めいりらいと

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ぼっちと人ごみのはなし。

私は人ごみが好きだ。 その中にいれば、私も間違いなくこの風景の一部だと実感できるからだ。 子供の頃から、友達がいない性格だった。 成長してからは人といると常に気疲れしてしまい、そのせいでインターネットの中にしか友人と呼べる人間はいない。 だから友人の結婚式なる行事に参加したことはないし、職場以外の飲み会だって年に数回あればいいほうだ。 それをどうにかしようと自分なりに努力してみたが、すればするほど疲れるだけだった。 今まで気の合う人間、波長の合う人間と言うものに出会ったこと

    • 【小説】アダチ区がなくなった日

      ある日、俺は生まれ故郷を失った。 とある一人の政治家が、「同性愛者がいればこの町は滅びる」と発言したのがきっかけだった。 そんな言葉は、まぁごまんと浴びせられてきたのだが、今回いけなかったのがその政治家が実は稀代の天才科学者で大金持ちだったことである。 彼はアダチ区にスカイツリーに負けない巨大な鉄塔を立て、そこから電波を発信した。それは「同性愛者にアダチ区が認識できなくなる」と言う影響を与える、妙な電波だった。 ニュースを見て、俺は慌てて一人暮らしをしていたコウエンジから実家

    ぼっちと人ごみのはなし。