コロナビールは400字の祭の夢を見るか

まもなく、気泡が完全に抜ける。
コロナビールに浮かぶ泡は、全て世界だ。
お祭りのようにしゅわしゅわと、生まれた400字の泡。
始まりだけを刻まれた、まだ生まれる前の世界。
普段は物語なんて書かない人も、物語を書くのが趣味の人も、物語を書くのが生業の人も熱量と空想が詰まったこのコロナビールは、もう少しで終わる。

「楽しかったなぁ。」

この無数に浮かんだ世界のうち、いくつがこのまま消えていくのだろう、どれだけ残るのだろう。
それはきっとわからないが、誰かの内側で燻っていたものが一瞬でも燃え盛ったのだ。
形になるはずのない、本人でさえくだらないと思っていたものが、泡と言う形で産声をあげたのだ。
人々はなんてことないことを口に出しながら、ナチョチップスの袋を開き、ライムを切る。フレッシュサルサもチーズも用意しよう、ヘルシーもジャンクもどちらも美味しい。
さぁ、栓を開けよう。瓶にライムをつっこんで。

「なんでもない日、おめでとう!」

【祭りは終わる、けれど、明日は続く。たとえ二日酔いだとしても】

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