シャイな人は、実はすごく考えている。

先日からオープンした、シマシマしまねの「夏のお楽しみ便」、ご注文をいただきましてありがとうございます。

予約販売という形を取り、発送はせず拠点まで取りに来ていただく(しかも指定された短い時間の中で)というシステムは、なかなかハードルが高いと思うのですが、たくさんご注文をいただき、ありがたい限りです。


この企画、作り手の思いや新鮮な食材たちを、直接求めている方にお届けできたら…という気持ちと、でもそれを「イベント」としてとらえるのではなく、並ばずとも安心して買い物ができるような場所づくりができないかなあ、という考えのもとに作り上げたもの。

というのも、以前にも少し書いたことがありますが、くらしアトリエのスタッフは「前に出ない」シャイな人ばかりなのです。自分たちがイベントを企画したりしているのも不思議なくらいで、実はワイワイとにぎやかなところは色々考え過ぎてしまってちょっと苦手。プライベートでは、「人の多いところをついつい敬遠してしまいがち」「早いもの勝ち、というのが苦手」という人ばかりで構成されています。

だから、あらかじめ欲しいものが予約できて、そんなに行列に並ぶことなく、すんなり商品が受け取れる、というお買い物のシステムが企画できないか、という気持ちもあり、「お楽しみ便」を思い立ったのでした。

趣旨に賛同していただき、商品を用意してくださった作り手の皆さんには本当に感謝しています!


くらしアトリエは、NPOの中では「地域づくり」というカテゴリに身を置いているのですが、そんなカテゴリで活動をする方は「元気いっぱい!みんなで一緒に頑張ろう!」というタイプの方が多いようで、私たちのような内気な人で構成されているのはレアなケースです。

ちなみに、こういう地域づくり系の人たちが集まるイベントなどでは、必ずと言っていいほど「はい2人1組になって、お互いに自己PRしましょう~」「はい、ポーズを決めて写真撮影しますよ~」というのがあり、これには毎回本当に心が折れそうになります。でも、「私そういうの苦手なんで!」と言うこともできず、ここで自分が断ったらノリが悪いと思われて雰囲気が悪くなるよなあ…と考えたりして、結局それなりに楽しそうに写真におさまったりするのです。ほんとは苦手なんです…。

いろいろ調べてみると、消極的な人は、何か事を興すのに際して必要以上に考えすぎてしまうことが多いようです。自分の行動で誰かが嫌な気持ちになるんじゃないか、いろいろとイメージしてしまう。だから、結局何もしない、という結論に至ることも多いのですが、何も考えていないわけではなく、むしろ考えすぎて前に進めない、という人が多いんじゃないでしょうか。

でも、シャイであっても決して人との交わりが嫌いなわけではありません。むしろ人は大好きだし(人間観察しすぎ!と注意されるほど)、全然知らない人に話しかけたり質問したりも、割と平気でできてしまいます。「シマシマしまね」にいらっしゃったお客さまとお話するのもすごく楽しくて、いつも皆さんから元気をいただいています。

ただ、「みんなで一緒に楽しくやろうぜ~!」っていうノリが怖くて、躊躇してしまうんです。

今まではずっと、そんな自分の性格のほうがいけないんだろうな、と思っていました。

でも、以前「静かなる熱」について書いたとき、「私も同じです」と教えてくださる方が、本当にたくさんいらっしゃいました。

もしかして、「前に出ることは好きじゃない、にぎやかなのも苦手、でも暮らしは楽しみたいしおいしいものも食べたい」という方、実は積極的でどんどん前に出られるタイプの人よりも多いんじゃない?と今は感じています。そういう方がシマシマしまねにいらっしゃる確率が高いのかもしれませんね。

だからこそ、「お楽しみ便」は需要があるんじゃないかなあ、と考えたわけです。

消極的な人、シャイな人は声を上げることが少ないから、まるでそんな人はいないかのように世の中が回っている…ようにすら思います。そうすると、「内気なのはダメで、明るいほうが良い」という意識が既成概念となってしまい、消極的な人はその陰に埋もれてしまう。

でも、本来社会というのは多様な性格の人がいるわけで、声の大きな人も小さな人も、同じように楽しく豊かに暮らせるほうがいいに決まっていると思いませんか?

じゃあどうすればいいのか。

私たちくらしアトリエには、「発信」「企画」「デザイン」というツールがあります。このツールを使って、消極的な人でも参加できる、心を満たすことができるようなものを、自分たちでデザインしていくことができるんじゃないか、と考えています。そして、シャイな人に向けて考えたデザインはきっと、どんな人の心にも引っかかることができるんじゃないか、と思うんです。

そう思い至ったきっかけは、こちらの記事にあります。


このサイトで話をされている方も、そして私たちも、シャイであっても(むしろ、シャイだからこそ)こうして文章で発信することができるし、今は便利なツールもたくさんあるから、ひそやかに熱い思いを語ることもできてしまう。ツールを駆使していけば、同じように「本当はこう思ってるんだけどなあ…」と感じている人たちがつながることもできるはずです。

「積極的ではない自分たちだからこそできるデザイン」があるんじゃないか、それってすごくユニバーサルなデザインなのではないか。最近はそんなことを考えながら仕事をしています。

暮らしの中にそういうデザインが当たり前にあって、誰もがプレッシャーを感じることなく買い物ができたりしたらいい。それには、作り手と、それを求めている消費者(積極的な人もそうでない人も)をうまくマッチングさせることが大切だし、両方が気持ちよく買う・売るという行為が行えるような場所も必要だと思っています。

今回は「お楽しみ便」という形で自分たちのやりたいことを表現してみましたが、今後も、静かなる熱を持った人たちも、精神的に満たされる、そんな企画を作っていきたいなあ…と思っています。


参考文献:「消極性デザイン宣言 ―消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。」
消極性研究会 (著) ビー・エヌ・エヌ新社



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