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希少性を手放すな。

私が子どもの頃、教育は「みんな等しく同じ」ものであり、「みんなが同じように、同じ方向を向いて生きる」ことが良しとされていたように思います。

そこから「個性の時代」と言われ、ゆとり教育からの揺り戻しもあり、今は多様化の時代。いろんな考え方、いろんな生き方があってOK、という時代になりつつあります。

「人と違う何かを持っている人はそれだけでアドバンテージがある。例えば10人に1人の『何か』を持っているとか。それをどんどん積み重ねて掛け合わせていくと、100万人に1人の人になれる…」という考え方を目にして、なるほど~、と思いました。

大学の推薦入試も、より希少性の高い生徒、人とは違う高校生活を送っていることが評価の対象になってきているし、企業でも、スキルがあれば新卒でも高待遇が受けられるという時代。これがそのまま続くかどうかは分かりませんが、「人と違う何かを持ってる」ということは、人生においてかなりの強みになることは間違いないと思います。

とかく、自分たちと同じいわゆる「子育て世代」の女性には、「人と違ってていいのかな」とか「みんなと同じじゃないと怖い」という方も多いような気もします。足並みをそろえてじゃないと動けなかったり、ひとり違う意見を言うことをためらったり。

でも、自分がせっかく持っている希少性をみすみす手放したり隠したりするのはもったいない!と思いませんか?

今はちょっと窮屈でも、希少性を持っていることが将来的にきっと強みになるはずだと思うのです。料理が上手だったり、単純作業の仕事が苦じゃなかったり、旅行が好きで英語を勉強していたり。そのひとつひとつを大事にして究めていけば、面白い将来が描けるんじゃないかな。

くらしアトリエも、「UIターン者じゃない(ただの地元民)」「女性の」「普通の主婦が」「山奥でやってる」「プロ集団じゃない」「地域づくり団体」、という位置づけ。これは自分たち的には「なんて普通の人がやってる団体なんだ…パッとしない…!」と弱みっぽく感じられる場合もあるのですが、案外希少性が高いのかもしれない!というのが、新たな発見でした。この「普通中の普通な人がやっている」という「キングオブ普通」の希少性と、「誰もやらないような山の中で活動していること」が掛け合わさってさらに希少性を増し、強みになることを信じて活動しています。

そうそう、希少性を高めるためには、自分自身も多様な社会に対して寛容であることも必要じゃないかとも思います。

「自分と違う」ということだけで扉を閉めてしまうのではなく、同じフィールドに立って相対してみること。難しいときもあるけれど、扉を閉めたままにしているのはちょっともったいないんじゃないかな。自分自身も、努めてそうあらねばと思いました。

ちなみに、文章中の写真のお花や小物はすべてうちのスタッフが製作したものです。(フラワーアレンジ、ミニトランク、樹脂ボタン、アンティークピック、ルーバー、全部手作り!!)

それを補助するスタッフもいるし、それを写真を撮ってコピーを書くスタッフもいます。ひとりひとりはプロじゃないし、すごく静かで「普通の」女性。そんなみんなが集まり、時間をかけて試作を重ね、作り上げたものは誰にも真似のできないものになる。

ひとりひとりを掛け合わせていくことで、より希少性が増す…ということを、当時はまったく意識せず、ただ熱意の赴くままに作っていました。あの頃の経験が、形を変えて今に生きていると感じます。

他人と足並みを揃えることに集中するよりも、人との違いに寛容になり、そこを自分で磨くことができれば、また世界が広がり、さらに素晴らしいことができる可能性が見えてくるのではないかと思います。

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