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レーザー彫刻に向いてるゴム系素材って?いろいろ比較してみました

版画用のゴム版をレーザー彫刻する場合、刷りやすさはもちろんのこと、粉塵や匂い、加工カスなど、加工時の扱いやすさもポイントですよね。
そこでゴム系の素材をいろいろ試してみました。

加工条件と所要時間

使用機材:Epilog Zing 16
30W出力、パワー100%、スピード25%で深さ1ミリくらいの彫刻。
加工所用時間:A4サイズ1枚あたり約3時間

素材ごとの比較

(1)レーザー加工用として販売されている天然ゴム系のもの
参考商品:レーザー用ゴム版 天然ゴム

加工時のゴムの焼ける匂いがある。
加工時の粉塵が多く、加工機内部の汚れが激しい。
表面の微細穴なし。
加工のしやすさ★★
印刷のしやすさ★★
耐久性★★★

(2)レーザー加工用樹脂系ラバー
参考商品:TAIYO ECOLOGY RUBBER 新開発レーザー加工用エコラバー

加工時のゴムの焼ける匂いが少ない。
加工時の粉塵は、天然ゴム系に比べると少ない。
版に残ったカスがベトベトして取れにくい。
表面の微細穴なし。
加工のしやすさ★★
印刷のしやすさ★★
耐久性★★★★★

(3)レーザー加工用ポリエチレンフォームラバー
参考商品:TAIYO FORM RUBBER レーザー用ポリエチレンフォームラバー

加工時のゴムの焼ける匂いが非常に少ない。
加工時の粉塵が少ない。
版に残ったカスは水洗いしながら柔らかいブラシで擦ると簡単に落ちる。そのまま払うと粉塵が舞うので注意。
発泡性素材のため、表面の微細穴がインクを溜めるので、刷りムラが少ない。反面、染みたインクは落ちない。
加工のしやすさ★★★★★
印刷のしやすさ★★★★
耐久性★★★

(4)シリコンゴムシート
参考商品:海老原ゴム商会 シリコンゴムシート

(加工直後は燃えカスが月面のように溜まっていてビックリ…)

加工時の焼ける匂いがほとんどない。
加工時の粉塵が多いが灰のような軽さでベトつきは全くない。
版に残ったカスは水洗いしながら柔らかいブラシで擦ると簡単に落ちる。そのまま払うと粉塵が舞うので注意。
表面の微細穴なし。
素材が柔らかいので、版画よりスタンプ向きかも。
加工のしやすさ★★★★
印刷のしやすさ★★★
耐久性★★★★

比べてみた印象

扱いやすさと刷りやすさの両面から、今回の比較ではポリエチレンフォームラバーが最も扱いやすいように思いました。

しかし、ゴム系のものは加工時の汚れが気になるものの素材が詰まっているので、輪郭のくっきりした印刷ができるように感じました。
印刷時には、版が目詰まりしたり汚れが落とせなかったりということも起きます。そういった点での耐久性はゴム系が高いと思いました。

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