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ヨーロッパ鉄道の好きなところ(日本との比較)

日本の鉄道は定時制や本数とかいいところもあるけど、海外のシステムで好きな部分をざっとまとめました。特にヨーロッパは社会主義的なところと、個人主義的な合理性の追求、環境への意識の高さもあって日本とは違う感覚があります。もちろん国土が小さい分国際列車が日常、大陸的思想もあるという点がありますが。

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1.窓口手数料

ヨーロッパだと私が観測したのはオランダだけども、自動券売機の料金と窓口発券の料金が違うところ。オランダの場合窓口だとたしか1~2ユーロくらいの手数料を取られる。
日本だと券売機で買える切符を長々と窓口で買ってる人多くて長蛇の列だったりして、こっちは窓口でしかできない手続きしたいのにってのによく遭遇します。特に名古屋駅とか大阪駅とか。コロナ禍でより厳しくなってる今、終電早めるとか夜行列車廃止とかではなく、対面手続きを減らせるし、駅員の手間賃を負担させるという発想でも合理化を図ってほしいなと。

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2.チケットレス化

ヨーロッパの鉄道は改札がないことがほとんどです。フランスではネットアプリで購入してクレカ決済したらそれがそのままチケットになるのでとても分かりやすい。
じゃあ無賃乗車し放題では?と思うかもしれないけど、車内検札でチケット無いと容赦なく数十倍の罰金をとられます。そういう性善説と性悪説のバランスで成り立ってるんだなと。
これはバスや市電とかも同じで、基本無賃乗車いくらでもできるけど抜き打ち検札につかまると、それこそ100円とかで乗れるところ5000円~10000円以上問答無用で徴収されます。
チェコの市電なんだけどVISAタッチで乗れるのもありました。これなら旅行者もVISAタッチ機能付きのクレジットカードがあれば小銭もいらないしすごく便利だと思います。

3.夜行列車

一時期夜行列車が下火になったけれどもまた注目されてる(10年前くらいに廃止になったサービスが復活したり)。これは日本と違って運行したい事業者が線路使用料を各国鉄や企業に払うことで、(比較的)自由に列車を運行できるから。だから例えばオーストリアの企業がドイツやイタリアで夜行列車を走らせたりできる。オーストリアを経由しない便だってある。

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ヨーロッパは地続きなので飛行機が直接競争相手だからこそ生まれる発想。これはムーンライトながらの廃止でも触れたけど、日本のJRは民営化しながらも独占企業なのでこういう発想はできない。

東欧は鉄道が物価水準からしても相当安いので夜行列車もお得に乗れる。それにソ連製のオンボロと最新車両が共存してるし、夜行列車に乗るなら東欧ですよ。一晩乗っても1000~3000円くらい。

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4.空路連絡特急

夜行列車もそうだけどLCCの台頭で、いわゆるフラッグキャリアと呼ばれる伝統的な航空会社や高速列車の競争がとにかく激化してる。日本は国内線が規制と既得権益だらけで守られてるけど、欧州はLCCの生まれた場所なだけあってロンドン-パリ間を1000円とかでLCCが飛ばす時代だから(ピーチがANA傘下で羽田と伊丹のドル箱路線に参入しないのとか辟易するし、競争するなら羽田-伊丹なんて空席あるならせめて空港までのアクセス代込みで新幹線の通常価格と同等にするとかしないの?)。

ドイツのフラッグキャリア、ルフトハンザは結構昔から国鉄DBと提携していて、フランクフルト空港にICE(ドイツ版新幹線)を乗り入れさせて、長距離旅客がドイツ国内の中短距離の都市(ケルン、ブレーメンのような国内、隣国のアムステルダムやストラスブールとかまで)へICEを使って乗り入れられるようにしてる。ICEにルフトハンザの便名が表示されて、マイル提携もしてる。というか西ヨーロッパの主要空港で特急が乗り入れてないところあんまりない気がする。

これフランクフルト空港駅、右のICEのマークがまさにオランダ国鉄↓

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成田とか関空って結局東京、大阪にしか行けないじゃん。日本だと新千歳とかポテンシャルありそう。無駄に釧路空港とか維持するより、新千歳に集約して特急への乗り継ぎをスムーズにするとかできると思うけど。競争すべきところはして、協力できるところは異なる交通機関が提携することで、サービスも向上するし、税金が投入される維持費の削減も図れるということ。

5.新幹線版LCC

フランスにはTGVという新幹線のライバルがありますが、数年前にOUIGOというサービスを始めました。仕組みとしては新幹線版LCCというのがまさにぴったり。荷物持ち込みや購入条件の厳格化、車内設備の簡略化、中心部から遠い駅を発着にすることで格安でサービスを提供できるようにしたもの。それで下手したら正規運賃の9割引きとかまで割り引く。

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6.自転車持ち込み

おそらくほとんどの国で自転車をたたまずに持ち込めます(オランダ、チェコ、デンマーク、ドイツ、オーストリア、フランスとかはそうだったはず)。というか車内に自転車ラックがあって多くが無料。環境思考が高いこともありますが、そもそも日本と違って都市の規模が小さかったり、平地が多かったり、駐輪スペースに余裕があったりと状況が違うのはわかりますがね。
日本だとごく限られたローカル線くらいしかやっていないサービス。JRはB.B.BASEくらいしかやってない(予約制列車だし)。ラッシュ時間以外とか、地方都市だけでもやったらいいけど、少しの手数料とってもいいし。

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7.静寂エリア

今でこそ車内でお喋りってだいぶ忌避されてると思うけど、海外ってその辺かなり自由。車内で携帯通話はマナー違反とかそういう感覚も少ない。その代わり車両によっては子供禁止の会話禁止車両とかがある。落ち着いて本読んだり、静かに一人で過ごしたい人向け。
子供が騒いだり、グループがワイワイするのは普通のこと。日本みたいな陰湿なマナー合戦で個人に負担を強いるのではなく、公共とプライベートを明確に線引き・ルール化して個人の嗜好を区別することで皆が幸せになれるという考え。

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8.若者割引

これはベルギーの例なんだけど、外国人も含め26歳以下は国内どこまで乗っても均一料金(6.6ユーロ)以下という仕組みがある。もともと小さい国だからってのもあるけど、ブリュッセルとブリュージュとかはこんな感じ↓

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そもそもヨーロッパは大昔からユーレールパスという乗り放題パスが存在していて、通常版と26歳以下のユース料金がある。ユーレールパスについては最近はネットで格安チケットが買いやすいこともあって、経験的に本当に鉄道に乗り続ける旅でない限りは元が取りにくいんだけども。
ムーンライトながらの廃止の話で書いたけど、若者に投資するって発想が日本は少なすぎると思う。

もちろん現地に住んでたら不満もいっぱいあると思うけど、旅に出れないのでいろいろ考えますね。



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