落ち葉を踏んで歩こう。

しゃく、しゃく、しゃく

街路樹から落ちた枯葉が、歩道の端に積もっている。

歩道の真ん中は極力歩かない。
できるだけ葉っぱが厚く積もっているところを踏んで歩く。

しゃく、しゃく、しゃく

乾いた葉が砕ける音と感触が気持ち良い。

後ろから足早に近づいてくる人がいる。
お先にどうぞ。
私は落ち葉をたどっていきます。

しゃく、しゃく、しゃく

また誰か近づいてきた。
どうぞ追い越してください。

しゃく、しゃく…

一向に追い抜く気配がない。
振り返ると女の子が私の後ろについて落ち葉を踏んでいた。

目が合ったら
〈　てへっ　〉
と笑って立ち止まった。
あなたも好き？

しばらくそのまま
まっすぐの一本道。

それから右に折れて遊歩道に入り、
少し歩いた。

しゃく、しゃく、しゃく
　しゃく、しゃく、しゃく

あら、ついてきちゃった。

どこへ行くのか知らないけど、
この辺りで解散しましょう。
迷子になってはいけないからね。
（経験者の老婆心）
道はわかるかな？

よし。
じゃあー

きれいなイチョウの葉をお土産に。