〜バミリ事件簿〜

※注意※
VALISの二次創作ショートストーリーです。
妄想の産物です。 
2023年6月19日配信のゆるばりすネタを含みます。
一応調べてはいるけど、二人称とか違ってるかも知れません。
ララ様とネフィ=サンがメインです。

大丈夫な人だけ本編へGO!!



本編↓


瓦利斯飯店開店前の店内、バックルームはただならぬ雰囲気に包まれていた。

「どうして、正座させられているか。分かるわよね?」

仁王立ちのララ、向かい合わせに正座で座る五人。
普段であれば開店準備に取り掛かる前、各々が自由にステージの練習やSNSを確認する時間なのだが、今日は違った。

ーーララがいつになくプンプンしている。

怒っているとか、熱くなっているとか、ましてや激昂しているというより、やはりプンプンしているという表現が似合う。

ララは六人の中でも特にステージに対する熱量が高く、練習中や反省会で熱くなる事は珍しい事では無い。
だからこそメンバーも、ララの熱量を真面目に受け止めるのだ。…普段であれば。

「…アンタたち、なにちょっと笑いそうになってるのよ!こっちは真面目なの!!」

ーー誰1人ララと目を合わせない。
この時、チノ、ミュー、ネフィ、ヴィッテ、ニナの5人はこう感じていた。

(((((いま目を合わせたら間違いなく笑いが堪えられない!!)))))

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ーーー
ーー

時間は遡り昨日。ステージの為の稽古が終わり、各々が忙しなく帰り支度を進めていた。

「ーーネフィ、ちょっとこっち来て」
ミューがネフィに耳打ちをする。促されて向かった視線の先にはララ。忘れ物が無いか、自身のバッグを念入りに確認するララの姿があった。
「どうしーー
どうしたの?と訊きかけて、ネフィはミューの意図を理解した。

ミューの指さす先、ララの臀部に掌ほどのテープがバッテンになり張り付いている。

ステージ上でお互いの立ち位置や中心点などを確認するための印、所謂バミリだ。

ララは恐らくそれに気づいていない。

「秘密にしてね?」

ミューは人差し指を口元に運んで続けた。

「ゆるばりすが始まるまで内緒よ?」

「ゆるばりす」というのは普段のステージとは趣向を変えた、トーク中心のストリーミング配信イベントの事だ。今日の担当はララとネフィ。

ネフィはいつにも増してイタズラっぽく笑みを浮かべて、ミューにサムズアップを送って「承諾」の意を伝えた。

ミューも珍しくイタズラな笑みを浮かべ、サムズアップで返すと、拳をコツンと軽くぶつけた。ミューは引き続いてネフィの時と同様にチノやニナ、ヴィッテに耳打ちして回っていた。

そして「ゆるばりす」へと繋がるのだった。

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ーー

回想終わり

「ーーで、誰がやったの??」

「ヴィッちゃんじゃないよ?レッスン中にくっついちゃっただけだと思うナノ」

「そんな訳ない!だって練習着じゃなくて私服に着いていたのよ!絶っったいに着替えた後に付けた奴がいる!!」

一撃で論破され、ハワァと声にならない声を出すヴィッテ。そんなヴィッテを慰めるように撫で回しながらミューが尋ねる

「配信でも言っていたように、私たちはスキンシップが多いから、いつ貼り付けられててもおかしくは無いわよねぇ?私じゃないけど」

「ふむ…。そういうことなら着替えの後に、ララにボディタッチをしたメンバーが怪しいんじゃないかい?私じゃないけど」

「確かにチノの言う通りね。えっと…」

ララが顎に手を当て、昨日の事を思い出し始める。
その瞬間、五人はアイコンタクトを送り合い、ニヤリと笑う。

「……私昨日、着替えた後も全員からボディタッチでスキンシップされてる…。」

(そう!これがVALISの諸葛孔明(自称)ことチャンニナの作戦!!!みんなで触ってカモフラージュ作戦!)

(やるわね!ニナ!)

(ハワァ…)

「つまり、全員が平等に犯人って事でいいわね?連帯責任よ。」

その日、VALISの諸葛孔明(自称)は敗れた。

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ーー

「あ、あのーララ様?ネフィさん達、とーっても反省したので、そろそろ瓦利斯飯店の開店準備に入った方がいいんじゃないかにゃ…?」

五人の内ニナとヴィッテは既に脚のしびれに耐え兼ねて、ぐでんと寝転がり、ミュー・チノ・ネフィも小刻みにぷるぷると震えながらララのお説教時間に耐えていた。

「あら、もうそんな時間なのね。じゃあみんな立ちなさい!開店準備始めるわよ!」

パンパンと手を叩き起立を促すララ。しかし誰一人として立ち上がれるメンバーはいない。皆、足が痺れて産まれたての小鹿状態である。

「なによ、だらしないわね〜!鍛え方が足りないんじゃないの??」

鍛え方が足りない。そのワードに少しムッとしたネフィがララを煽る。

「え〜、今もおけつにバミリついてるのに気づいてないララに、だらしないって言われたくありませ〜ん!」

小鹿状態で立ち上がれないまま、べーっと舌を出した。

「嘘っ!!??」

「うっそぴょ〜ん」

「ネフィ!!!」

お説教のターンが延長されるかと思ったその時、ガチャりとバックルームのドアが開き、聴き慣れた声が六人を呼ぶ。

「はいはい!皆さん!お仕事の時間ですよ〜!!って、なにがどうしてこうなってるんです??」

プンスカしているララと五匹の小鹿を目の当たりにして、困惑しているのはVALISのディレクター(兼マスコット??)に当たる立ち位置の白いネズミ、操桃だ。

「ごめんね、ソート…チャンニナたち、もう少ししたら動けるようになるから…」

「うぅ、ヴィッちゃんは無理ナノ〜…」

寝転がって謎の弱音を吐く2人を眺め心底困惑したように操桃は呟いた

「全くだらしない…おや??」

操桃がまじまじとララの顔を、正確にはおでこの辺りを見つめる。

「ララさん、あなたおでこにバミリが貼ってありますよ?お客様の所に出る前に剥がしておきなさいね」

「なっ…!!?」

みるみるうちにララの顔が赤くなり、耳としっぽは毛が逆立っているように見える。

「…だから皆ララと目を合わせなかったのね…??」

危機を察知したチノとニナは能力を使って逃げ出し、ミューは耳栓を創り出して耳にはめ、ネフィとヴィッテは…普通に耳を塞いだ。

「あんた達ーーーー!!!」


ーーその日、深脊界中に怒号が響き渡った。


おーわぴ

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