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【プチ取材エッセイvol.9】新潟県で働く人を取材して

新潟の大学生11名がにいがたのあちこちで暮らし働く方々に話を聞き、「くらす・はたらく」のバリエーションやそのあり方を考えるマガジン「くらはたずかん」、第9回の投稿はレモンさんのプチ取材エッセイです!どうぞご覧ください。

0,前書き


   はじめまして。レモンと申します。私がレモン関連のとあるものが大好きなのでこの編集室ネームになりました。
現在私は大学3年生で、公務員を目指して日々公務員講座に追われる毎日を送っています。毎日3時間の動画を見なければならず正直かなりきついのですが、公務員は昔からの夢なので何とか頑張っています。ちなみに今既に10時間くらい動画が溜まっています。頑張りましょう。
そもそも私が公務員を目指した理由は、地域活性化に興味があったからです。その地域に興味を持ってもらうために自分の発想力を使って町おこしを行う、その「ゼロから何かを生み出す」行為がとても魅力的でした。特に新潟は温泉も多く、観光地が全域に存在しているのは大きな魅力であると思います。私は埼玉県出身なのですが、魅力度ランキングは40位代が常なので、羨ましい限りです。一方で、新潟県の少子高齢化問題もよく耳にします。これからの記事を通して、新潟県の魅力を発見し、新潟での定住を希望する人が増えたらいいなと願っています。

1,地元で育てられ、最終的には地元で暮らしたい



最初に、佐藤瑞穂さんに話を聞いた。佐藤さんは小千谷市出身、小千谷市在住で、新聞記者や民泊ホスト、地域団体代表、そして人力車夫といった様々な分野で活躍している。京都の大学を卒業した佐藤さんは東京でフリーター生活をした後、小千谷に戻って復興支援員となり、その後小千谷新聞で新聞記者の仕事についたという。その後半独立して、先述したような様々な活動を行っている。
最終的に小千谷を選んだ理由を聞くと、「小千谷がもともと大好きだった。自分は小千谷に育てられたという思いもあり、離れたくはなかった。そのため、最終的には小千谷に戻るという考えはずっとあった」と話してくれた。また、佐藤さんは自身が製作したという「花火手帳」を見せてくれた。花火手帳は片貝まつりの魅力がたっぷりと書かれたパンフレットで、佐藤さんの小千谷への愛が伝わった。


2,「好き」と「仕事」は別にしたい


 次に坂野安希さんにインタビューを行った。坂野さんは 岩手県出身で、現在は柏崎市に在住し、社会福祉協議会で働いている。坂野さんの話で一番印象に残ったのは、活動の幅の広さであった。坂野さんは社会福祉協議会で働く傍ら趣味として、短編集を制作する「柏崎文庫」、ラジオを行う「はっぱはらっぱ」、そして最近は新しく「『』かぎかっこ」という活動を行っているという。「仕事と趣味は別で同じにはしたくない。趣味として好きな活動を好きな人たちとやっている今が一番バランス良い」と話してくれた姿がとても印象深い。地元岩手ではなく新潟で就職した理由も、「誰と話したいかと考えたとき、新潟の人だった」と話してくれた。新潟で出会った仲間が坂野さんの中で重要な存在になっていることを実感できた。

3,家族との時間や暮らしを大事にしたい



 最後に、山崎みのりさんと海沼ゆみさんに話を聞いた。山崎さんは新潟県出身で、損害保険会社に就職した後に社会労務士事務所に転職し、現在も新潟市に在住している。海沼さんは村上市出身で、現在はJR東日本に建築関係で就職し、新潟市で暮らしている。山崎さんと海沼さんに共通していたことは、お二人とも「働く」ことよりも「暮らす」方を大切にしていることだった。特に山崎さんは前職が多忙であり、暮らしよりも仕事優先になってしまう生活を苦しいと感じ、「暮らし」を大事にしたいという思いが転職につながったと述べていた。一方で、海沼さんは両親が自営業で帰りが遅かったこともあり、家族全員でご飯を食べる「暮らし」が夢であるという話もしてくれた。そのため初めは商業デベロッパーの仕事につきたかったが、土日も勤務の可能性があり、「暮らし」を選ぶために今の仕事についたとのことであった。お二人に趣味と仕事の関係性を聞いてみると、山崎さんは趣味は趣味のままでいきたいと話し、海沼さんは興味があることを仕事にしたいと話してくれた。


4,取材を通じて


 4人の方に取材をしてわかったことは皆新潟県に在住を決めた理由が、「新潟県であること」ではなかったという点である。そもそも坂野さん以外の3人はもともと新潟県出身のため、新潟県に今暮らしているのはよく理解できる。私もやはり地元にはとても愛着があるし、「地元」は特別な存在だと思うからだ。また、坂野さんは、出身は岩手県だが、「新潟で育んだ人間関係」を理由に新潟県に残ることを決めている。しかし、これは「新潟県」が在住を決めた理由とは言えないのではと思った。
どの人も偶然地元が新潟県であったから、偶然新潟県でかけがえのない仲間に出会えたから結果的に今新潟県にいるのであって、それは新潟県に住む理由とは違うのかなと思う。くらすはたらく編集室の趣旨である、「新潟県の魅力を知ること」からは少し離れてしまっているのかも知れないと感じた。今後の活動を通じて、新潟県が在住の理由になるような魅力を探していけたらと思っている。

編集メンバー:レモン