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小説 オーズ Anything Goes! 4

復活のコアメダルの続きを(勝手に)描いた2次創作です。あくまで続編であることをご理解下さい

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高校だと?こいつ、ふざけてるのか?

「ガキの集まる場所に仮面ライダーの情報があるわけねぇだろ」

俺が黒い男の回答に対して強めの口調で返すと、緑の男が口を開く

「仮面ライダーフォーゼ、如月弦太郎。彼は天ノ川学園高校で仮面ライダー部を立ち上げ、今はその部活の顧問をしている」

「天ノ川学園都市か…確か向かうにはもう一度夢見町を通るはず。すまない、私からも追加で一件依頼してもいいだろうか…」

青鬼が黒い男と話している最中、緑の男が近付く

「照井竜が今一緒に行動している刑事、大門凛子。彼女はウィザードの協力者だったはずだ」

後藤といい、信吾といい、意外と仮面ライダーと警察には接点があるようだ。恐らくこいつらの言う照井なる人物も、警察の一人なのだろう

「つまり翔太郎は仮面ライダーに詳しいフォーゼに、僕達は君が探しているのがウィザードかどうかを確認するために、彼女に会いに行くというわけだね」

確かにこいつらが別々に動けばそれだけ早く情報が掴める、もしくは絞り込めるというわけか。なるほど、これが探偵って奴か

「…分かった。仲良くなったついでだ、一緒に来い」

黒い男が青鬼を誘うも、青鬼は首を横に振る

「すまない、私には幸太郎との大切な約束が…」

「男の仕事の8割は決断だ。そこから先はおまけみたいなもんだ…おやっさんの教えだ。会うチャンスは今しか無いんだろ?どうするかはお前が決めろ」

そうだ、俺もこっちの映司を救うと決断してこの世界へとやってきた。それも信吾と知世子の奴の後押しがあってこそだった

『別世界の映司くんがこっちの映司くんと同じ運命を辿るのはアンクも嫌だろ?だからそうなる前にアンクなら止められるんじゃないかなって』

『きっとすぐに戻って来れるんだから、一回試しに行ってみればいいじゃないの。大事なのはまず行動する事よ?』

だがもし、こっちの映司の運命が、俺が来た事が原因で変わってしまっていたとしたら?俺は何のために…

「分かった、私も連れて行ってくれ。その代わり…」
「おいフィリップ、そいつの見張り頼んだぞ」
「ああ、任せてくれ」

俺が考え事をしている内に黒い男は青鬼を連れて、天ノ川学園高校という高校へと行ってしまった

「もしもし、照井竜かい。忙しい所悪いんだけど、もう一度君と大門刑事に会いたい。…いや、今度は翔太郎ではなく僕と、もう一人依頼人がね」


緑の男に連れられ俺はとある喫茶店へと入った

「すまないね、リリィ白銀。貸切にしてもらって」
「いいのよ、竜くんとも会えるし」

10分くらい経った頃だろうか。赤い服の男と、指に桁違いな大きさの指輪をした女が店に入ってきた

「やぁ、照井竜。態々呼び出してすまない」
「問題な…」
「竜く〜ん!」

店番をやっていたリリィ白銀とかいう女は、赤い男を見るや否や奴の方に飛んでいった

「リリィ、所長に怒られる。よしてくれ」

隣の女刑事が怪訝そうな目で赤い男を見ている。しばらくして俺と目が合うと驚いた顔で俺に話しかけてきた

「あら、泉刑事もいらっしゃったんですか。数日会わない間に随分とイメチェンされたんですね。後藤刑事はご一緒では?」

こいつら、刑事なだけあって信吾と後藤に関わりがあるのか…面倒だが今は話を合わせるしかないか

「あぁ、後藤くんは…」

「何を言ってるんだい、彼は君の知り合いの刑事なんかではないよ。彼は過去その刑事の身体を使って生きてきた、元は人間ではない存在だ」

緑の男が口を挟む。余計な真似を…こいつが隣に居ると妙に調子が狂う

「フィリップ、こいつはドーパントだというのか?」
「いえ、今の証言だとファントムの方が近いかと…」

赤い男と女刑事は一歩背後に下がる。相当俺を警戒しているのだろう

「何を恐れる必要がある、照井竜。彼は僕と同じさ、元は人間でなくとも、少なくとも今は命を持っている。それに彼こそが今回の依頼人だ」

緑の男がそういうと2人は渋々頷き席についた

「まぁ、フィリップが言うからには大丈夫なんだろう。それで要件は何だ、簡潔に答えろ」

「彼は今人を探しているんだ。大門刑事、だったね?君は以前ウィザードと行動を共にしていただろう」

女刑事が頷くと緑の男は話を続けた

「ウィザードにはウォータードラゴンという青い龍の姿がある。そして彼が探しているのも青い龍の仮面ライダーなんだ」

「つまり貴方が探しているのが晴人くんかもしれない、ってこと?でも晴人くん、最近は変身していないわよ」

俺があのライダーを見たの出来事は実際には4年前に起きているはずだ。こいつの言う晴人とやらが4年前に変身した以降変身していなくても、別に矛盾はない

「俺が見たのは数年前だからな。悪いがそいつを呼んでくれないか。俺が1番会いたい奴に近づくための手掛かりになるかもしれん」

「フィリップ、人を呼ぶために俺達を呼んだのか?俺達が今どれだけ忙しいか、前にも伝えただろう。そもそもこいつの1番会いたいという奴を聞き出せばいいだけの話なんじゃないのか!」

