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Afterコロナに行きたい癖の強いヨーロッパ

欧州30か国超訪問した筆者がおすすめするマニアックなヨーロッパの行き先を7か国ピックアップしてみました。

↓こういう方向けです。
・ヨーロッパ複数回訪問済み、次どこ行こうか悩んでる方。
・世界史好き、得意って方。
・人と同じじゃつまらないと思う方。
・InstagramよりTwitter。

↓こういう方は参考にならないと思います・・・
・ガイドブックはこと〇っぷが好き。
・ファッションとかスイーツとかが好き。
・英語通じないのは怖い。
・TwitterよりInstagram。

もちろんロンドン(行ったことないですが)、パリ、ローマとかは歴史的にも文化的にも世界から注目されるだけの理由はあるし、ダメとかそういう話ではないです。ただこの記事でおすすめする場所はキャッチーさは皆無なので、それなりに世界情勢を理解し、ヨーロッパの歴史をたしなんでないとその良さは伝わらないかも。

ヨーロッパのイメージ

筆者が訪問したことがある国を水色に、そして今回取り上げる7か国を緑いろに塗りました。色ついてるとこ見ればわかると思うけど、冷戦時代の旧東側が好きなのでビザが必要なベラルーシ以外すべて制覇。初一人渡欧ではフランクフルト空港に降り立ち、その日の夜にチェコ行きの夜行列車に乗るくらいいい趣味してると自負してます。

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一口にヨーロッパと言えど、その地理的・人種的・宗教的・歴史的な背景は複雑で語りつくせないですし、特に東側はメジャー勢力に翻弄されてきたからこそマイナーなわけで、その歴史が暗部であると同時に、部外者の私たちにとっては魅力であると思うのです。西側の大都市は高度にグローバル化しててチェーン店やよく見るブランドだらけ、町中に黒人やアジア人があふれているけど、東側はある意味で経済的に遅れ、閉鎖的だったからこそ原始的なヨーロッパの姿を残しているのでは?とよく感じます。ソビエトもヨーロッパの文化ですし。

正直今回ピックアップした行き先は全然映えないと思うけど、私の主観100%で一応万人向けの情報になるよう努力して説明してみます。癖の強い、マニアックっていうところでわかる通り東側中心です。行き方とか実用に関しては今回はまったく触れません。

ちなみに最近流行りのチェコ、ドブロブニク擁するクロアチア、特殊すぎるロシアは除外しました。写真は一部HDDを破壊してしまい消失しており、観光サイトからお借りしてます。申し訳ございません。

一応それっぽく★の数で指標作りました。
英語 観光地で通じる★3、駅とか普通の店でも通じる★4くらいのイメージ 
物価 日本を★3とした時、星が多いほうが高い
アクセス 直行便が毎日あるレベル★5
ソビエト度 ★5がロシア以外の最高度とする

1.ギリシャ

英語 ★★★★☆
物価 ★★★★☆
アクセス ★★★★☆
ソビエト度 ★☆☆☆☆

まずは肩慣らし。国としてはメジャーだけど、私の周りでヨーロッパ行ったことある人の中でもギリシャそんなにいないんですよね。

メジャーな国から陸路で行きにくいので、ここを目的としないと行かない場所だと思います。説明不要のヨーロッパ文明の礎であり、古代文明の遺跡がそこら中にある。エーゲ海の島々はリゾートであると同時に本土以上の歴史を有していたりと正直きりがない。パルテノン神殿とかはイメージ通りです。古代から変わらず猫が多い。あとコリントス運河が一押し。

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古代ギリシャの遺跡を除くとメテオラの修道院は恐ろしく綺麗。中世のギリシャ正教徒が俗世から隔離することで修道するためと、外部勢力から身を守るためこんな岩の上に修道院を立てたわけ。

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あとは今回唯一の映え、なんかのランキングで1位にもなったことあるサントリーニ島(天気悪い)とかですかね。

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2.ルクセンブルク

英語 ★★★★★
物価 ★★★★★
アクセス ★★★★☆
ソビエト度 ☆☆☆☆☆

肩慣らしの次は、ド西側であえてそこ?というパターン。

オランダ、ベルギーと主にベネルクス三国の1国で、ドイツ、フランス、ベルギーに囲まれた内陸国。1人当たりGDPでダントツ世界1位(日本の3倍近く)、神奈川県くらいの広さで相模原市より人口が少ない。金融・情報通信立国で税制優遇があり外資企業の誘致が盛ん、欧州司法裁判所・欧州投資銀行・欧州議会事務局の一部機関等EU圏の中心都市でもある。いまだに大公が政治的権力の一部を担っている君主制国家。地理的に大国に囲まれながらも国土は山だらけで軍事・経済的メリットが少なく緩衝地帯として小国ながら各勢力下でも地位を維持できて来たというわけ(ナチス下で石炭とか鉄鋼も開発されてるけど)。歴史的にはドイツ・オランダよりなのでルクセンブルク語はドイツ語の親戚的な感じ。

