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《取材記事①》「自然の色を染める。自然の色をまとう」草木染めRitsu 森利津子さん

くらしずく2019では、作り手と使い手との出会いをより深め、手の仕事を身近に感じていただくために、ワークショップを開催いたします。
手軽にできるものから、本格的な制作に触れる貴重な体験まで、多彩なプログラムをご用意。
会場の「くらしずくスタジオ」では、講師の方々の作品も同時に販売もいたします。ワークショップ中の見学も自由です。ものづくりの現場に、ぜひお越しください。

今回、様々な「手しごと」を提供してくださる作家さんを取材しました。

まず、ご紹介するのは、草木染めRitsu 森利津子さん。ワークショップでは、草木染ストール手染め体験ができます。

ワークショップのお申込みはこちら。(要予約)

『くらしずく2019 ワークショップ [W4]草木染ストール手染め体験』

お申し込みはお電話でも承ります。
090-2403-1021(くらしずく ワークショップ担当・白石)

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自ら染め上げたストールを軽やかに身にまとう、「草木染めRitsu」の森利津子さん。そのシルクのストールは柔らかな光を抱きながら、鮮やかな色彩を浮かび上がらせる。素朴さを感じさせる「草木染め」という言葉の響きとは裏腹に、実に優美な佇まいだ。とはいえ行き過ぎた派手さはない。シックな装いでありつつ、まとう人をいっそう明るく引き立ててくれる。

「自然の色を染める。そして、自然の色をまとう。すると、穏やかな心になるんです」

そう話す森さん。自然の生み出す色彩と、自らの感覚がシンクロする。そうして、ストールも心も美しくみがかれていく。

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森さんの染め上げたシルクのストール。爽やかなライトブルーは、発酵させていない生藍を染料にして染めたもの

森さんは現在、ストールやハンカチ、ランチョンマット、クッションカバーなどを草木で染め、浜松町にあるセレクトショップ「港 MINATO」で作品を販売するほか、各地で講座やワークショップを行っている。今回は、祐天寺にある日本文化を体験するコミュニティスペース「NAGOMI HOUSE」で行われる草木染め講座にお邪魔した。

草木染めの手順をざっくりと解説すると、以下の通り。

1)染料となる草木を細かく刻む
2)刻んだ草木を煮出して染液を作る
3)染液を濾す
4)生地(または糸)を染液や媒染液に浸ける
5)染めた生地を洗い、脱水して乾燥させる

くらしずくのワークショップでは、鮮やかな赤色に染め上げることのできる蘇芳を染料に用いたストール染めを行う。

「1回染液に浸しただけではそれほど濃く染まらないんです。よく参加された方が『えっ?』って表情されますけど」

と笑う森さん。繰り返し染めることで、だんだんと色味を増していくのだそうで、その染める回数を自分で調整して好みの色合いに仕上げるのが草木染めの魅力の一つとも。同じ蘇芳という染料を使いながらも、さまざまな色を生み出せるのだ。ワークショップではぜひ、色の変化、色彩の多様さも体感してみたい。

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染料に蘇芳を使い、2〜3回ほど染めた生地

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キブシの実をすり潰す。キブシを煮出した染液は、天然染料では珍しく黒系の色に染めることができる

普段から草木染めの魅力を伝えるために奔走される森さんだが、元々は草木染めというよりも、蚕の繭から一本の糸にして巻き上げられた「座繰り糸」に魅せられたのが始まりだった。

「雑誌に掲載されていた絹の糸の美しさに惹かれたんです。座繰り糸は機械で作られた糸とは違って、ゆらぎのある質感で光沢があって。自分で糸を作ってみたいと思ったんです」

思い立ったらすぐに行動へ移す森さん。仕事を抱えながらも群馬県前橋市にある養糸試験場に通い始め、その後はさらに、知識と技術を深めるために東京農工大学博物館の絹研究会に入会。そこは、実際に蚕を飼い、座繰りを行う本格的な研究現場だった。
研究員で座繰りを実践し始めた森さん。そこで、出会ったのが草木染めである。

