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短編小説 【楽しいな】

私は最近高校生時代から思いをはせていた男性と結婚した。高校時代から裏では早く付き合えよいわれていたらしい。私はわかりやすいタイプだからばれていたけど彼はあまり感情を前に出していなかったので私以外知っていたと思うとはやく告白すればよかったなとおもう。


彼は友達に行ったときに口が軽いやつがいて学校中に出回ったらしい。私が彼のことを好きだってことを知っている友達にも回ってきたらしく私にはばらさないように仕向けてくれたらしい。もちろん彼にも私の気持ちは伝えないでくれたらしい。


でも結局どこからか情報は漏れてしまう。彼が私が彼のことを好きなことを知り、勇気を出して告白してくれた。
もちろんみんなの知っている通りあっさり付き合い始めた。


ゲーセンや遊園地、お互いの家でデートしたこともあった。
キャッキャしているカップルのようではなかったが充実したカップル生活をおくっていた。


5,6年付き合ってやっとの結婚をした。当時の友達もお祝いにきてくれる予定で着々と準備が進んでいた時彼から電話が来た入院することになったわ、
と。私は驚きすぎて数秒固まってから病院に向かった。


病院のベッドで横になっている、彼、いや夫が何本もチューブのようなものがつながれていた。医者曰くもうこのまま亡くなるかもしれないと言われた。当然信じられず夫を上から覗き込み

「本当に死んじゃうの?」

私は彼の顔を見て、本当に死ぬのかもなと思った。


結局夫は亡くなってしまった。結婚式も中止になってしまった。
彼は死ぬ前に私へ手紙を書いてくれていたらしい。


愛しの妻へ

俺がいなくなってもその後の人生を楽しんでくれ。
これ以上は何も言うことはないだろう。
愛してるよ


私は仏壇の前で毎回笑顔でお参りしている。
でも毎回ほほに冷たい何かを垂らしながら。


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