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「いいこと」や「変化」を自ら取りに行く場所になりたい。〜「てこ」の役割

2018年の「シマシマしまね」のオープンも残りわずかとなりました。もちろん、12月1日以降も活動は続き、お楽しみ便を始め、冬の間も何か楽しいことを…!と考えています。でも、施設がクローズとなるのはやっぱり、寂しいですね。

先日この「シマシマしまね」の事例をもとに、地域づくりや社会活動をする人たちを対象とした「成果の導きだし方ワークショップ」が行われました。

そのようすはこちらからご覧いただけます。

「成果」と一言で言ってもいろんな切り口があって、それを知っておくだけでも、活動の幅が広がるな、と思うところが多くありました。…ぴんと来ない方も多いかもしれませんが、「事業」がある限り、「成果」は常に求められるもの。普通の会社でももちろんそうですが、特に地域づくりなどを行っている団体の中では、この「成果」の見せ方、計り方がとても重要なのです。

今までは、「シマシマしまね」の2シーズンの成果は?と聞かれたら、

◎来場された「〇人」の方々に、島根のことを知ってもらえたこと

◎島根19市町村の商品を「〇円」売り上げたこと

◎ワークショップに「〇人」参加してもらったこと

などと答えたと思います(つまり、数字で見える成果)。でも、もう一歩、もう二歩踏み込んで、

◎商品を卸した作り手の皆さんの収益が上がった

◎ワークショップに参加した人が地域の食材に目を向けたことで、地産地消が推進された

◎刺激を受けた来場者が、何か新たな事業を始めるきっかけになった

…というところまで考える、というのが新たな学びでした。

すなわち、自分たちの活動の「波紋」をしっかり把握して、どこまで、どういう影響があるのかをよく考えながら事業を計画する、というのがポイント。巷では、「やったこと」に満足するような催しや、「自分たちが輝くこと」に終始する事業があるけれど、ソーシャルグッドな活動を目指すならそれではダメで、目に見えないものをしっかり追いなさい、ということなのですね。

私たちくらしアトリエは、「目に見える成果が乏しい」ことがずっと悩みの種でした。儲かるとか、たくさん人が来るとか、そういう指標(一般的な指標)で計られると、どうしても成果が小さくなってしまいます。

でも、今回講師の方に「消費活動のその先にこそ、くらしアトリエの成果は存在する」ということを直接言っていただいて、ちょっと目の前が開けた気がしました。「てこの原理」というたとえを使って講師の方が説明してくださったのですが、自分たちの活動が「てこ」の役割を果たして、次の人、次のコミュニティが動き始めるということ。それって考えようによってはすごく可能性のある成果、と言えそうです!

何かやりたい、一歩踏み出したい、という方の「てこ」になる。

自分たちの目標がよりクリアに見えたような気がしました。

例えばワークショップに参加してもらったり、勉強会でお話を聞いたり、WEBで記事を読んでもらったり。それらはすべて、何かが「変わる」「気づく」、その場面に皆さんを誘導するツールだとも言えます。

「いいこと」や「変化」は、待っているだけではやってこない。でも、どう動いたらいいの?何から始めたらいいの?「そんなもやもやした思いを、プラスの方向へ動かすきっかけづくり」が、自分たちのミッションのひとつ。まさに、「てこ」の役割です。

先日「うつわと暮らしを楽しむWEEK!」に、かつて開催していた「くらしの学校」の生徒さんが遊びに来てくださって、7~8年ぶりの、とても嬉しい再会だったのですが、その方が「営業日が合わなくてなかなかここまでは来れないけど、いつも見ていて、紹介されたお店に行ってみたりしてるよ。おかげで行動範囲が広がってる感じ!」とおっしゃってくださって、「あーそれですそれ!そう言ってもらえるのが一番うれしいです!」と飛び上がるほど喜びました。この方の「てこ」の役割を、少しは果たせているのかも、という気がしたのです。

「シマシマしまね」という施設が、「いいこと」や「変化」を自ら取りに行く、そんなわくわくした場所になればいいなあ、と切に思います。

くらしアトリエと関わってもらうことで、何かが変わったり、何かが得られたりする。そんな期待感を持っていただけるよう、これからもいろんな企画を作っていけたらな、と思っています。冬はそのためのパワーチャージの期間でもあります。新しいものや人にたくさん触れて、法人の活動に還元できるよう、スタッフそれぞれ頑張ります!


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