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【プチ取材エッセイvol.6】わたしをかたちづくるピースと出会う

新潟の大学生11名がにいがたのあちこちで暮らし働く方々に話を聞き、「くらす・はたらく」のバリエーションやそのあり方を考えるマガジン「くらはたずかん」、第六回の投稿はまるさんのプチ取材エッセイです!どうぞご覧ください。

初めまして。くらすはたらく編集室のまるです。

こんなふうに記事を書いたことがないので、なにもかも探り探りですが、まずはかるく自己紹介をさせてください。

私は教育学部の4年生ですが、教員は目指さず、公務員試験対策を始めたかと思えば民間の就活にシフトし、業界も決めずに様々な企業の選考を受けるというなかなか無計画な就職活動をしました。
内定をもらった今はというと、相変わらず気まぐれに過ごしています。今もこの選択で良かったのかという問いが頭の中をぐるぐるしていますが、そんな考えと一緒に生まれる答え(仮)を共有できたらと思っています。

言葉にすること、正しく伝えることに苦手意識があるので、どこか足りないところがあるかもしれませんが、温かい目で見ていただけると嬉しいです。
この発信を通して、少しでも成長できればと思っています!

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大学3年の10月頃、就職活動を始めてから、私は自分の人生についてよく考えるようになりました。

「これからどうやって生きていこう。」
「自分はどんな仕事がしたいんだろう。」
「自分が大切にしたい軸って何だろう。」

考えてもはっきりと答えられない問いや、毎回答えが変わる問いがたくさんあって、そんな自分に悩んでしまうこともしばしば。


好きなアーティストであるKing Gnuにまで 「何かヒントがあるかも…!」と縋ってライブへ。


それから約半年、就職活動が落ち着いた今も、友人や社会人などいろいろな立場の人と話したり、さまざまな経験をしたりする中で、はっとさせられたこと、じわじわと気づきに変わっていったことがいくつもありました。

今回紹介するものは、そのうちの一つです。
新潟でくらし、はたらく6人の社会人に話を聞き、今の私に響く考えに出会うことができました。
はっとさせられた考えを1つ、特に共感できた考えを3つ紹介します。

“仕事は変えられるけど、プライベートでの付き合いは簡単には変えられない”

 
新潟ではたらくことに決めた理由の一つとして、岩手県出身の坂野安希さんが「誰と話したいかを考えて、新潟に残ることに決めた」とお話して下さいました。


「これからの人生で、迷ったとき、悩んだとき、相談したい人は誰だろう?」と考えたときに、新潟の人たちが浮かんだそう。
この視点は今までなかったので、悩みを友人など周りの人に相談することの多い私は、この時点で興味津々で聞き入ってしまいました。

また、「仕事は目的があって自然と人間関係が築かれていくけれど、友達は目的なく一緒にいるもの。社会人になって、仕事をするより、友達を作る方が難しいんじゃないか。仕事は変えられるけど、プライベートでの付き合いは簡単には変えられない」という考えに至り、「大学時代に築いた新潟でのつながりを大事にしたいという思いが、新潟ではたらくことの理由になった。」とのこと。

ここで感じたことを2つ。

「仕事とプライベートは切っても切り離せないもの」であることをわかっていたつもりでしたが、「これから人生のほとんどの時間が仕事にあてられることになるから」と、勤務地や条件ばかり考え、プライベートの生活に向き合うことを放棄していたように思いました。仕事とプライベートは互いに影響しあうものであり、その上プライベートの時間の方が少ないのだからなおさら、もう少し多面的に捉えてみよう!と思えました。

そしてもう1つ。私自身、自分自身を確立できているわけではなく、思いや考えは事あるごとに「変化」しているし、この先もその気質はそうそう変わるものではないと思っています。悩みがあれば周りに相談し、また何気ない会話の中から新しい価値観と出会ってきた私にとって、その度に訪れるこの「変化」は、自分を惑わせるものであり、同時に楽しむものとして自分自身受け入れているのではと思いました。こんなふうに言葉でまとめてしまえば簡単なことに思えますが…。
だからこそ、「周りの人のおかげで、自分が作り上げられている」私にとって、この考えは特別心に残るものになりました。

わたしの背中を押した3つの言葉

次に、これから先も持ち続けていいんだと共感できた、「わたしの背中を押した」考えについて、3つ挙げたいと思います。

まず1つ目は、「人生設計を考えすぎることはない」ということ。
これは、東京で就職することをずっと考えていたものの、新潟ではたらく良さを知って今はフリーライターとして活躍されている長谷川円香さんの言葉。
先になってみないと分からないことなんて山ほどあるのだから、「考えすぎずに『今』を大切に」という価値観を大切にしたいと思いました。

2つ目は、「一生勉強」という言葉。
これは、新潟市西蒲区で仕事に奮闘中の社会人3年目、篠崎万智子さんの言葉。
学校の勉強とは違って、「すぐに正解がわからない」「責任が常に伴う」環境で、日々学びの連続だと言います。
「大人」も完成しているわけではなく、未熟だということ、知らないこともたくさんあるという事実が印象に残りました。大人や社会人に対する勝手に持っていたイメージに、自分を当てはめてプレッシャーを感じていましたが、安心したと同時に、いくつになっても知らないことを知る楽しみがあると思うとわくわくした気持ちになりました。

3つ目は、「『楽しい』や好奇心が活動の幅、人とのつながりを広げる」ということ。
こちらも篠崎さんの言葉で、学生時代、4年間の活動量とは思えないほど多岐にわたる活動をされていた篠崎さんは、「興味の赴くままに訪れた先で出会った人たちとその先もつながり、別の活動に発展していった」と話してくださいました。
やっぱり、自分が素直に楽しいと感じ、意欲を持てるもの・その感覚を大切にしたいなと思いました。そういう意味では、ずっと5歳児くらいの子供でいたい!

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内容盛りだくさんの初回でしたが、いかがでしたでしょうか。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。少しでもおもしろいと思って読んでいただけていたら、とっても嬉しいです!

今回、社会人の方々からお話を聞いて、私の人生で大切にしたいものが少しずつ見つかっていく感じがしました。また、この記事を書き終えてみて、好奇心からくらす・はたらく編集室に飛び込んだことが、上述した3つ目の考えを体現しているのではないかと思います。この編集室に参加したことで、いろいろな社会人の方々にお話を聞くことができ、私の価値観をつくるピースがまた1つ増えた気がします。

来月には本格的に取材に行ってくるので、どんな人・言葉・考えと出会えるか、これからの活動もますます楽しみです。

編集メンバー:まる