見出し画像

櫻坂46って、何色? ~【櫻坂46】「白」が表す意味の変化~

 櫻坂46のグループカラーは、「白」である。
 これは、何色にも染まっていない「白」だろうか。

 デビューしてから1年が経ち、3rdシングル『流れ弾』も発売された。その間、ライブなども重ねていきながら、自分たちの色を模索しているというのが、彼女たちの実情なのかもしれない。

 日向坂46も、改名した時、ハッピーオーラを前面に打ち出して、明るくて楽しいグループというイメージで売り出した。

 沢山あるグループアイドルの中で、自分たちのカラー(コンセプト)を形成することは、世間に対する顔を作るという意味でも、大変に重要なことである。

 「AKB48」という王道アイドルグループの公式ライバルとして発足した「乃木坂46」も、AKB48に対して世間が思うグループ像があるからこそ、そのアンチテーゼとして存在できた。
 AKB48のグループイメージとは異なる、「清楚、ビジュアルがよい」というグループ像が、今までにないアイドルとして受け入れられた。
 その先輩グループの偉大なる道があったおかげで、欅坂46も「クールでかっこいい」というグループイメージで、世間に知られる存在にまでなることができた。

 元々、長濱ねるさんを中心とした欅坂46の姉妹グループ的な存在であった「けやき坂46」は、発足した当時、グループコンセプトが明確ではなかった。
 メンバーの皆さんも、どうやって売り出してもらえるのか、先行きが不透明なままの状態が何年も続き、不安だったようだ。
 そんな先が見えない状態の時に、けやき坂46の二期生が募集される。これには、メンバーはもちろん、ファンも「どうするつもり?」というのが正直な感想であった。
 歌番組などに出演できる機会も、欅坂46と比べて、極端に少なかったこともあり、グループコンセプトが曖昧なままでも活動することはできた。
 しかし、「日向坂46」となり、新しいグループとして出発するにあたり、欅坂46・けやき坂46とは、ハッキリと異なるグループコンセプトが必要となったはずである。
 そこで、空色をグループカラーとし、晴れた日の青空のように、明るくてハッピーというグループコンセプトで活動を開始する。
 それでも、グループの活動が本格的に始まったころ、キャプテンの佐々木久美さんの「坂道グループの中で、自分たちのカラーがわからない」という発言でもわかるように、「自分たちの強みが何なのか」分からない時期が続いたようである。

 改名してから1年。
 櫻坂46も、今、同じような時期に入っているのではないだろうか。
 与えられる楽曲も、衣装も、アートワークも、欅坂46時代と異なり、「クールでかっこいい」だけではない要素が盛り込まれるようになっている。
 パフォーマンススタイルも、「全員が輝く」という形式がとられるようになった。
 がむしゃらに全員で力を合わせて、前に進んできた1年目は、「何ものにも染まっていない」=「白」で良かったのだろう。むしろ、「リセットして新しくなった」というイメージ通りなので、ぴったりな色であったと言えるかもしれない。

 しかし、2年目となった今は、どうであろう。
 色としては、同じ「白」のままで良いと思う。
 ただし、今までは、『色の三原色』で表す「白」(=白紙の状態)であったが、2年目からは『光の三原色』で表す「白」(=色々な光が集合した状態)となる必要があるだろう。

 太陽の光は、白く、透明に見える。
 しかし、レンズやプリズムを通すと、虹色となることからもわかるように、さまざまな色が集まることによって、白い光が出来上がっている。

 櫻坂46も、さまざまなメンバーの色が重なって、白く光り輝く、素敵なグループとなることを目指していくとよいのではないだろうか。
 光は、色が重なれば重なるほど、まぶしいほどの白さとなる。
 メンバー1人ひとりが、個性豊かに、自分たちの魅力を輝かせることで、個人としての色が明確なものになってくる。それぞれの赤や青、緑といった個性豊かな光が、グループとして一つに重なった時、グループ全体の光が白く力強いものになる。
 単なる「何色にも染まっていない『白』」から「さまざまな光の集合体としての『白』」へと進化することが、2年目の課題を乗り越えるヒントになるように感じるのだが、いかがだろうか。
 彼女たちの白くまぶしい輝きが、日本のみならず、世界中を明るくしてくれる未来を大いに期待している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?