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ちいさな決断の積み重ねが今をつくっている。

今日の「時々、コラム。」は「決断すること」について。

今月の20日からイベント「とのまち 春のおくりもの展」が始まるため、いまは諸々の準備に追われているのですが、日々が「決断する」の繰り返しというか、「決断を迫られること」の連続というか、とにかく日々、「決めないといけないこと」に追い立てられています。


久しぶりの「拠点以外でのイベント」ということもあり、企画段階から決めないといけないことばかり。当たり前といえば当たり前なのですが…。

今回の「とのまち 春のおくりもの展」は、そもそもが「おせわさんセンター」という場所をお借りしてイベントをしよう、というところから始まった企画なので、テーマを何にするか、というのがまず大きな決断でした。

「贈りもの」をテーマに据えたところで(この段階ですでに小さな決断をたくさんしているわけですが)、じゃあどんなギフトを作る?どんなものを販売する?ターゲットは?何日間開催する?チラシのデザインはどんなイメージ?何枚印刷する?どこに配る?……と、こんな感じで「決めないといけないこと」がどんどん迫ってきます。

ラッピングはどうするか。これも決断のひとつ。


上のラッピングに至るまでの、おびただしい数の試作たち。

そして、決断せねばならないことは、往々にして待ってくれません。他のことで忙しくても、迷っていても、決めきらないと先に進まないのです。

ひとつひとつは小さな決断ですが、「これでいこう!」と「決めきる」時にはそれなりに不安やプレッシャーが乗っかります。なので、日々の決断が積み重なると、不安もプレッシャーもずっしりと肩にかかってくる…気がします。なので、イベント前はスタッフ、けっこう精神的に追い詰められて、どよーんとしたりします(特に私は)。

仕入れに関しても、例えば調味料だったら…まず、自分たちが評判を聞いたりして「いいな」と思ったものを購入し、自宅の食卓で試します。
これはいいな、と思えば、直接連絡をして仕入れが可能かどうか問い合わせます。すべてOKの返事をもらえるわけではなく、当然、断られることもあります。
ギフトのセットにすることを考えると、例えばお醤油味のものばかりに偏ってもいけないし、形状も、大きなもの・小さなもの、とバラエティに富んでいたほうが箱詰めしやすい。
また、「シマシマしまね」としては、なるべく島根各地のいろいろな地域のものを揃えたい、という気持ちもあり、多角的に考えていかねばなりません。
そういう悩ましい決断を何度も繰り返して、最終的な商品が揃う、という感じです。仕入れには本当に神経を使うし、プレッシャーもかかります。

「決断」がほぼ、少数のスタッフに課せられていることも、プレッシャーの大きな理由のひとつ。自分が決めた仕入れの数が損失を出して、もしかしたら法人の大きな足枷になってしまうかもしれない…とか考えることはしょっちゅうです。

「くらしアトリエ」を始めるまでの自分自身は、仕事の上でもプライベートでも、他に影響を及ぼす事柄を「決断する」ことを課せられることは、ほとんどありませんでした。そういう自分に疑問もなかったし、もともとはそっち側が心地いい人間なのです。

それが、ひょんなことから団体を立ち上げたことで、「どうする」「どうしよう」が毎日いくつもいくつも迫ってくる、という生活に激変したのでした。

「くらしアトリエ」を立ち上げようと決めた時から19年。

現在まで、いったいいくつの決断をしてきたのだろう…何千?何万?

いちばん大きな決断は「法人化」だったと思うのですが、そもそもの立ち上げ、名前の決定、拠点の選択…振り返るとその時その時で、頭を悩ませながら道を選んできたのだなあ、としみじみ思います。その決断の積み重ねの果てに、今のくらしアトリエがあるのですよね。

本来、責任を負う立場とか、人の前に立つとか、そういうことはとても苦手なので、「決断する」こともしんどいし、決めきってしまってから「あれでよかったのかなあ」と振り返ってうじうじしたりもします。19年経っても全然慣れません。

ただ、私には他のスタッフがいてくれるので、これがありがたい。良く言えばしんどい思いをシェアできる…悪く言えば責任を分散できる仲間がいることは、本当に心強いです。大きな決断をするとき、最終的に決めるのは自分たちであっても、法人の会員に問いかけ、いろんな意見をもらえることも、ありがたいです。

また、今までバラバラで管理していた「決断」を分かりやすく共有するために、最近は「notion」を使ってフロー化し、プロジェクト全体を見ながらちいさな決断を刻んでいけるように工夫しています。

個人事業主の方はこれをぜんぶ、ほぼ1人でやるんだなあ、と思うと、本当に頭が下がります。決断って本当に、大変ですよね…。

今回、イベントのテーマを「贈りもの」にする、と「決断」したことは、自分たちにとってかなりの冒険でした。

これについてはまた別のnoteで綴ろうと思っていますが、贈りものを考えることは大好きでも、それを商品として「大切な人へ贈る」ものとしてきちんと準備する、というのが、果たして不器用で気が利かない自分たちにできるだろうか?という不安があったからです。

でも、最終的には「ギフトのイベント、いつかやってみたかったよね」「喜んでもらえたら嬉しいよね」という思いが勝って、「贈りものをテーマにしたイベントをする」という、自分たちにとってはかなり大きな決断をしました。

イベントが成功するのかしないのか、今も不安で押し潰されそうですが、そもそも「成功とは何を指すのか」と考えたとき、もちろん商品が飛ぶように売れて完売する、というのが理想なのかもしれないけれど、それだけじゃないよなあ、と思うのです。

そんな決断の合間に、安来市の白鳥ロードに行ってきました。
白鳥の数がすごくてちょっと引くレベルでした。

くらしアトリエとして、法人としてのミッションを達成するという意味での「成功」は、「ここで選んでよかった」と言って頂けること、「島根っていいものがたくさんあるんだな」と思って頂けること、「あの人に贈ってみようかな」と思うきっかけにして頂くこと…そういうことなのかな、と思っています。

イベントまであと10日と少し。まだまだこれから「決断せねばならないこと」が山のように押し寄せてきます。始まるまで胃が痛い日々ですが、立ち上げ当初の頃よりはその空気感を楽しめるようになってきたかな…という思いもあります。

小さな決断の集合体がどんな形になっているのか、イベントもどうぞ、楽しみになさってくださいね。

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