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関東の乗ったことが無い路線 埼玉高速鉄道線

東京近郊の乗ったことが無い路線を少しずつ乗りに行くシリーズ。今回は埼玉高速鉄道線。

SRはSaitama Railway Corporationのこと。高速鉄道というのは新幹線とかではなく、都市交通の中で低速な路面電車との対比で高速鉄道という意味。

埼玉高速鉄道線とは、東京北区の赤羽岩淵駅と浦和美園駅の間の14.6km、8駅の実質「地下鉄」路線。浦和レッズの本拠地である埼玉スタジアム2002(以降埼スタ)へアクセスできることから、埼玉スタジアム線という愛称がつけられている。運営しているのは埼玉高速鉄道株式会社という第三セクター会社。開業は2001年とかなり新しく、前年に赤羽岩淵駅と目黒駅の間で全線開業していた営団地下鉄南北線(現東京メトロ)の北方面の実質的に同一路線の延伸区間として直通運転されている。

今でもほぼすべてが東京メトロ南北線へ直通していて目黒からは東急目黒線経由で日吉駅までを中心に、一部は新横浜線、相鉄線方面まで直通もある。平日朝ラッシュは都心方面から鳩ヶ谷駅折り返しががあり、最大1時間に19本、昼間は1時間に5本のサイクル。自社の車両は開業当初から南北線と共通仕様の2000系を導入し、普段は東京メトロや東急の車両も乗り入れてくる。基本的に6両編成がメインで、一部8両化がすすめられているよう。

昼間は12本に1本サイクル。

沿線紹介

JR赤羽駅から北へ700mくらい。東京メトロの管理する駅。昼間の南北線一部列車は埼玉高速鉄道へ乗り入れずこの駅で折り返している。
JR川口駅から東に1.2km。荒川沿いで鋳物の街川口らしく工場が多いエリア。工場跡地に高層マンションがたてられ、特にエルザタワー55は建設当時日本一高いマンションだった。川口が工業都市だと知らずに、一駅23区から離れるだけで安いからとここに越してきて、工場の騒音やトラックに苦情を言うニューカマーは何なんでしょう。
荒川の対岸から川口元郷駅付近を望む、一番右がエルザタワー55。今でも埼玉一高い建造物。というより185mは各都道府県の最も高いビルでみると9番目の都道府県、これより北の仙台や札幌にもこの建物より高いビルは存在しない(茨城県ひたちなかの日立製作所エレベータータワーを除く)。※別日
旧鳩ヶ谷市の中心に近い。利便性向上から開発が進んでいてマンションが林立している。
国道122号の地下に駅がある。
川口市北部で首都高川口線・東北自動車道の起終点の川口JCTがある。
川口市北部の古くは戸塚村と安行村由来の町名から。特に鉄道空白地帯だったことから園芸農業が盛んで関東有数の植木の産地。
東川口駅は武蔵野線との乗換駅。東京メトロへ乗り入れる赤羽岩淵を除くと利用者数が最も多い。
浦和美園駅付近は再開発エリア。キャプテン翼のステンドグラスが改札前のど真ん中に設置されチエル。埼スタは日本代表戦の会場にもなりJリーグ発足以来伝統ある競合チーム浦和レッズのホームのサッカーの聖地なので。
3分は流石に盛りすぎ。イオンモールの敷地にはたどり着けるけど駐車場も広いし、そもそも関東有数の大型店舗。
土休日限定の1日乗車券580円は破格。普通に乗っても片道480円なので。

成り立ちと延伸計画

埼玉高速鉄道線の計画は単純で、慢性化していた埼玉と東京間の混雑解消と、川口市東部・旧鳩ヶ谷市(2011年に川口市へ合併)・旧浦和市(2001年に大宮市と合併してさいたま市に)東部の鉄道空白地帯を埋めることにある。営団地下鉄南北線と一体的に計画が進められた。同じ東京近郊の東葉高速鉄道などの仲間と言える。1992年に川口市、旧鳩ヶ谷市、旧浦和市と営団地下鉄の出資により埼玉高速鉄道株式会社が設立され、1995年より建設開始、2002年のサッカー日韓W杯にあわせて新造された埼スタへのアクセスのため2001年に開業を前倒しして急ピッチで建設された。ほぼ全線地下鉄でかなりの費用がかかっていながら、開業後は高額な運賃もあり利用者が伸び悩み、赤字圧縮のためにさいたま市と川口市が借入金の肩代わりをする形で現在に至っている。

当初から浦和美園駅から先の東武野田線の岩槻駅までの区間が計画されていたものの、費用対効果が高いとされた区間の浦和美園駅までが先行開業している。現在、岩槻駅までの開業に向けて前向きに協議が進められている。埼スタの目の前に駅が計画されているほか、さいたま市の東部は依然鉄道空白地帯が広がり開発余地があるのと、南北交通の大宮駅一極集中からのリスク分散という狙いもある。

そもそも埼玉スタジアム線を名乗っていながら埼スタまでは浦和美園駅から1km以上歩かないといけないのに、車両基地は浦和美園駅から埼スタ方面に伸びているので線路は来ているからやるせない。いずれにせよ浦和の中心部方面からは直結しないのだけども。

延伸計画では試合がある日の臨時駅としてスタジアム直結駅ができる予定。
駅から車両基地脇を歩いてくることになる。

浦和美園駅から岩槻駅までは途中2駅、埼スタ直結駅と、もう一つは目白大学さいたま岩槻キャンパス付近が計画されている。また、快速の運転も計画されている。途中の停車駅案は岩槻駅、浦和美園駅、東川口駅、鳩ケ谷駅、川口元郷駅。

岩槻駅は東武野田線の地下に乗り入れる計画。

いまいち利用者が伸び悩む原因が運賃の高さ。浦和美園駅から赤羽岩淵駅で480円は尋常ではなく、同じ15km以内とすると東京近郊のJR線だと半額の以下の230円。運賃が高いと定期代も圧倒的に不利で、会社によっては定期代が安いJR線でしか出ないなどありそう。

川口元郷駅が最寄の知り合いは遠いけど川口駅まで歩いてるといった。都心へ出るには赤羽岩淵駅までの初乗りがかかりコスパが悪いので。

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