飼い主がご飯を食べたから、あたしもおやつをもらったのよ。
　そしたらね、妹おばあちゃんがトイレにこもっちゃったの。
「どうした？」
　おねえちゃんおばあちゃんが聞いたらね「気持ち悪い」って、言ったの。
「さっき、ご飯食べたよね」
「うん、下痢もしてる」
「おかしいなぁ、同じものしか食べてないよね」
「うん」
「昨日、イカフライいくつ食べた？」
「２袋」
「そんなに食べたの、消化不良でしょ。吐いちゃえば治るよ。歯医者さん行ってくる」
　おねえちゃん冷たいなぁ。

　ケイコいっしょに寝てあげるよ。
　お腹あっためてあげるからね
　寝てる。
（ピンポーン）
　ヘルパーさんだ。
「ケイコさん、体調は？」
「いまはよくなったけど、気持ち悪かった」
「大変ですね、寝ててください。お掃除してお風呂入れたら、静かに帰りますからね」
「うん、ありがとう」
　ヘルパーさん、優しいなぁ。
（ピンポーン）
看護師さんだ。
「どうしたんですか」
　説明してる。
　看護師さんが笑ってる。
「珍味は油多いし、味も濃いから食べすぎちゃだめですよ。夜はおかゆにしてくださいね」
　おねえちゃんの看たては当たってたんだ。
　何回も見てるからねぇ。
　懲りないからねぇ、ケイコ。
　少しくらいの体調不良じゃあわてないんだ。
　ケイコ、かわいそう。
「やっぱりなぁ、食べすぎはよくないんだ。へへ……」
　懲りてないや。

　おねえちゃん、早く帰って来ないかな。
　それまで、寝てよう。
　おやすみ。