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201806 ベルサイユとパリを少しだけ贅沢に フランス紀行・後篇

 モン・サン・ミッシェルを後に、ベルサイユへ向かう。ここまで宿泊したのは立地優先だったが、この先は宿自体が旅の目的となりうるホテル。まずはベルサイユ宮殿に隣接するトリアノン・パレス・ベルサイユ・ア・ウォルドルフ・アストリア・ホテル。
 建物の外観からして宮殿風。外壁にも装飾を凝らしてある。広々とした客室は、天井がとても高い。ベランダへ出てみると、右手の森の向こうに宮殿の建物が見えた。
 夕食を摂ったホテル内のレストランは、ちょうど結婚祝いのパーティーが行われていた。いただいたのは、ニース風サラダとアンガス牛ステーキ、デザートはイチゴのティラミス。
 夏の間、週末の夜、ベルサイユ宮殿の庭園では噴水と花火のショーが行われている。食後に出かけたが、あいにくの雨。噴水のライトアップを少し観て回った後、軒下で大勢の観光客と一緒に雨宿り。雨脚が強まり、気温もぐっと下がり、寒い。結局、23時の花火まで待ちきれず、ホテルに戻った。
 翌朝は快晴。朝食後、ホテルの周囲を散歩。すぐ裏は、宮殿の牧場。ヤギが牧草をのんびり食べていた。
 午前中は、ベルサイユ宮殿を見学。さすが大観光地、観光客で大混雑。
 昼食は、1年前に宮殿内に開店したアラン・デュカスの店、OREで。内装は現代的意匠。料理は、見た目も美しく、味もいい。とりわけナッツをからめたシュー生地のデザートが印象的だった。宮殿内にはさらに、同じくアラン・デュカスの高級フレンチと高級ホテルが間もなく開業予定だという。
 午後は、プチ・トリアノンとその庭園の田舎風村里を回る。マリー・アントワネットが、田舎遊びを楽しむために金をつぎ込んで造らせ、革命時にその贅沢ぶりを非難されたという。
 ベルサイユを後に、パリ市内中心部へ。2泊滞在するのは、ホテル・スクリーブ・パリ・オペラ。館内のレストラン、リュミエール入口には、英仏語で説明書きがある。1895年12月28日、世界で初めてここで映画が有料上映された。作者はリュミエール兄弟。壁には、兄弟や映画シーンの写真が飾られている。古き良き時代を偲び、美味しいラム肉をいただき大満足。
 翌日は、朝からルーブル美術館、サンジェルマン通りの老舗カフェ・ラ・パレットでのランチを挟んで、オランジュリーへ美術館のはしご。移動に使うメトロでは、カルネという10枚つづりの回数券が便利だった。
 夕刻前、メトロでサン・ポール駅へ。地上に出たら可愛い回転木馬。土産物を探しながら、小さな店々に寄る。お洒落な小物を売っている店が多い。驚いたのは、どんな小さな店でも、必ず英語で、メイ・アイ・ヘルプ・ユー?と店の人から声をかけてくれること。
 夕食は、日本人シェフの店、レ・ザンファン・ルージュ。赤い子供たち、の意だが、すぐ近くに同名の市場がある。フェイスブックで事前に予約した。小さな店内は瞬く間に満席となってしまった。日本人もいるが地元の方々も。
 妻と二人でシェアし、前菜はジビエのスープと豚頭のテリーヌ、主菜はリード・ヴォーとアンコウのフライ、デザートはパフェとババ・オ・ラムをいただいた。どの皿も素晴らしく美味しかった。サービスも丁寧で、お腹だけでなく、心も豊かに満たしてくれた。
 最終日は、開館前からオルセー美術館へ。長い行列。特別展示されていたセザンヌ肖像画展が興味深かった。
 フランス最後の食事は、カナル&シャンパーニュで、鴨のコンフィとシャンパンのランチ。古いパッサージュ(アーケード街)に面したテラス席で、フランス旅行の締め括りとした。

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