赤い男は席を立ち上がり緑の男に怒鳴り付けた。その後女刑事は俺に向かって言葉を放った

「そうね、そもそも泉刑事の格好をしているなんてやっぱり怪しすぎるわ。悪いけど、一度一緒に署まで来て貰うわよ」

女刑事も立ち上がり俺の座る席の前に移動した直後のことだった。途轍もない爆音が外に響き渡る。店番の女が声を上げる

「ドーパントか!?フィリップ、リリィと大門刑事を頼む!」

そう言い残し、赤い男は店を飛び出した。しかし緑の男は赤い男の言葉を無視して立ち上がり、自分の腰にドライバーを巻き付けた

「翔太郎、すまない。事件だ。今照井竜が1人で敵と戦っている。僕もファングで応戦したい。今大丈夫そうかい?」

こいつは何を1人で呟いてるんだ?そんな事を思っていると女刑事は俺に向かって言葉を放った

「分かったわ、今ここに晴人くんを呼んであげる。状況が状況だし、自分の目で確かめなさい。その代わり危険だと判断したら貴方を署まで連行するわ」

「あぁ、いいだろう」

俺も一緒に戦いたかったが警察が2人居る状況でグリードの姿になれば、戦闘後の次の標的は間違いなく俺だ。ここはこいつらに任せるとしよう

「もしもし、晴人くん…!今───」
「ありがとう、翔太郎。すぐに終わらせる」

女刑事が俺の目的の相手に電話を掛けたところで俺と緑の男は外へと飛び出した。外では赤い仮面ライダーが戦っている。恐らくさっきの赤い男だろう

「行くよ、翔太郎!」

そう独り言を呟く緑の男のベルトの片方のスロットに何やら黒いメモリが出現した。すると何処からともなく小さく白い恐竜が現れ、それを簡単に変形させると、もう一方の空いたスロットへと装填した

『ファング!ジョーカー!』

白と黒が半分ずつ…オーズは縦に3つだが、奴は横に2つらしい。そうして半分こライダーに変身した緑の男は赤い男の援護に向かった

「フィリップ!?2人を頼むと言っただろう!」
「大丈夫さ、後で増援も来るはず」
「何だっていい、さっさとドーパント片付けるぞ!」

とこからともなく黒い男の声がした。辺りを見渡しても見つからない。青鬼みたいに剣になっているのか?まさかあの赤いライダーが持っている剣が…?

2人のライダーがドーパントと呼ばれる敵と交戦しているのを俺は黙って見ていた。あの2人も誰かを守るためなら自分の命を投げ捨ててまで助けるのだろうか

俺が独り考え事をしている間に、敵は相当のダメージを負っていた。そもそも2対1だ、オーズとバースが組んでいるのと似たような状況だろう

「フィリップ、メモリブレイクだ」
「あぁ、翔太郎。照井竜も準備はいいかい?」
「俺に質問をするな!!」

『ファング!マキシマムドライブ!』
『エンジン!マキシマムドライブ!』

半分こライダーは空中に飛び上がり回転しながら敵へと攻撃をする。その後赤いライダーが敵に飛び掛かり手持ちの剣でAの字を描き攻撃した

「はぁ!ファングストライザー!!」

「絶望が、お前のゴールだ!」

2つの攻撃を受けた敵は体内から奴らが変身に使っているメモリとはまた別の種類と思われるメモリを排出し、そのまま爆発した

「ありがとう、翔太郎。助かったよ」
「んや、問題ねぇ。そんじゃ、また後でな」

なるほど、半分こライダーは黒い男と緑の男が半々ずつ力を合わせて戦うのか。赤いライダーの剣は何でもないただの武器だったってわけだ

2人が変身を解除し、赤い男が排出されたメモリを拾い上げる

「見たことないDのメモリだな」
「恐らくDespair、絶望のメモリだろう」

メモリにも一つ一つ意味があるらしい。コアメダルとも通ずる部分がある。赤い男が言っていた絶望がお前のゴールという言葉、あながち間違いでもなかったらしい

「…戦いの後って、1番油断してるよなぁ!」
「っ、おい!!」

刹那、途轍もない殺気を察知した俺は赤い男に叫んだ。爆炎の中、メモリを排出した奴は赤い男にナイフを突き刺した、かに思われた

『バインド!』

「おいおい、野暮なことはよせよ。そういうの、あんまり良くないぜ」

爆炎が晴れると、そこには宝石の様に輝く赤いライダーが男の腕を鎖で抑えて立っていた。それを見た瞬間、いつの間にか後ろから見ていた女刑事が叫んだ

「晴人くん!」
「おお、凛子ちゃん!遅れて悪い…!」

晴人、つまりあいつが青い龍のライダーに変身する力を持っている男?見たところ、俺が一瞬見たライダーとは違って見えるが…

「絶望の力でなんて戦うな」
「お前に何がわかる!俺にはもう…」

「俺がお前の、最後の希望になってやるよ」


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