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彼女たちが伝えたいこと ~【櫻坂46】3rd『流れ弾』のMVを観て~

 櫻坂46の3rdシングル『流れ弾』の曲が次々と解禁され、10月13日の発売が待ち遠しい状況である。
 ラジオ解禁の段階では、少し聞き取りづらい部分も多かったが、4K高解像度のMV版で観ると、歌声や歌詞が明瞭に把握できて、楽曲で表現しようとしている内容がはっきりと伝わってくる。

 彼女たちは、いったい何を伝えようとしているのだろう。

 休業中の小林由依さんが専属モデルをしている『with』のインスタグラムで、モデル出演した森田ひかるさんと藤吉夏鈴さんの言葉が紹介されているのを見た。
 同誌9月号の「プロフェッショナル論」という企画で、「働く」とは・・・という質問に対して、二人が答えた言葉を紹介している。

  働くとは・・・
  「皆さんを笑顔にすること」(森田ひかるさん)
  「人の心に寄り添う事」(藤吉夏鈴さん)

 さすが、二人ともセンターまで任された逸材である。しっかりと、KEYAKIイズムが継承されているのが、この言葉からもわかる。
 まだ、正式な歌詞が発表されていない段階で、『流れ弾』の歌詞が意味することについて語るのは控えるべきなのかもしれないが、MVが描いている世界と合わせることによって、おおよそ内容が把握できる。

 『流れ弾』では、SNSがもたらす疑心暗鬼の世界におびえ、精神的にも物理的にも、内にこもって出てこない人々に対して、お互いのことを信じ合って、一緒に時間を過ごせば、思ってもいないような楽しいことが沢山あるよ、ということを伝えているように思える。
 レコメンで初解禁された際にも、キャプテンの菅井さんが、歌詞について触れている。

歌詞も、今の時代にも合ってるかなと
思う部分もたくさんあったり。
SNSとかでも顔隠して
色んなこと言う人もいるし。
色んなところで
意見がなかなか通らなかったり
言えない部分とかもたくさんあったり。
でも人間関係の悩みって
どんな時代もつきものだよなとか。
でも「愛がなくちゃ世界は終わる」ってところで
やっぱり愛にあふれた世界になって欲しいねって
いう話をメンバーともしたり、
愛が大事だよね、
愛しかないんだよって話をしました。

~『レコメン』(文化放送)より

 MVの後半で、赤衣装に素足という出で立ちで、嬉々として踊る彼女たちの姿は、人目も気にせず、なりふり構わず踊れるということは、「ほら、こんなに楽しいんだよ。だから一緒に踊ろうよ。」というメッセージが込められているのではないだろうか。

 森田さんセンター曲『Dead end』では、一見、先が見えない現状に思えても、「いろいろと模索して、もがいていく内に、必ず道がある」ことを教えてくれる。
 そもそも、行き止まりの状況になることができるのは、「行動している人」「進んでいる人」だけである。行動していない人には、行き止まりの状況になることすら出来ない。
 一見、夢も希望もないタイトルや歌詞に聞こえるが、意味する内容は、行動していることに対する賞賛と、動き続ければ、必ず先が見えてくるから「信じて進め」という応援である。

 欅坂46時代から、彼女たちの歌には、一貫して、置かれた状況に対する心情の吐露だけに終わることなく、その事態を打開するためにはどうすればよいのか、という行動をを促す言葉が必ずある。それが、彼女たちが伝えてきた楽曲の世界である。
 だからこそ、彼女たちのパフォーマンスから、多くの力を得ることが出来るのかもしれない。

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