見出し画像

20代~30代のニート・ドロップアウト者は、「身の丈に合った挑戦」を

20代後半~30代は、挑戦と安定の狭間で揺れる時期。
「転職しようか」「起業しようか」「海外に出てみようか」など、人生のターニングポイントで悩む年頃でもある。

それでも健常者や実績を積み重ねてきた実力者なら、バンバン挑戦して自分の力を試してみるのがいいけど、
ニートやドロップアウト者がそれをそっくり真似するのは危険。

彼らはこれまで社会の中で実力や経験を積んできたから、その経験を活かして挑戦していけるのであって、
積み重ねていないぼくらにとってはハードルが高すぎるというか、そもそもぼくらは挑戦という選択ができる場所に立っていないのだ。

ぼくらができる挑戦とは

挑戦の前に、自分の身の程を受け入れよう

ニートやドロップアウトを経て、ようやく社会復帰し出したぼくらのような人間は、
挑戦には慎重に堅実になった方がいい。

もっといえば、「身の丈」に合った挑戦をしなくてはならない。

金も人脈も実力もない長年引きこもりニートが、起業、海外進出なんてできるか?
まずできないし、多額の借金を抱えて身を滅ぼすのがオチ。

身の丈に合わない夢やビジョンは、妄想の範疇を出ない。
それを挑戦と称して無防備に飛び込んでしまうのは、リスクがありすぎる。

自分の置かれている現状をよく見つめよう。
つまり、身の丈を知る事。

まず、現時点の自分の状況はどうなのか。
どういうポジションにいるのか。
その中で、できる挑戦とは何なのか。

壮大なビジョンを描くのはいいけど、
20代30代にもなれば、現実と照らし合わせて考える必要が出てくる。

君が漫画家志望だとしよう。
子供や10代のうちは、「鳥山明を超える漫画家になる!!」と言っててもいい。
むしろそのくらい無鉄砲恐れ知らずの方が、自信にもなるしガンガン挑戦もしやすい。

でも、これが20代30代になるとどうだろう。
漫画は描いてはいるけど、ジャンプからのお呼びは一向にかからない。
受賞歴もなし。連載はおろか読み切り掲載さえもできていない。

こんな現状でもまだ「鳥山明を超える」と言い続けてるのは、そろそろイタくなってくる。

次に持ち込んだ原稿が大物編集者の目に止まって連載開始、書籍化、アニメ化、映画化、日本を代表する大ヒット漫画家になるなんて事も世の中にはなくはないけど、
そんなのは極めて天文学的な確立でしかない。
現実離れした現実逃避に入ってしまうと、それに取り憑かれて抜け出せなくなるし、
健全な精神も蝕まれていく。

そうなってしまうと本末転倒。

そうなる前に、きっぱりと
「自分はジャンプ漫画家にはなれない」と悟って、認めなきゃいけない。
自分は鳥山明を超える事はできないと。
悔しいけど。

これは一般人にも言える事だけど、
とくにニートやドロップアウト者は「一発当てて人生逆転させたい」という意識が強いから、深みにはまってしまいがち。

「漫画を描き続けて大物漫画家になる」みたいな、
現実味のない挑戦を続けるのにはそろそろ見切りをつけなければいけない。
そして、意識を変えなきゃいけない。

「今の自分にできる現実的な挑戦とは何か?」
という視点に切り替えなきゃいけない。

先程の例でいうと、

専業漫画家になるのは諦めて、漫画は副業や趣味としてやっていこう

と切り替える事が必要になってくるし、
漫画のスキルを活かした挑戦としては、

・イラストレーターとしての再起を目指す
・漫画スクールの講師を目指す

等といった事があげられる。
上記のようにいうと、引きニートが現状でできる「現実的な挑戦」とは、

・引きこもり、ニートを脱出する
・仕事に活かせるスキルを身につける
・実体験をエッセイにしてツイッターで発信してみる(運良ければバズるかも)

