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続・ブヒ語

マレーシアでは移動制限命令(MCO=別名マッチョ)が終了し、条件付き移動制限命令(CMCO=別名こまっちょ)に移行した。事実上軟禁状態の日本人の間(そしてそのTwitterフォロワーの間)で急速に拡大している方言の一種であるブヒ語文化も成熟期に入り、様々な変化が表れてきている。この変遷は、民明書房刊「言語は生き物」で詳しく解説されている、国際言語発達委員会の「言語発達予想モデル」に沿った発達を遂げている。

ブヒ語の特徴は、語尾に「ブヒ」を付けること程度であったが、現在では「心と心の通じ合い」が重視されるようになり、一般の日本人には理解ができない程にまで多様化が進んでいる。しかし時に、ブヒ語を使用する人同士でも理解できないこともあるが、そこからTwitterのスレッドが拡大し、人間味あふれる会話が展開されるなど、自宅軟禁状態の心の支えとなっている面もある。

前回の「ブヒ語概要」では、ブヒ語初心者を対象に、その概要と例文をご紹介した。

今回は、照れを克服し「ブヒ語初心者」を脱出したい人をターゲットに、これまでのTwitterに出現してきたブヒ語の変化に関する情報を整理しようと思う。

なお、マレーシアの情報については、Kura-kura.net のサイトをご覧ください。

*注: 生きたブヒ語に触れるため、Twitterタイムラインから無断でツイートを引用しています。このnoteへの掲載を望まれない方は @kurakuranet までご連絡ください。

まずは基本の変化から

一般的な日本語の文末を「ブヒ」に変化させることがブヒ語の基本文となる。語呂の良さと響きの良さも重要視されるためセンスが要求される。

まずはブヒ語師匠による、秀逸で鮮やかなブヒの使い方をご紹介。

この場合「何して遊ぶの?!」にも、「何して遊ぶ気?!」にも取れるが、後者の方が「ブヒ」の音声成分と類似することから、後者の意味と解される。

テンション上げ上げの「ブヒ」

前回も取り上げた通り、「ブヒ」を重ねる(畳語)ことにより、テンションの高さを表すことができる。

照れ隠しなど、様々な感情を表現する「ブヒ」

「ブヒ」の部分に入れるべき日本語単語がなかったとしても、接中辞や接尾辞として「ブヒ」を挿入することで、照れ隠しを混ぜ込んだり、日本語で表現すると角が立つようなちょっとした感情を添えることが可能。

語気を弱める「ブヒ」

こちらは、語気を弱めるために、文末に「ブヒ」を付ける基本形。「コバエ野郎」と「やっつけたい」という2重の攻撃的な感情の表現が、文末の「ブヒ」により和らぎ、読み手の顔に笑顔すら浮かべてしまう強力な効果がある。

伝わらない内容は丸括弧で補足

ブヒ語文化が発展するにつれ、「心は通じる」との理念と、一種の悪ふざけも相まって、「ブヒ」のみの表記が見られるようになったが、もちろん意味が通じないとの後ろめたさからか、丸括弧で日本語訳を併記するパターンが見られるようになっている。以下にその例を示す。

ブヒを使ったブランディング例

ブヒ語人口が増えるにつれて、様々なブランディング戦略も見られるようになってきた。「ブヒ党」という表現が生まれたことは前回の記事で取り上げたが、その後様々な表現が生まれてきたので以下にその例を示す。

ブヒ連邦/ブヒ民

ブヒ教祖

ブヒランド

隠れブヒシタン

初めてのブヒ

時々湧き上がる強い感情を吐き出すブヒ(2021/1/17追加)

人間、いつも笑顔で美しい言葉だけを出して生きていけないもの。そんなときは感情を吐き出すことで気持ちにリセットを掛けることで、つらいMCO中の引きこもり生活を続けられるというものである。

ただし、言葉によっては暴言と取られてしまい、ネット上の「暴言警察」から取り締まりを受けてしまうこともある。そのような危険を回避するためにも「ブヒ」は有効である。

「くそ」という通常なら書けないような辛辣な言葉でも、「ブヒ」を付けることで辛辣さを弱め、ギャグの要素を足すことができ、人々に笑いを与えるツールとなった例である。また、ツイートを見た人からの温かいリプを引き出すことに成功した良い例とも言える。

温かなリプの例がこちら:

まとめ

前回のまとめでも書いたとおり、ブヒ語を使用することは恥ずかしいことではないものの、第一歩を踏み出す勇気が必要であるとの率直な意見が聞こえてくる。それでも勇気を出して飛び込むと、ブヒ民は温かく迎え入れてくれることは、これまでの歴史が証明してきた。

ブヒ民の生態の幅と高さと深みが徐々に明らかになってきてはいるものの、こまっちょ(CMCO)の継続とともにこれからも変化が続いていく可能性が、民明書房刊「閉じ込められた人類をつなぐTwitter」の中ですでに予想されており、現在の定説として学者の間で広く受け入れられている。

Kura-kura.net は、現地からブヒ語の動向について見守るとともに、全世界の新型コロナウイルスの収束を心から願っている。

そして、マレーシアの情報について扱う Kura-kura.net のサイトもよろしくお願いします。

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