能になることも多い。

環境的な立ち位置は非常に悪いということはなく、今後再度ブームが訪れる可能性は秘めていると言える。


赤青剣誠

有利→ネクラ超次元、トリーヴァグライフ
不利→ラッカ超次元、速攻、MRC、スノーフェアリー

何度目かわからないクロスギアへの警戒が緩む中で追い風が吹いている。

「デュアルスティンガー」も今環境では光る性能のあるカードで、サムライ以外のデッキでも注目されていることから本家での強さは言うまでもない。

古いデッキなだけに有利不利への理解が他デッキよりも明瞭なプレイヤーも多いため、通りが良いと踏まれれば一挙に広まる可能性がある。


おわりに

7/28にリリースとなり、メンテナンス不具合から実質的な稼働が7/29となった15弾は、これを書く8/6時点でまだまだ開拓途上である。

随時追記をしていく予定だが、これからより深みが出て来るだろう。

覚醒編の最終弾として目玉のカードは粗方登場し、シークレットカードも5種と運営としても相当に気合が入っている。

プロモーションの面のみでなく、実際のゲームの中身としても面白いものとなっていくことを願いたい。


最後に投げ銭方式で、内容とは関係ない文章を残します。

無理をする必要はありませんが、この記事や過去記事も含め、見合う価値があったと思ったらご購入いただけると大変嬉しいです。

いただけなくても、少しでもこの記事があなたの日々の楽しみにつながれば幸いです。

それではまた。

ここから先は

417字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?