等があげられる。
起業なんてのは、社会復帰して、実力を磨いて、その先に行ってはじめて生まれる選択肢。

身の丈に合わない挑戦は、無謀なだけ。

挑戦は現実的に

全くの業界未経験のくせクリエイターを目指しているぼくが言うのもだけど、
あくまでもまずその目標は、「自分の手に届く、現実的なレベル」に設定しなきゃいけない。

30代未経験、金なしコネなし実力なしで
「世界的イラストレーターになる!!」という挑戦はどう考えても無謀だよね。
現実的じゃないし、上記のスペックじゃまず無理な話。

「30歳未経験イラストレーター志望」ができる挑戦として最大限あげられるものは、

副業で絵の仕事を受けられるようになる

くらい。
現実的に考えて、ここがひとまず考えられる目標の上限。

「世界的イラストレーター」とか途方もないものについては、目標として定めない。
子供ならまだしも、大人が決める目標としてはあまりに稚拙だし、自分が辛くなるだけだからね。

でも、「イラストレーター」にはなれる可能性はあるのなら、目標を定めてもいい。
絵を仕事にしたなら、有名無名関係なしに皆イラストレーターとして名乗れるからね。

そう考えると、「絵の仕事を受ける」って事だけに注目すれば、比較的現実的な挑戦と言えるね。

だけど、イラストレーターの目標はまずは一旦おいとこう。
それはあくまでも最終目標として描いておくだけ。

「イラスト」という軸だけに絞り、できる範囲の挑戦目標をひとつひとつ組み立てていこう。

今自分ができる範囲の挑戦は……
まず

・ソフトの扱い方に慣れる
・ペンタブを使いこなす
・簡単な一枚絵を描けるようになる


次は

・画風を研究する
・依頼を意識した絵を描けるようになる

その次は

・ポートフォリオを作ってみる
・SNSで発信してみる
・コンペに応募してみる


といった具合で、
目標を細分化していき、ひとつひとつ挑戦していきます。
階段を昇っていくイメージで。

これを堅実に積み重ねていく事で、
次のステップにも進んでいく事ができるし、
副業から本業にしていく可能性も見えてくる。

でも、それを考えていいのは、
「目標が現実的に手が届く範囲で見えてきた」時だけ。
現状がその域に達していないのならば、その先は考えてはだめ。
そして、いくら経っても目標に手が届かない、先が見えてこないようであれば、
ばっさり見切りをつける事も大切。

その上で、自分の今できる挑戦を探していく。
挑戦は20代を過ぎたら、自分の現状を意識して堅実に考えていこう。

それでも、挑戦を諦めきれないとしたら?

先の鳥山明を超えるを例に出すと、
鳥山明を超えるのは諦めた。
でも、漫画家になりたい。
挑戦したい。

その場合は、視野を広げてみよう。

こだわりを捨て、視野を広げてやってみよう

鳥山明のような大物漫画家にはなれなくても、
全くの無名だとしても、
漫画家にはなれるかもしれないよね。
先程の「ただのイラストレーターにはなれる」と同じようにね。

このように、「大物ジャンプ漫画家」というこだわりを捨てて考えてみると、

ジャンプが無理でも、別の出版社での連載はできるかもしれない。

連載はだめでも、読み切りでなら。

持ち込みがだめなら、pixivやtwitterでバズを狙うのもアリ。

商業が無理なら同人で。

Kindleなどで自家販売という手もある。

このように、「漫画家」になれる方法ならたくさんある。

こだわりを捨てて視野を広げてみると、
挑戦できる土俵は多く見つかると思います。

でも注意してほしいのは、
「求めすぎない」事。

「このまま頑張れば世界的漫画家になれるんじゃないか」と期待を抱いて、これ1本しか道がないと思いつめてしまうのは精神衛生的に良くないです。
「これで成功しないと生きる意味がない」までに思ってしまうからね。

あくまでも、「たくさんの挑戦のうちのひとつ」くらいに留めておいた方がいい。

その為に、安定した収入を得る。
ITスキルを身につける。
外国語を勉強する。
など、
漫画1本になりすぎないように、挑戦元は複数に分散させよう。

大人になるとどうしても自分の現状が見えてくるから、「挑戦」のハードルが高くなってしまうよね。
子供の頃とは違って「身の丈に合った」「堅実な」方法が必要になってくるけど、
それでも挑戦する人はいつだってかっこいい。
お互い頑張ろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?