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島根のどこが好きなのか、あらためて考えてみた。

今日開催した読書ワークショップに、お嬢さんが島根の大学へ進学した、という女性が県外から参加してくださいました。

昨年から、講師のDOOR BOOKSTOREオーナー・高橋さんを慕って遠方から通ってくださり、私たちもいろいろなお話をさせてもらったのですが、今回は娘さんが4回生ということもあって、「娘は島根の皆さんに支えられてきました」ということばをたくさん頂き、誇らしく思いました。

また、午後から来てくれたくらしアトリエスタッフの娘さんは県外の大学に通っているけれど、毎日くらしアトリエのインスタグラムに「いいね」をしてくれます。

なんでも、いい文章だったときはお母さんに報告をしてくれるらしい…これもとても嬉しく励みになりました。遠くから、島根のことを少しでも気にかけてくれていると思うと、心強くもあります。

そこで今一度、自分にとって「島根」とはどういう存在なのか、なぜ島根のことを「知る・学ぶ・楽しむ」なんてことをしているのかを考えてみたいなと思い、「なぜ私が島根のことを好きなのか」を箇条書きにしてみようと思います。

1.自然が豊か

県庁所在地から少し離れるだけで、いや、なんだったら県庁から車で10分も走れば、自然が残っているような土地柄です。うちから30分で海、10分で湖、30分で山。視界のなかに必ず自然の色があって、安心します。

大学受験の時、東京のコンクリートジャングル(!)に2泊しただけで「ここで暮らすのは無理だな」と思った私。…まあ、結果として暮らせなかったわけですが、今は、都会も好きだけど、暮らすならやっぱりのんびりした田舎がいいな、と思います。特に松江や出雲は住むのにほんとにちょうどいい、田舎過ぎない田舎です。

子どもたちが小さな頃は、休みの日にはあちこち出かけて、どんぐりを拾わせたり落ち葉で遊ばせたりして

「ああ、自然の中で子育てしている!」と自己満足していましたが、実際保育園や小学校でも自然に親しむ教育がされているし、地域ごとにいろんな自然活動があって、とてもいい点だと思っています。


2.食べ物がおいしい

お米、卵、牛乳、魚、野菜。どれもとてもおいしい。

一生懸命、まじめに作っている作り手がたくさんいらっしゃいます。その人たちの存在を「知る」ということがどんなに大事か、暮らしの中で身を持って感じました。ただ買って食べるのと、「○○さんが作った野菜だよ」と言いながら食卓に載せるのとでは全然違う。そのことが、「シマシマしまね」のコンセプトにもつながっています。

木次乳業の牛乳、日本海でとれたお魚、奥出雲や雲南、吉賀など各地でとれるおいしいお米。どれも一番強く郷土愛を育ててくれるものだちです。


3.芯のある人がいる

多いかどうかは分かりませんが、「根っこをしっかり持った人」にお会いする機会が多いです。

柔軟な人もいれば、頑固な人や閉鎖的な人もいる。でも、心の奥のところでの郷土愛はとても大きいのでは、と感じます。

フラットな気持ちでいろんな意見を聞くことができる人も素敵だけれど、守りたいがゆえに攻撃的になったり、守りたいがゆえに閉じてしまったりする人もいて、それも、今の活動をしなければ分からなかったことです。

今はそれぞれの立場がなんとなく理解できるし、それゆえの行動だと思うといとおしさを感じます。


4.歴史や神話がある

私自身の生まれ故郷は鳥取なのですが、逆立ちしても島根にはかなわないな、と思うのがこれです。毎年10月に日本中の神さまが出雲に集うとか、すごくないですか?また、お城があるのも(ちゃんと残っている)すごい!これも、いまを生きている人間たちにはどうしようもないことで、歴史の重みを感じる点です。

日々暮らしていると、夕焼けや雲、田んぼを渡る風など、ああこれは神様がいるに違いない、という風景に出合うことがあります。

島根の人は、とりわけ自然のものに対する畏敬の念が強いように思います。それを納得させるだけの豊かな自然がある、ということかもしれません。


5.島がある

島根には隠岐諸島という島々があります。

これも鳥取の人には逆立ちしてもかなわないこと。島根に住む人であっても、隠岐を訪れたことのある人は限られると思いますが、3年間暮らしたことのある身としては、ぜひ一度島に出かけてほしいと思います。

展望台でぼーっとしたり、林道で野イチゴを摘んだりフユビを採ったり、サンキライの実でリースを作ったり。マムシを踏んだこともありました。一生分の自然体験を3年でさせてもらった、とさえ感じます。厳しさもあるけれど、それを耐えても余りある懐の大きさが、隠岐にはあると思います。


6.いま、暮らしているから。

いいところをいろいろ挙げてきたけれど、結局「住んでいるところを好きになる」「暮らしている場所を誇りに思う」、それに尽きる!と思います。いま、縁があって島根に暮らしている、そのことが、自分が島根を好きな一番の理由です(当たり前と言えば当たり前)。

1~3のことは、正直日本全国どの地域にも当てはまるし、自然の豊かさや人のあたたかさなんて数値では測れない。ただ、そこに暮らして日々、ご飯を食べている。そのことが、一番大きいのではないでしょうか。

だから、もし何かあって別の地域に引っ越すことになったら、きっとその土地のことも好きになるように努めると思うし、好きになる自信があるのです。それは、「どこで暮らすかではなく、どう暮らすか」という人生の極意、みたいなものを、島根で培ってきたから。

住んでいなくても、その町に関わることはできます。でもやっぱり、住んでいるからこそ、感じることがある。今日、県外から来てくださった方も、娘さんが島根で暮らすことにならなければ、こんなに島根のことを好きになってくれなかったでしょう。暮らす、ということには、それだけの重みがあるのです。

暮らしている人たち自身が「島根が好きだ!」と胸を張って言えるようになること。それが自分たちの活動のゴールなのかもしれません。

いや~それにしてもやっぱり島根はいいところです!何だかあらためて考えて妙に納得してしまいました。皆さんも、住んでいる土地のいいところ、あらためて考えてみると、新たな発見があるかもしれません。






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