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関東の乗ったことが無い路線 相鉄新横浜線といずみ野線

東京都民にとって相鉄線ほど縁がない路線はない。東京から一番離れた横浜市の住宅街エリアを結ぶ地元民の日常生活のためのローカルの路線なので、沿線に用事が全くない。本線については以前海老名へ行く用事で利用したことがあるけれども、この度新規開通していて話題になっていた新横浜線と、本線ではないいずみ野線を乗ってみました。

新横浜線

よもやターミナルのはずの横浜駅方面がおまけのような路線図の見せ方。

新横浜線は記憶に新しい、2023年3月18日開業の東急と相鉄が新横浜を介して直通する路線として開業した6.3kmの路線。2019年には西谷駅と羽沢横浜国大駅の区間で先行開業しており、湘南新宿ラインが通るルートに合流して新宿駅や埼京線の大宮駅、川越駅まで直通するようになっていた。そしてこの度、羽沢横浜国大駅と新横浜駅の区間が新横浜線として全面開業して、東京東横線・目黒線、東京メトロ副都心線・南北線、都営三田線、さらには東武東上線や埼玉高速鉄道にまで乗り入れることになり、横浜のローカル私鉄から(分類上はこの路線開業前から大手私鉄ですが)東京都心へ直通する広大なネットワークに組み込まれる大変貌を遂げた路線になったわけ。

東急新横浜線のカラーは紫、相鉄新横浜線は相鉄カラーのブルー。
そうにゃんとのるるんが仲良く並ぶ。

この路線が計画された背景として、横浜が「横浜」という都市としての求心力に伸びしろがないという問題がある。横浜市は都市の性質上東京のベッドタウンとして人口が激増してきた歴史があり、特にそれは海がない横浜エリアではより顕著で、沿線発展=東京へのアクセスの良さとなる。相鉄線は横浜駅にしか行けないのが一番のネックであり、東京都心へ直通することが発展に必要だったということ。その1つの集大成が新横浜線になる。

ぱっと見で乗りこなせる気がしない。
新横浜駅南改札が相鉄管轄。

実際に新横浜線が開通した後には全列車が止まる二俣川駅の横浜駅行きの本数の半分近く(平日朝7時~9時ラッシュ52本中25本)が新横浜線方面行きになっていて、横浜駅方面は減便となっている。前後にコロナ禍があるため利用者数で単純比較はできないものの、2022年度相鉄線横浜駅の1日平均乗降者数は約30万人、一方開業間もない2023年4~5月の新横浜線の利用者数は1日平均約9万人で、まだ2023年度の横浜駅の利用者数の数字がわからないけど2~3割は移行していると考えられる気がする。

一方、直通することで遠方の遅延の影響を受けるようになったり、横浜駅を利用する人にとっては本数減で着席機会減や混雑増加などの指摘もありこれからどのように浸透していくのか注目したい。

日吉駅から東急新横浜線が分岐し相鉄線へ直通する。

いずみ野線

相鉄いずみ野線は相鉄本線の二俣川駅から分岐し、路線名ともなった泉区中心部のいずみ野駅、いずみ中央駅を経て藤沢市の湘南台駅に至る路線。全長11.3kmの小規模な路線。開業もかなり新しく本線が1933年に横浜駅と海老名駅間で開通しているのに対して、いずみ野線は最初の区間が1976年、湘南台駅まで開業は1999年とかなり最近。

二俣川駅からいずみ野線方面を望む、真ん中の2本がいずみ野線、外側が本線。
二俣川駅では基本的に本線といずみ野線が向かい合わせで接続している。これは東急3000系、地下鉄直通想定なので戦闘車両に窓がなくて前面展望できない。この後行程が決まっていたので1本逃すこともできず、つまらない。
相鉄新横浜線直通もできる最新の21000系。

沿線は自他共に認める典型的なニュータウン。横浜市西部の多摩丘陵と相模野大地を切り開いた新興住宅街を通る新しい路線なので、踏切が1つもなく、高架とトンネルが交互に出現する。そもそも駅名が丘陵地帯を開発しました感満載。

「いずみ」は和泉川が由来でもあるし、万騎が原は一応鎌倉時代の戦場に由来するらしいし、弥生台は弥生時代の遺跡が出土したことに由来らしい。終点の湘南台駅は唯一藤沢市で、これも湘南北部にある台地に由来・・・。
弥生台駅。駅は地上、すぐトンネルの繰り返し。
いずみ野駅は開業最初期の終点。線路は台地を掘割していて町は上に広がる。

路線名にもなっている通りいずみ野駅やいずみ中央駅は和泉区役所も近接するこのエリアの拠点となっている。ゆめが丘駅前は田畑と空き地だらけだったのが、相鉄グループの一大拠点として大型商業施設を建設中でかなり注目されている。少し離れたところに横浜市営地下鉄ブルーラインの下飯田駅が隣接していて、両駅が新規開業の商業施設に直結するようになる。

ゆめが丘駅の駅前は絶賛工事中。
工事が始まる前のGoogle Map。駅前に行けるまともな道すらない。
相模鉄道の統合報告書2023より。

終点の湘南台駅は小田急江ノ島線と横浜市営地下鉄ブルーラインの接続駅。小田急線の湘南台駅開業は1966年と最も歴史があり、相鉄線と市営地下鉄はともに1999年開業。計画では湘南台駅から先平塚市方面にも延伸計画があるようだけど事業化は全くされていないし、おそらく未来永劫実現しないと思う。

実にバラエティ豊かな行き先。
相鉄いずみ野線の湘南台駅は地下駅。

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