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2022年8月 隠岐2 島前・西ノ島

別府港で内航船から下りると、隠岐汽船創設者の像が立っていた。

西ノ島は宿泊はせずにレンタカーで午後3時過ぎまで回る予定。車を借りに行くと(ちなみにここは観光協会ではなく、民間のレンタカー会社がある)、絶対にオススメだからと国賀海岸の観光船に乗るよう勧められ、割引券もくれた。
まず向かったのは、島南部の鬼舞展望台。知夫里島で見そびれたカルデラの眺めを見たかった。が、なんとここも真っ白い霧の中。

前日の知夫里島と同じように高いところだけ雲の中に入っている。
看板はあったものの、展望所周辺では牛にも馬にも出逢わなかった。
鬼舞展望所の一帯は、ヒメヒマワリの群生地らしい。牧場内にもたくさん咲いていた。

少し下っていくと、少しだけカルデラっぽい景色を見ることができた。

見えているのはほとんどが西ノ島。カルデラ展望は、旧火口部が陥没してできた内海を
島前の3つの島が取り囲むようにしている様を見られないと、本来の価値はない。

さて、10時40分発の観光船のチケットを購入した。3000円だが、500円割引券で2500円になった。同乗者は夫婦連れ1組、若い男子1名、幼い子連れ家族4名。

チケット売り場では、検温、手指消毒はしたが、船の中には仕切りなど一切無し。
人数が少ないので密ではないが、冷房してあるので窓は閉め切り。
少々心配したが、後ほど全く問題ないことが判明。

浦郷の桟橋から出航。外海へ出るために、狭い船引運河を通り抜ける。その手前から、湾内に係留してある漁船を揺らさないため減速運航。運河はさらにスピードダウン。20トン以下の船のみ通行可能。

昔は運河を越すために陸地で人が船を引いて歩いたため、船引運河の名前が付いたという。

運河を抜けると、右手に砂浜の海水浴場。子供らが遊んでいた。やがて外海へ出た。まず、左手に白っぽい豆腐岩、そして白い亀島。

言われてみれば亀のように見えなくもない亀島。

船のどちら側に座っていても景色を楽しめるように、見所へ来ると、向きを変えて見せてくれる。さらにそのような場所では、客はみな窓を開けて撮影する。結果的に、換気の問題はクリアされる。棍棒岩と鬼ヶ城、さらにそそり立つ魔天崖(冒頭写真)。そして洞窟の穴が見える乙姫御殿。船長が波の具合を見て、中には入れるかどうか判断するとアナウンス。行きます、という案内。ゆっくり狭い洞窟に入っていく。

乙姫御殿。さて、あの中に入れるのか。
うわっ、ぶつかりそう。実際、この後、もう少し進んで、引き返す時にちょっと
左側の岩肌に船体が当たり、青いペンキの色が岩に付いた。
出る時はバック運転で、この狭い穴を抜け出す。
いやあ、とても楽しいアトラクションだった。DLのジャングルクルーズより楽しいかも。

さらに、通天橋。昔はこの穴の中を通り抜けていたらしいが、常に崩落しているので、現在は通り抜け禁止。

通天橋。反対側の陸地からは、陸上からの見学ができる。

さらに、観音岩、知夫里島より規模は小さい赤壁など見て、南端にある長い洞窟、明暗の岩屋は波の具合で今日は航行不可能ということで、引き返した。再び船引運河を通り抜けた後、陸上で何やら舟みたいなものを作っている人の姿が見えた。お盆の行事で使うシャーラ船だと、後で分かった。

いわゆる精霊流しのための船を造っているところだった。
かつては子供達の仕事だったようだが、現在は大人達が造るようになったそうだ。

下船して、昼ご飯。鮮魚ひものという赤い看板を掲げる、にしわき鮮魚店。老夫婦がやっておられる。

食事は左手の屋外。日よけの天井はあるが、冷房はない。
ご縁定食1600円。ご飯は天然あわび炊き込みご飯。ご飯も煮魚も刺身も美味しかったが、
サザエの壺焼きが、焼き加減素晴らし過ぎる。ふんわり柔か仕上げ。吞めないのが残念。

近くにちゃんとしたコーヒーを飲める店がありそうだったので寄ってみた。Sailing coffee、古民家を改造した店。美味しいコーヒーだった。宿のコーヒーはインスタントだったので、これは嬉しい。

Sailing coffee 店内の装飾もお洒落。Tシャツなども売っていた。

平安末期に隠岐国一の宮に定められたと伝わる古社、由良比女神社へお詣り。長男夫妻がコロナに罹患し自宅療養中のため、快癒祈願。神社本殿脇に珍しい写真が飾ってあった。

祭神のイカにまつわる伝承が伝えられ、すぐ近くの浜はイカ寄せの浜と呼ばれている。
本殿右に昔の写真。手で拾えるほどイカが集まってきたらしい。

知夫里島には後醍醐天皇上陸の地という標柱のみが立っていたが、配流先は中ノ島(一説には隠岐の島国分寺)。幽閉されたのは黒木御所。別府港を見下ろす高台に跡地があり、黒木神社が祀られている。

高台の木立の中に黒木御所跡があった。
高速走行を開始したレインボージェットの姿が高台の上からよく見えた。
黒木御所跡から階段を下ると海辺に出る。海に向かって鳥居が立っている。
後醍醐天皇ゆかりの文書類を展示する碧風館には、周辺の考古資料なども展示されていた。
隠岐で産出した黒曜石がたくさん出土している。

共通入場券で入れる西ノ町ふるさと館にも寄ってみた。精霊流しの船の模型も展示されていた。

先ほど見かけたシャーラ船は、完成するとこのような姿となり、海に流される。

車を返却し、別府港へ。内航船いそかぜを待つ。

来居港からいそかぜがやってきた。これに乗って、隣の中ノ島へ向かう。
別府港のフェリーターミナルには大きなフェリーも停泊中。


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