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2022年6月 山形、蔵王温泉

蔵王への山旅、1泊目は蔵王温泉、2泊目は山形市内にとっていた。お天気の具合により結果的には、山へは初日と最終日に入ったので、2日目はまるまる下界で過ごすこととなった。
さて、まず熊野岳から御田ノ神湿原を歩いて、夕方、蔵王温泉の宿、吉田屋旅館にチェックイン。部屋は3階の和室、2部屋続き。4年前にカミさんと来たときは、吉田屋の上のおおみや旅館に泊まった。夕食まで時間があるので、傘をさして外湯へ。一帯には硫黄の香りが漂う。底から源泉が湧き出す川原湯。かなり熱い。水で埋めて入浴するが、じっとしてると背中が熱くなってきた。裸で3人、入浴している写真もあるが掲載不許可。

川原湯、詰めればなんとか4人入れる大きさ。しかし、透明なお湯は熱い。

ふだんなら湯上がりのビールを吞むところだが、身体が本調子ではないのでぐっと我慢。夕食時、やっと瓶ビールで喉を潤す。こちらの旅館はメインの料理を事前に選択できる。我らは、ジンギスカンをチョイス。これが期待以上の旨さでびっくり。量もたっぷり。広い食事処、ひとり客が多いのが分かる。温泉好きには評価が高い宿なのだ。

これはいいラム肉だ。もちろん冷凍ではなく、生肉。
野菜もカボチャやキャベツ、みな美味しかった。肉はとても柔らかく旨味がある。
野菜皿にコンニャクが入っていたのは珍しかった。
前菜は、ワラビ、姫タケノコタマゴ和え、そして今日採れた月山筍。月山筍はいつも出せる訳じゃない、本当は自分たちで食べちゃおうかと話してた、と宿のおネエさん。香りが良く旨い。虫が食ってるのは、お代わりをもう1本出してくれる。W君、大当たり。

ビールの後は山形の酒。が、ここも吞みすぎないように控えめに。食事処の片隅に、新聞記事が貼ってある。ジンギスカンと言えば、北海道が元祖のように思うが、実はここ蔵王が元祖というのだ。

昭和22~23年頃に山形で本場モンゴルのような鉄鍋を特注し蔵王流のジンギスカンスタイルが確立。その後、昭和34年の山形冬季国体に蔵王でスキー競技が行われ、北海道からも多くの選手が参加し、美味しさに感動し、鉄鍋スタイルを持ち帰った、ということらしい。

食休みの後、内湯に入った。冒頭の写真。ここもけっこう熱かった。水で埋めてなんとか入浴。
翌朝、皆さんまだ寝てるので、ひとり外湯巡り。ちなみに入浴券はフロントに置いてある。雨は降っていない。まず、上湯。施錠されていて、6時になると自動で開くと書かれている。6時1分にかちゃりと開いた。浴槽は広い。お湯は白濁。川原湯ほど熱くはない。いいお湯。

早朝の温泉街。右手が吉田屋旅館。
上湯の浴槽。天井が高く、太い梁が渡されている。

次に下湯。日曜だからか、朝早くから車で来ている人たちもいる。近隣の宿に泊まっているのだろうか。こちらは、狭い浴槽で透明、湯の花がたくさん。ここも加水無しで入れる。

先客が5名いたら、空くまで待つようにと注意書き。
このおじさんは、中に2名しかいなかったが、一人で入りたいのか、外で待っていた。

ぷらぷら周辺を歩いて、宿に戻る。宿は古く、質素な造りだが、なぜか紀子様が学習院高等部時代にスキーをするために数年間この宿に通われたらしい。

この後、続けて2年、泊まられたようで、写真が飾ってあった。
宿の裏手にはオオヤマザクラがたくさん。
赤い実がなっていたが、食用には適さないらしい。

本当は早立ち予定で朝ご飯抜きのはずだったが、山登りは最終日としたので、チェックイン時に朝ご飯もお願いした。ゆっくり美味しいお米をいただいた。味噌汁の具がワラビとウドだった。なかなか美味。

コマツナのおひたしも美味しかった。

チェックアウトの後、山形市内へ下った。目指すは、霞城(かじょう)公園にある県立博物館。国宝の土偶、縄文の女神が見られる。ぼくは2017年に京都国博の国宝展で見ている。

なんともスタイリッシュな土偶。
1992年に発掘され、2012年に国宝に指定された。
土偶のかけら、小さな顔だが面白い。
こちらも。他にもたくさん様々な表情の小さなお顔が並んでいた。
「発掘30周年・マムロガワクジラ、新生代の海を泳ぐ」という特別展開催中だった。

同じ公園内にある山形市郷土館は、かつての病院、旧済生会本館。国指定重要文化財。重文マニアのN君が見逃す訳がない。明治11年竣工の洋館建築。内部には病院関係の当時の資料が展示されている。

1969年に移築復元されたそうだが、かなり老朽化している。
瓦屋根など、剥がれている部分も目に付いた。

さて、大朝日岳の帰りに食べた冷たい肉そばが忘れられないというW君の熱い思いをかなえるべく一寸亭ではなく、東根市にあるそば処東亭へ。大人気店なので、混雑する前にと開店直後を狙って11時過ぎに行ったが、もう店の前の駐車場は一杯。かろうじて1台出てくれたので停めることができた。日曜とあって子連れのファミリー客も多い。山形の蕎麦屋で多いゲソ天と冷たい肉そばのセットを注文。これをそばではなく、中華麺にして頼んでる県民も多く、N君、迷っていた。