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ルクセンブルク市街地は湾曲した河川に囲まれた峡谷にへばりつくように大公宮と旧市街が形成されていて立体的な要塞都市。旧市街は世界遺産に登録されている。それでいて高層ビルやEU機関のモダニズム建築が立ち並ぶ都市。福祉国家でもあるので市内交通が無料だったりと、新旧ヨーロッパの最前線を感じられる。

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余談だけどTVアニメ「多田くんは恋をしない」のモデルになった国。

3.ポーランド

英語 ★★★★☆
物価 ★★☆☆☆
アクセス ★★★★☆
ソビエト度 ★★★★☆

マイナー界のメジャー、東側でも有名どころ。コロナ前だけど成田からワルシャワの直行便が就航したり(旧東側初)とにわかに注目されている。実は面積も人口もかなりの勢力で、ヨーロッパでは英独仏伊西に次ぐ大国。ドイツとロシアという欧州史上最悪の組み合わせに挟まれていたせいでヨーロッパ1不遇な国。近年はドイツに近くて労働力が安価で平地が多くて交通至便、EU加盟も相まって経済成長著しい。

ワルシャワ旧市街地は第二次世界大戦で瓦礫の山になっていたところ、写真や記録を頼りに崩れた瓦礫を組みなおして再建され、古さだけではなく人々の強さが評価され世界遺産に登録されている。新市街は地元民には気の毒だけど、スターリンが開発を注力したおかげでソビエト感強め。とくにシンボルといえるスターリン建築のお手本たる文化科学宮殿は、本家モスクワでは外から眺めるだけしかできないところが多いのに、観光客にも開放されているのがポイント高い。

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南部のクラクフは、逆に伝統的中世ポーランドの古都。中央広場の聖マリア教会はヨーロッパ1と言っても過言ではないゴシック式建築カトリック寺院だと思ってる。

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食べ物は伝統的な寒い地域のヨーロッパの味。ビールが安くておいしいし、土地柄ウォッカ系も。ドイツやロシアっぽい料理は大体あるし安い。

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あとは最近は日本でも注目されてるけどこの陶器かな。高級ブランドでも実はポーランドの下請けが作ってたり、日常使いの安いものとかを無名の窯元で作ってたりする欧州の一大産地。100均の食器とかたまにポーランド製があるよ。日本で言うと美濃焼的位置づけかな。

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4.ハンガリー

英語 ★★★☆☆
物価 ★★☆☆☆
アクセス ★★★☆☆
ソビエト度 ★★☆☆☆

中央ヨーロッパ、カルパチア盆地の中央に位置する内陸国。今のハンガリーはユーラシア内陸の遊牧騎馬民族がルーツで、ヨーロッパの中では少数派のウラル語系を話すマジャル人の国。トルコのオスマン朝の後退以降は、隣のオーストリアとの関係が強く19世紀はオーストリア・ハンガリー帝国として中・東ヨーロッパの覇者として君臨していた。

首都のブダペストはウィーンからドナウ川下流方面に特急で3時間ほどの距離。世界遺産に登録されているハプスブルク宮廷文化の影響を受けた王宮やハプスブルク皇帝=ハンガリー国王が戴冠式を行ったマーチャーシュ聖堂、世界一美しいといわれる国会議事堂があったり、アールヌーボ建築が立ち並ぶ華やかな市街地。それでいて古代ローマの植民都市の遺構が残ってたり、温泉文化があったり、アジアっぽい熱を感じる独特の雰囲気があると感じた。特にハンガリー料理は一線を画す美味しさで、パプリカ大好き国民で、フォアグラやワインが名産。物価もウィーンの半分くらいの天国。

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このゲッレールトの丘も頑張って真っ暗な中登った。

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写真はこちらから↓

https://www.expedia.co.jp/Budapest.dx179994

記憶を頼りにネットの海から発掘しました。10年前に行った安食堂。グヤーシュと呼んでいいのかわからないけど、パプリカ味の肉の煮込みをポテトにぶっかけた名前もわからん料理がおいしくて、500円以下だった。こんな感じの奴です。

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https://www.fricipapa.hu/?lang=en

