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キンカメ、ボリクリ、ロブロイ、ハーツのカルテッドがもたらすパワー増幅効果(前編)

 今回の記事は、4年前に投稿した血統論に関連するお話です。当時はエピファネイアの配合論として書いたのですが、実際はエピファにかぎらず、多くの配合で活用されています。あらためておさらいしつつ、血統界全体の内容として書き直すことにしました。
 


 いまの血統界は、パワー増幅効果をもたらすパターンとして、ある4頭の種牡馬によるカルテッドが存在感をみせています。

  1. キングカメハメハ

  2. シンボリクリスエス

  3. ゼンノロブロイ

  4. ハーツクライ


 この4種牡馬はみな血統内にパワー血脈を内包しています。具体的な血脈名を言うと、キングカメハメハは『セックスアピール』、シンボリクリスエスは『トリアルゴ』、ゼンノロブロイは『アイパス』、ハーツクライは『マイビューパーズ』です。
 


 注目したいのは、その血統構成。実はセックスアピールもトリアルゴも、アイパスも、マイビューパーズも、使っている血がほとんど一緒なのです。各血脈の詳細を以下にまとめましたのでご参照ください。
 

セックスアピール(キングカメハメハのパワー源)

 ウォーアドミラル3×4、ラトロワンヌ4×5を内包。くわえてアリバイの血も兼備したパワー血脈です。


トリアルゴ(シンボリクリスエスのパワー源)

 2本のウォーアドミラルをはじめ、ラトロワンヌ、アリバイ、エイトサーティなどのパワーによって構成されています。


アイパス(ゼンノロブロイのパワー源)

 ウォーアドミラル3×5、ラトロワンヌ4×5を内包。アリバイ、エイトサーティの血ももっています。


マイビューパーズ(ハーツクライのパワー源)

 上記3血脈との共通点はウォーアドミラル、ラトロワンヌくらいしかありません。関係性の近さという意味では、少し離れた存在です。ただし個人的な感覚としては、おなじ仲間に入れても差し支えないくらい、3血脈との親和性が高い血だと感じています。


 これらのパワー血脈を組み合わせると、ニアリークロスやそれに準ずるレベルの脈絡が発生することになります。たとえばキングカメハメハにシンボリクリスエスを組み合わせると、それぞれのパワー源であるセックスアピールとトリアルゴがニアリーで繋がるというわけです。キンカメ×ボリクリだけではありません。キンカメ×ハーツ(セックスアピール≒マイビューパーズ)、ボリクリ×ロブロイ(トリアルゴ≒アイパス)などでも同様の仕組みが発生します。このようにパワー増幅カルテッドの4種牡馬をうまく活用することで、屈強な筋肉を身につけた活躍馬が今は多いのです。

 シンボリクリスエス直仔の種牡馬であるエピファネイアが、母の父キングカメハメハからデアリングタクトをだしたこと。また母の父ハーツクライからエフフォーリアをだしたこと。さらに母の父ゼンノロブロイからイフェイオンをだしたこと。使っている血は違いますが、やっていることはすべてボリクリ内のトリアルゴの増幅。核となる部分は一緒です。

 おなじように、キングカメハメハ直仔の種牡馬であるロードカナロアが、母の父シンボリクリスエスからレッドガランをだしたのも、上記の理屈が大きく関係しています。母の父ハーツクライからも・・・と、いちいち書くと大変なので、主な該当馬を表にまとめました。



 今回はここまでです。次回は発展型として、今後の展望と、いくつかの補足を書いていこうと思います。


※つづきはこちら


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