いやこれは何度食べても旨い。しかし、この店のは初めてだが、量が多い。
ちょいと味も濃いめかな。若者向きかな。
ゲソ天も旨いが、カボチャがめっちゃ旨い。また食べたくなってきた。

満腹となって、次に目指したのは、サクランボ直売所。でかい店内にものすごい量のサクランボ。安いのから高いのまでもう何をどう選んでいいのか分からない。そこに凄い数の買い物客。皆さん、真剣に品選びをされている。売れるハナから補充が運ばれる。カゴをいくつも一杯にしてカートに積んでいる人もいる。さらにレジの外には、配送専用のプレハブも立っていて賑わっている。

左の列はお安いパック。500円~1000円ぐらいまで。
右は箱入りで、こっちは数千円レベル。結局、お土産に1パック、
他にここで食べようと袋入り350円も買って、外で皆で食べたが、350円でも十分美味しい。
東根市内にはサクランボ畑ばかり。こんな感じでハウスの中でびっしり実が付いている。
ちなみにサクランボ狩りは、ぼくらはやってないけど、45分1400円だった。

次に向かったのは、酒屋源八。仙台の行きつけ居酒屋ニコルの店主が仕入れに来る店。以前、初めて訪問したときは、店内でばったりニコルさんと出くわして驚いた。今回は冷蔵部屋を狙い撃ちして、遠野どぶろく2種と天穏、生酛どぶはタンク違いがずらり並んでいて選ぶのに迷う。4本を宅配便で手配した。他の皆さん、あっけにとられていて何もお買いにならず、申し訳ありませんでした。

店主は読書家でもある。文芸誌などよく読んでいらっしゃるようだ。
隣にもいわゆるフツーっぽい酒屋が立っているのだが、どんな関係??

さらに慈恩寺へ。3回目とばかり思っていたが、よくよく思い返せば、これで4回目だった。御堂如来展と題して、すべての建物の仏像が公開されていた。まずは本堂、弥勒菩薩像、多聞天、持国天など。

相当茅葺き屋根が傷んでいるなあと思ったら、来年から3年計画で葺き替えが始まるそうだ。
なんと総予算2億2000万円、ひえー。

次に三重塔。こちらは大日如来。

仏様が外から見えないように布を垂らしてある。

そして、薬師如来とその奥に重文の十二神将立像を安置する薬師堂。さらには阿弥陀如来を祀る阿弥陀堂。薬師堂にいたボランティアガイドの地元のオバさんの話が面白かった。その後、最近できた麓にあるお洒落な慈恩寺テラスでひとやすみ。

慈恩寺テラス。ここの駐車場に車を駐めて、寺まで往復する人もいるようだった。
テラス内のカフェでソフトクリームを食べたが、濃厚な牛乳の味わいが美味しかった。

本日の宿は、山形市内繁華街、七日町のショッピングビル直結のホテルステイイン七日町。プレミアム新館が4200円と格安で予約できた。部屋はフローリングで広々。

シングルルームにしておくのはもったいないくらいの広さ。
トイレと広いバスルームは扉で仕切られていて別室になっている。

夕食前に市内観光。文翔館という郷土館になっている旧県庁、その隣の旧県会議事堂。初めて見ると思ったら、昔、大朝日岳に登った時の帰りに寄ったはずと言われ、古い自分のブログをチェックしたら、しっかり写真をあげていた。ありゃま。ボケるのもほどがある。

旧山形県庁。現在は郷土館、文翔館。

さて、今夜の夕食は駅向こうのアルケッチァーノコンチェルト。本店や東京店は何度か行ったことがあるが、山形のアルケッチァーノは初めて。駅ビルの土産物屋に寄ってから、駅西口側のやまぎん県民ホールという立派なコンサートホールへ。その外にお店はあった。最安の4000円コースで予約してある。登山靴で入店するのも申し訳ないが、店員さんにゴメンねしたら、いいですよ、どこへ登るんですかと気持ちよく応対してくれた。

秘伝豆の冷製スープの後、パスタは春キャベツとアンチョビのペペロンチーノを選択。
キャベツがたまらなく美味しい。
店員さんが記念撮影しましょうかと気を遣ってくれた。
メインは庄内浜の魚のグリル、今日はスズキでトマトソース。
その後が名物のオイル寿司。左上マグロには緑のラー油、右上アラコにはバジルオイル、
左下アオリイカは生姜オイル、右下クロムツにマンダリンオイル。大変繊細で美味。
お店入り口を入った正面のカウンター。鶴岡の本店の建物はまもなく取り壊しという。
そもそも昔のドライブインを借りて営業していたからなあ。

地元のイチゴおとめ心を使ったデザートも大変美味しく、ジイサンには量的にも十分だった。ただ、若いW君には少々物足りず、ホテルに帰ってから、県産ワインとチーズの店に出かけたそうだ。

市内中心部も日曜の夜8時過ぎには閑散としていた。

さあ、明日の朝は5時前に出発だ。

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