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小説 オーズ Anything Goes! 6

復活のコアメダルの続きを(勝手に)描いた2次創作です。あくまで続編であることをご理解下さい

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2021年7月7日 警視庁

「すまない、急に呼び出しておきながら、久々の再会がこんな場所で」

スーツを纏った男の名は泊進ノ介、そして彼の前に座っているのは指輪の魔法使いこと操真晴人である

「問題ないさ。俺も何回か来たことあるし」

「大門刑事と関わりがあるんだったな。実は俺と彼女を含む5人が先週から特別チームを組んでいるんだ。うち、2人は変身できてそれぞれ1人ずつサポーターが付いて行動することになるらしい」

晴人は進ノ介を見て尋ねる

「ドライブには今変身できないから、泊はサポーターの方か?それとも…」

「そう、そのそれともの方だ。俺は1人で今起きている一連の事件の根源を探ることを命じられたんだ。サポートは警視庁が行なってくれるらしいんだが、そうも言ってられないみたいなんだ。これを見てくれ」

進ノ介はとある写真を晴人に見せた

「これは数日前、俺の仲間が撮った写真だ。こいつらに見覚えはあるか?」

晴人は驚いた顔で頷く。その写真に映り込む2人の怪人のうち、1人に見覚えがあったからだ

「あぁ、こいつは俺とフォーゼが倒したはずのアクマイザーだ…こっちの奴は知らないな…」

「こいつは2011年、そのフォーゼとオーズという仮面ライダーによって倒された元財団X所属のレム・カンナギ。またの名を超銀河王」

どちらの怪人にもフォーゼが関わっていることに驚きを隠せない晴人は口を開いた

「フォーゼは怪人を復活させるようなことはしない、絶対にだ」

「俺も完全には疑っていない。そして実はフォーゼと一緒に戦っていたオーズというライダーに、今回の作戦に関わっている2人が2011年当時接触している」

「じゃあオーズがこいつらを復活させたと?」

晴人の眼差しを受け止めながら進ノ介は言葉を続けた

「いや、2人が言うには、オーズではない別の人物にやりかねない人は居るらしい。ただ丁度ヨーロッパに行ったばかりらしく、それでも怪人の目撃情報が後を絶たない以上、違うと判断せざるを得ないらしい」

