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医薬品不足の時代に思うこと

こんにちは。健康生活アドバイザーのだんごママです。

コロナが5類感染症に移行してから感染状況についての報道も激減しました。年末年始の移動が増える時期にインフルエンザ・コロナの感染者が増加しましたが、それ以降は気に掛けることもなく過ごしていらっしゃることでしょう。

COVID-19が世界の流通を遮断し、医薬品の供給制限・供給停止が生活に影響を及ぼすようになって約5年になります。日常生活が活発になってきているにもかかわらず、医薬品不足はいまだに解決されていません。今でも特に不足しているのが鎮咳薬・去痰薬・抗生物質です。処方されても調剤薬局に在庫がなく、処方中止や処方変更の依頼が私の勤めている病院にも毎日のように飛び込んできています。

咳はその持続期間に応じて3週間未満の急性咳嗽、3~8週間の遷延性咳嗽、8週間以上の慢性咳嗽の3つに分類されています。急性咳嗽の原因の多くは呼吸器感染症です。咳嗽の生理学的意義が気道内異物や分泌物を排除することの防御機構であることを考慮すると、鎮咳薬によって咳をむやみに止めるべきではありません。そのため、咳止めといわれていても止めるのではなく、緩和させる手立てとして鎮咳薬が位置付けられています。しかし、咳をすることでエネルギーを消費し、日常生活に支障をきたすようになります。治療薬が手に入りにくい状況を考えると薬以外で症状を緩和させる方法を考えておく必要があります。

咳は、乾燥しているときや夜間に出やすくなります。特に、寝入りばなに咳で眠気が飛んでしまうのは皆さん経験されていると思います。昼間は交感神経が優位になっているため気管が広がっていますが、夜、副交感神経が優位になってくると気管が狭くなってきます。その状態で横になると気管支内の分泌物などが気道を刺激することで気管が狭くなり咳が出やすくなります。咳が止まらない時に肩甲骨に挟まれた部分を触ると冷たく感じることがあります。中医学では体の内側に熱がある場合、体の表面は冷たく感じるためその部分を温めると症状が緩和されます。咳を止める「風門・肺兪・肝兪」のツボは背骨の両側にあり、背骨の両側をマッサージするだけで楽になります。冷えないように肩当てを付け横向きで寝るとか、マスクをして寝るだけでも効果が期待できます。

私も風邪をひき、咳がなかなか取れなくなることはありますが、錠剤やカプセルで服用する鎮咳薬や去痰薬を使うことはありません。(咳が止まるとは思っていないので)昼間であれば、頻繁に緑茶を少量飲むようにし、それでもダメな時はキャンディーをなめてしのいでいます。のど飴には、医薬品・医薬部外品・食品の3種類あります。医薬品(有効成分の効能効果が認められている)は薬局で販売され、医薬部外品(医薬品に比べて効き目が穏やか)・食品(嗜好品)に分類されるのど飴はコンビニやスーパーなどで入手でき、その時の咳やのどの状況に応じて使い分けしています。

コロナが流行しだす前の2016年に桜皮エキスから抽出されていた鎮咳去痰薬が製造中止になりました。漢方薬や民間薬として利用されていましたが、原料調達の難しさや、薬価が低く抑えられることなどの理由で製造中止となりました。薬価改定のたびに長年利用されてきた医薬品が原価割れを起こすようになり市場から消えていきました。10年後には今と違った医薬品が保険適用となっているでしょう。これからの人口減少を見据えた病院のダウンサイジングも進んでいます。4月からの診療報酬改定で、開業医の減少も危惧されています。アメリカのように風邪をひいても受診が3日後という時代になるかもしれません。病気になったらすぐ受診ではなく、正しい急性期疾患の対処法を日ごろから考えておくことが大事だと思っています。

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