「糸を繰ると白い糸ができます。ですから、当然色を付けようということになるんです。それで研究員の人たちは、草木染めをやっていたんですよ」

研究会で目の当たりにした、草木染めで生み出された色の数々。それは、これまで森さんが抱いていたイメージとは異なるものだった。

「草木染めというと、もっとくすんだ色だと思っていたんです。でも、鮮やかだったんですよ。それに、鮮やかな色といっても単色ではなくて、赤でもちょっとグレーが入っていたり、自然さが感じられるんです。心が穏やかになるような色。心をくるんでくれるような色合いだったんですね」

草木染めにのめり込むようになったのは、それからだった。

染料や染液に浸ける回数を変えれば色が変わるのはもちろん、同じ植物の染料でも、採取した場所や季節などで色合いが変わってくる。媒染に使う素材によっても染め上がりの色味は変わる。さらに、染めた生地を乾燥させると、染めている時に比べ、色がやや淡くなる。そうした中で、完成像をイメージしながら作業すること。


「それは、自分が無になれることなんです。ひたすら集中して、夢中になれる。辿っても辿っても奥深く、辿り着けないようなもの。それが、人を惹き付けるのだと思います」

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「染液→水→媒染液→水→染液…」の順番に、繰り返し生地を染めていく。媒染とは、染液の色を生地に定着させるための工程で、媒染剤にはミョウバン、鉄、アルミニウム、銅などが用いられる。

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森さんの色見本帳。同じ素材の染料でも条件を変えれば色の差が生まれてくる

いにしえから伝わる草木染め。終わりのない探求への道と、歩みを進める度に見つかるささやかな発見や喜びが、伝統を未来へと繋いでいく原動力になっているのかもしれない。

「草木染めは、草木を煮ている時も良い香りなんですよ。まずは染色に興味を持ってもらいたいですね」

そう言って森さんは微笑んだ…身にまとったストールの、鮮やかな色彩をその笑顔に重ねながら。

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「草木染めRitsu」を主宰する森利津子さん

取材・撮影:暮ラシカルデザイン編集室 沼尻 亙司
編集:くらしずく実行委員 三星千絵
協力:和雑貨 翠 白石 由美子

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《ワークショップ概要》[W4]草木染ストール手染め体験
教える人 森 利津子さん

草木染めの染液の作り方、染める工程、草木染めの歴史などを学び、その後、実際に各自でコットンのストールを染めていきます。
使用する染料は「蘇芳」。優しいピンク色が生まれます。
染めたストールは、その日にお持ち帰りいただけます。

全2回のうち、①または②のいずれかをお選びください。

【概要】
日時: 
 ①[W4]2019年10月13日(日)10:00~12:00
 ②[W4]2019年10月13日(日)13:30~15:30
場所:菅原工芸硝子内くらしずく2019ワークショップ特設会場「くらしずくスタジオ」
   (千葉県山武郡九十九里町藤下797)
定員:各回6名
費用:4,800円/人(当日現金にてお支払いいただきます)
対象:中学生以上
所要時間:120分
備考:染料を扱うため、汚れてもいい衣服でお越しください

お申込みはこちら。(要予約)

お申し込みはお電話でも承ります。
090-2403-1021(くらしずく ワークショップ担当・白石)

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くらしずく 2019

日時:2019年10月13日(日)、14日(月・休)
時間:10:00~16:00
場所:千葉県山武市九十九里町藤下797[Sghr菅原工芸硝子工房敷地内]


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kurashizuku

暮らしをより豊かにしたいと願う使い手と。 使い手の暮らしを想い、作品を生み出す作家と。 その双方が出会い、心を通わせることが出来る場をつくりたい。 そんな想いから生まれた新しい形のマーケットイベント『くらしずく』の実行委員会が綴っています。

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