「なるほどな…アクマイザー達は結局そのまま、倒されていないのか?」

「ああ、今は大きな動きは見せていない。まるで何かを待っているかのようなんだ。本来警視庁の上層部に伝えるべきだが、奴らが何か企んでるかもしれない以上まだ動けない」

晴人は立ち上がり静かに声を上げる

「じゃあ俺が倒す。こいつらが野放しにされている状況は余りに危険すぎる。泊、場所を教えてくれ」

「待ってくれ、最終的には頼るつもりだ。でも、今はまず関連する情報を集めるのが先だ。どこかのタイミングでフォーゼに話を聞いて来て欲しい。頼れるのは晴人だけだ」

進ノ介がここまで晴人に頼み込む理由は二つ。一つはかつて一緒に戦った仲間であること。そしてもう一つはその中で唯一フォーゼと接点がある男だからである

「そしてもう一つ頼みがある。もし俺の目の前で命が危険に晒されている市民が居たとしても、今の俺にはきっと守り切る事ができない」

「変身できなくても、泊は仮面ライダードライブなんじゃないのか?」

「あの時は神様のおかげで力を使えたけど、いつもそうではないだろ?だから晴人、俺とある程度一緒に行動して欲しいんだ」

進ノ介の真剣な眼差しに晴人は頷いた。これにより今回の作戦に新たなコンビが誕生したのである


そして時は流れ、現在…の数十分前

「わりぃ、体見といてくれてサンキュー」
「いや、問題ない。天ノ川学園都市ももうすぐだな」

起き上がった俺は再びテディをバイクの後部に乗せて走り出した

「そういや、お前。夢見町で降りなくて良かったのか?まぁ今は後輩に会いに行くのが先だからな、用が済んだらまた連れてってやるよ」

「ミツルくん、元気にしてるだろうか…」

テディが何やら独り言を呟いているが、よく聞こえなかった。そして数分後、俺達は天ノ川学園高校の校門前に到着した

そんな時、フィリップから電話があった。どうやらあいつの探していた仮面ライダーはウィザードではないらしい

残る選択肢はゴーストとクローズ。後輩が知っていればいいんだがな。フィリップからの電話を切ると俺は後輩に電話を掛け、校門前に呼び出した

「よお、久しぶりだな、弦太郎」

「おおお!先輩!久しぶりッス!…と、えええぇ!?先輩、何でイマジンと一緒に居るんスか!?まさか、契約したんじゃ…?」

流石仮面ライダー部の顧問をやってるだけの事はあって、仮面ライダーに関するある程度の知識はある。これは期待できそうだな

「契約?依頼を引き受けたことか?つか、やっぱり詳しいんだな。まぁ話せば長くなるんだが、訳あってこいつの依頼を引き受けててな。大丈夫だ、悪い奴じゃねぇ」

「先輩がそう言うなら、信じるッス。俺、全ての仮面ライダーと友達になる男!如月弦太郎だ!お前がいいイマジンなら、お前とも今からダチだ!宜しく!!」

「テディだ。宜しく頼む」

弦太郎が友達の印とやらをテディに無理矢理させた後、俺は弦太郎に依頼の詳しい内容を話した

「ゴーストとクローズ、2人とは4年くらい前に一緒に戦ったことがあるッスね。エニグマだか何だったか忘れたけど、そいつを止めるために財団Xと」

「俺の知らないところで財団Xと戦ってたのか。まぁでも、頼りんなるぜ。で、2人とはすぐ会えるような関係なのか?」

「んや、あれ以来会えてねぇッスね。それに、クローズの方は実は別世界の仮面ライダーなんスよ。力になれなくて、すんませんッス…」

別世界…世の中には不思議な事があるもんだな。ただ、これじゃ振り出しだ。何か一つだけでも情報があるといいんだが…

「さっき私がイマジンだと分かったのは、仮面ライダー部で電王について調べた事があったから、ではないのか?」

弦太郎はテディの質問に頷き言葉を続ける

「あぁ、2年前に卒業した元ライダー部の生徒が電王について調べて資料を纏めてたんだ。そういやそこに青くていいイマジンが居ると書いてあった気が…」

「それだよ、弦太郎。他の生徒でクローズ…は別世界のライダーだから無理だとして、ゴーストについて資料を纏めた生徒は居なかったか?」

「あ、絶対居たッス!部室まで案内するッスね!」

そういって弦太郎は俺とテディを仮面ライダー部の部室へと連れ出した


「2年前のライダー部の卒業生は6人。1人は夢見町の方から転校してきたんスよ。そいつが電王について纏めていたんス。どこ行ったかな…あった、これこれ」

弦太郎が俺に渡した資料には確かに電王やイマジンに関する情報がびっしりと詰まっている。俺はそれをテディに手渡した

「どうだ、その情報…合ってんのか?」

「うむ、凄くよく纏められている!本当に凄い、私達くらいしか知らない情報も書かれている。一体誰が纏めたのか、是非とも会ってみ、た…」

テディの言葉が途切れると、数秒後驚いた様子で声を震わせながら言葉を続けた

「ミツル、くん…なのか…?これを纏めたのは」

「なんだ、ミツルの知り合いなのかよ!あいつ、元気にしてるかなぁ。親父さんが科学者でな、その手伝いをするんだって張り切ってたなぁ」

どうやらその資料をまとめた張本人こそがテディの探してた人らしい。どんな偶然かは知らんが、連れて来て正解だったようだな

「ナオキくんも懐かしいな…すまない、ここにミツルくんを呼ぶことは出来ないだろうか。私はどうしても久しぶりに彼に会いたいんだ」

「分かった、放課後に来れるか電話で聞いとくぜ。そんで先輩、ゴーストについての資料だが、あったぜ。こいつも2年前の卒業生の三郎が纏めた資料だ」

俺は弦太郎から資料を受け取る。どうやらゴーストの変身者は大天空寺とかいう寺に居るらしい。フィリップと合流したらあいつに伝えてやるか

「助かったぜ、弦太郎。ありがとうな」
「ういッス!」
「ういッスゥ!!」
「ういッス!!!」

「ういッスゥ!!!!…って、映司が居ねぇから誰も止めねぇじゃねぇか」

「映司さん、懐かしいッスねぇ…実はさっき言ってた4年ほど前の戦い、映司さんも一緒だったんスよ。元気にしてるかなぁ」

俺と弦太郎の会話にテディが資料から目を離した

「映司…オーズのことかい?」

「お前も知ってんのか、テディ。俺とフィリップと弦太郎、そして映司。俺達は10年ほど前に一緒に戦った仲だ」

「知ってるも何も、依頼人のアンクくんは火野映司くんの仲間じゃないか」

アンク?アンク…どっかで聞いた事があるような…

「あああああぁぁぁぁ!あの腕か!!…って、えええええ!?あいつがあの腕なのか!?」

忘れもしない。10年前、俺達と映司が仮面ライダーコアと戦いに地球内部の泉へと向かった時に見た宙に浮く腕を

フィリップがどこかで会ったことがあるって言ってたのは、こういう事だったのか。似た者同士って言ってたのも、今では何となく分かる気がする

「…先輩、どうかしたんスか?」

「んや、何でもねぇ。それよりテディ、俺はフィリップと合流したら一先ず大天空寺に向かうが、俺達が奴を監視するって約束すればお前はここに残るのか?」

テディは迷いながらも俺の問に頷いた

「すまない、ミツルくんに会うためにも私はここに残る。アンクくんには宜しく伝えておいてくれ。ミツルくんと会えたらまた後で合流しに向かう」

「わかった。じゃあ弦太郎、助かったぜ。また頼りにしてるぜ、後輩」

「ういッス!」

そうして俺は1人、天ノ川学園高校を後にし、校門でフィリップとあいつが来るのを待つことにした


仮面ライダー部・部室

「んじゃ、ミツルに電話してみるか」

そういって如月弦太郎はミツルくんに電話を掛けた。会うのは10年振りか、凄く楽しみだ。それにしてもどの生徒も資料をよく纏めている

『仮面ライダー電王について ミツル』
『仮面ライダー鎧武について 近藤大太』
『仮面ライダードライブについて 根津誓夫』
『仮面ライダーゴーストについて 風田三郎』
『仮面ライダーエグゼイドについて 小巻瑠美』
『仮面ライダービルドについて 大木美代子』

ん?これは…

「おう、じゃあ1時間後に天高の校門前で待ってるぜ…ミツル、来れるってよ」

「あぁ、凄く楽しみだ。すまない、何か落としてしまったようだ…」

『仮面ライダーオーズについて 若葉駿』


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