5.エストニア

英語 ★★★☆☆
物価 ★★★☆☆
アクセス ★★★☆☆
ソビエト度 ★★★★☆

だんだん難易度が上がっていきます。

バルト海の最奥地、バルト三国最北で一番小さいのがエストニア。ソ連崩壊の1991年に誕生した新しい国。北海道の半分くらいの広さで人口は130万人ほどの小国。実はSkypeを生み出したIT先進国で、福祉や教育に力を入れた北欧的な国づくりをしている。人種的にはフィンランドと近くウラル系のエストニア語を話す民族集団で、中世はドイツ騎士団やハンザ同盟都市として栄えた港町のタリンが首都。

ロシアが目と鼻の先だしつい30年前までソ連だったので、ロシア人も比較的多い。中世から残る城壁に囲まれたタリン旧市街は世界遺産にも登録されている。ハンザ同盟主要都市の中では町が大きすぎないので、中世都市の面影が残っていてそれこそ異世界物感が一番感じられる街だと思う。

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対岸のフィンランドのヘルシンキから高速フェリーで2時間ほどなので、ヘルシンキを拠点にするのがおすすめ。鉄道はソ連時代に建設されたので、モスクワ方面にしかつながってないのが残念(ビザがいるから気軽には乗れないという意味)。

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6.ボスニア・ヘルツェゴヴィナ

英語 ★★☆☆☆
物価 ★★☆☆☆
アクセス ★★☆☆☆
ソビエト度 ★★★★☆

バルカン半島北西部、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国からなる連邦国家。ボスニアとヘルツェゴヴィナはこの地域の名称。

この国の成り立ちはめちゃくちゃ複雑なので超ざっくりというと、1992年にユーゴスラビアからの独立運動が拡大。そもそも人種的には同じスラブ系で見た目も言葉も近しいのに、セルビア正教徒のセルビア人、カトリックのクロアチア人、ムスリムのボスニャク人勢力(ユダヤ系やロマも)に分かれ第二次世界大戦後欧州最悪の内戦に発展、3年半で死者20万人、国民の半分の200万人が故郷を追われ難民化。NATOの介入により停戦後に前述の通り民族ごとに別々の国に分かれた連邦国家のボスニア・ヘルツェゴビナが成立した。wikipediaの地図を見てくれれば一目瞭然かと。

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こんな負の歴史がありながらも、他民族が共生する未来を見せてくれる。ソビエト的でありトルコ的でありヨーロッパ的な町で、現役のモスク、カトリック寺院、プロテスタント寺院、セルビア正教寺院、シナゴーグ(ユダヤ教寺院)が現在進行形で並ぶ稀有な町。街中は戦争の傷跡が残るちょっと暗い雰囲気がありながらも、トラムが走り、ショッピングセンターがあり、公園や市場も素朴な雰囲気がとてもいい。

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サラエボにはサラエボ事件の現場となった橋がいまでも残っていて、クッソ地味です。むしろこの程度の広さの橋の上でよく反乱分子が紛れ込めたなってレベル。とは言いつつヨーロッパの歴史の現場に立っていることに震えた記憶が残っている。訪問したのは2010年、この10年でどれくらい変わったんだろう。

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写真の多くを消失してて申し訳なくて、いろいろ検索してると穴場だとか書いてるけどそんな映える要素皆無だから人が来ないんだよ。間違えないで。個人的にこの7選では今一番再訪したい国。

7.ブルガリア

英語 ★★☆☆☆
物価 ★★☆☆☆
アクセス ★★☆☆☆
ソビエト度 ★★★★★

バルカン半島の東部、南はトルコに接し、ドナウ川の下流域で黒海に面している。EU加盟国の平均の3分の1程度の所得水のEU最貧国。逆に伸びしろがある注目国。歴史的には古代ギリシャの北部植民地域、中世はブルガリア正教勢力としてバルカンの覇者の時代があったり、トルコの影響を受けたり、20世紀はソ連の影響を受けたりと激動の歴史があり、逆にその3勢力の色が残っているところが魅力。このおすすめ7選の中では唯一純粋にキリル文字を使用するスラブ系言語のブルガリア語が公用語というのもやっぱり映えるよね。

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ブルガリア正教最大の修道院。世界遺産。ものすごく不便で山奥にある。

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黒海に突き出た城塞都市ネセバル。黒海を初めて望んだ感動はひとしお(この感覚が癖が強すぎるんだよね)。あと道中で写真撮ってくれとせがまれた列車の運転手。こんな緩いとこです。

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最後に宣伝

こんな感じでロシアとかも同人誌も書いてます。無料公開中ですのでよろしければいいねと拡散お願いします。







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