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米国&日本 マイクログリッドに関連する情報

こんにちは。自然大好きアドバイザーのE&H(エコ&ヘルス)です。

電力と言えば、大型発電所で多量に作られたものが送電線によって家庭や職場に供給されているものがほとんどです。電力供給システムでは長距離の送電をおこなうため、多くの電力損失や環境問題への影響が避けられません。また災害などが起これば地域全体が停電になってしまう危険性もあります。そこで近年注目されているのが「マイクログリッド」です。

電力消費者の近くに小規模な発電施設を設置し、分散型電源を利用することで安定的に電力を供給するという仕組みです。大規模発電所の電力供給に頼らず、コミュニティでエネルギー供給源と消費施設を持ち地産地消を目指す、小規模なエネルギーネットワークのことです。エネルギー供給源には、分散型電源である太陽光発電(個人・事業用)、EV車、エネファーム、企業の自家発電、風力発電、バイオマス発電などが利用されます。これらは、発電・供給が不安定であり、エネルギーを安定させるため、情報通信技術を利用した管理運転をおこなうというのが特徴です。

マイクログリッドは電力消費者(家庭やオフィス)の近くに比較的小規模な発電施設を設置し、そこから電力を供給するので、供給元から需要家への距離が短いので電力ロスもほとんどありません。マイクログリッドの電気供給源として、自然エネルギーを使うと、環境への影響も少なくメリットがあります。

国内マイクログリッドの有名な事例としては、仙台のマイクログリッドでしょう。仙台マイクログリッドはNTTファシリティーズと東北福祉大学コンソーシアムが共同で開発したマイクログリッドになります。太陽光パネル、ガスエンジン、燃料電池を組み合わせた分散型電源マイクログリッドです。
仙台マイクログリッドを有名にしたのは、東日本大震災時に、稼働させ、介護施設や医療施設にいち早く電力を供給したのです。マイクログリッドの災害時の強さと安定性を証明した事例といえます。

次に、米国のマイクログリッドの紹介です。(日経記事2021.05.14より)
米国では、ハリケーンの大型化や山火事、寒波など気候変動の関連の災害が相次ぐ。地域社会や企業は、電力インフラの脆弱さに直面している。小規模な電力システムであるマイクログリッドは災害への耐久力があり、信頼性の高い電源を提供する「未来の送電網」である。米国は、100超の燃料電池を使ったマイクログリッドシステムを導入している。悪天候で送電が止まっても途絶えるのを防いできた。2018年以来、1750回の停電を回避し、116日分の電力を供給し続けた。そのため緊急コールセンターも稼働を続けられた。最近は、激しい嵐で停電時間が長引いています。マイクログリッドでないと対応がむつかしい。燃料電池を活用して水素に切り替えればカーボンゼロも実現できる。個体酸化物燃料電池(SOFC)を使えば小スペースで電力をまかなえる。米国では、気候危機への対応策として、事業の持続可能性の観点からも劇的な変化が起きている。「プルームエナジー社」上級副社長の話。

<日本のマイクログリッドの事例>
1. 北海道_鹿追町 自治体主導 2018年9月の地震で全域停電がきっかけで、注目と意識が高く2020年8月から導入。人口5542人
2. 北海道_松前町 自治体と東急不動産が主導、2019年4月から稼働 人口7000人 風力発電
3. 宮城県_東松島市 自治体主導 公営住宅85戸 スマート防衛エコタウン 東日本大震災がきっかけ。
4. 神奈川県 小田原市 20都市 湘南電力・京セラが主導 2020年に15億円の予算で計画 
5. 兵庫県芦屋市 パナホームが主導 117戸 2018年10月から
6. ソニーが傘下の企業に対して、管理運転のソフトを無償提供 2020年12月からスタート

<自治体が目指していくべき地域マイクログリッド 国の支援>
1. 資源エネルギー庁が2019年6月から「マイクログリッド活用モデルに向けた支援制度」開始 5地区採択 北海道:3件、岡山1件、熊本1件
2. 資源エネルギー庁が2021年4月16日から「地域マイクログリッドの推進」
H30年度:マスタープラン作成事業者 11件
R2年度 :マスタープラン作成事業者 15件
     :マスタープラン構築事業者  3件
R3年度 :補助金の公募中

エネルギーの地産地消のために、個人としても「ソーラー発電」「EV車」「エネファーム」など、今後、マイクログリッドに結び付く発電設備をエシカル消費・SDGsの観点からも積極的に導入していく必要が重要であると思います。

<参考資料>
1.資源エネルギー庁ネット情報、その他ネット情報
2.日経新聞記事2021年5月14日

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