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2022年7月 津軽~青荷温泉

今回の旅の主目的は2つ。ひとつは八甲田登山、もうひとつは沖永良部島から十三湖近くへ引っ越した元会社の後輩女子(山仲間でもあった)に会いに行く。
最近の花の山旅はいつもの3名プラス1名になりつつある。3名は前日から青森入りしたが、プラス1名のW君は金曜日はどうしても外せない仕事があり夜遅くまで残業、で、本日、土曜日の始発東北新幹線で合流する。
その前に我々年寄り組にはミッションがある。青森のホテルを7時に主発。目指すは津軽の金木。とあるスーパーで個数限定で売られる幻の笹餅を買わなくてはならない。とりあえず、金木の観光。N君金木初めて。

金木、と言えば、太宰治。生家の斜陽館は今はもう旅館としては営業していない。向かいに物産館ができていた。
そして、津軽鉄道金木駅。駅舎待合室には樹齢350年の青森ヒバが立っている。
走れメロス号、金木駅でしばらく停車していたが、運転士はずっと駅員と話し込んでいた。
近くにいたYさんによれば、当然津軽弁で、何を言ってるのか全く分からなかったそうな。

さて、お目当ての笹餅を売っているスーパーへ。ギョッ、めっちゃデカイ店。

スーパーストア。右にこれと同じくらいの入口がもうひとつある。

90歳を超すミサオおばあちゃんが、材料となる餅米、小豆など自分で栽培し、笹の葉も自ら伐り出し、手作業で餡を作り、蒸す。これが評判で本も出ているくらい。高齢のため、今は週2回のみ個数限定販売されている。開店30分前だが、2人ほど並び始めたのを見て、我らも並んだ。この日、開店前には20名弱が行列を作った。ドアが開くと、1列に並んだ従業員の皆さんにおじぎで迎え入れられ、しずしずと奥の売り場へ歩く。走るなど下品な客はいない。売り場には店員さんがいて、ひとり5個までと説明。と、これまでのお行儀良さはかなぐり捨てられ、四方八方から手が伸びてきた。やばい、ぼくは3個買った。2個入り、1袋219円税込み。

これが大人気のミサオおばあちゃんの笹餅。

さて、一仕事終えたぞ。W君を迎えに行く前に、1ヵ所、縄文遺跡へ。大平山元遺跡。日本最古の縄文土器が発掘された遺跡だ。

近辺には石器時代の遺跡がいくつかある。ここからも石器は出ている。縄文時代と判定される土器が出なければ、その他大勢となっていた。土器の発掘場所が示されている。

近くにある資料館は廃校跡の活用。専門家ではない駐在の女性が説明してくれて、これが分かりやすくて良かった。遺跡発掘のきっかけは1971年当時中学生だった張山君。石斧を畑脇で掘り当てた。その後の発掘調査で最古の土器と分かり、大騒動となった。

館内に入って初めて、ここが廃校跡だと分かる。
これが縄文最古の土器破片。素人目には土器片だとすら分からない。

さて、少々時間がかかりすぎたぞ。新幹線で来るW君とは、奥津軽いまべつ駅で待ち合わせている。こちらが少し遅れそうなので、隣接する道の駅で待ってもらう。駅に着くと、こんな山の中に凄い駅を作ったものだと驚いた。

東北新幹線の奥津軽いまべつ駅。左下には津軽線津軽二股駅がひっそりとある。
道の駅で売られていた魚介類が安すぎてヤバかった。天然真鯛250円、ソイ300円、地ダコ300円など。買って帰りたかったなあ。

さて、W君も無事合流して出発。目指すは龍飛岬。実はぼくも初めて。階段国道はホンマに階段だった。

これで国道! すごいねえ。

龍飛崎の展望台からは目の前に北海道が見える。海峡を船が行き交う。

苫小牧港へ向かうのか、新日本海フェリー。
岬に立つ石柱は普通の三角点ではなく、石柱の上に渡海三角点、とあった。
石柱の下の方には渡海水準点もあった。
龍飛埼灯台。
記念撮影もwithマスクにて。
岬周辺にはスカシユリ、キリンソウ、ハマフウロなどが咲いていた。

展望台の少し下には、歌謡碑。ご存じ名曲、津軽海峡冬景色が爆音で流れる。しかも2番から。♪ ご覧、あれが竜飛岬~。いいねえ。この景色には絶対歌謡曲だな。

津軽海峡冬景色歌謡碑。

さて十三湖畔に住むMさんとの待合せは、青函トンネル記念館併設の道の駅。彼女が沖永良部にいる頃に遊びに行ってその息子さんとも会っている。ほう大きくなったなあ。まずは一緒に青函トンネルの体験坑道駅までケーブルカーで往復する。海面下140mまで小さなケーブルカーで下りる。乗車前に記念館をひとめぐり。

青函トンネル記念館駅。ここから体験坑道駅まで下る。
もぐら号に乗り込んで海底の駅へ。
体験坑道駅に着くと、案内役に従ってトンネル内の見学。なぜか自転車が10数台も置いてあった。トンネル内の展示を見ていくと、いかに青函トンネル工事が難工事だったかよく分かる。

見学を終えて、お昼ご飯。食堂たっぴで岩海苔ホタテラーメン。

ホタテのいい出汁が出ている岩海苔ホタテラーメン。

龍飛崎からMさん親子と一緒に縄文遺跡見学へ。亀ヶ岡石器時代遺跡。途中、十三湖のすぐ脇を走る。

十三湖は水が濁っていた。

亀ヶ岡石器時代遺跡へ行くと、近くにある亀ヶ岡考古資料室が16時までと分かり、先にそちらへ。駐車場にはオカトラノオがいっぱい。

オカトラノオ。
重要文化財に指定されている遮光器土偶は東京の国立博物館に保管されている。
こちらの資料室には頭部のない遮光器土偶が展示されていた。
土器は素朴な装飾しか施されていない。
小さな土偶の頭部。素朴な表情。
こちらも実に素朴な表情の土偶頭部。

資料室を見学後は、遺跡の方へ。ショップでしゃこちゃんアップルジュースを買った。皆で巨大なしゃこちゃん石像の前でしゃこちゃんポーズで記念撮影。その後、朝に買い求めたミサオばあちゃんの笹餅を食べた。

そろいのしゃこちゃんポーズで記念撮影。
美味しいアップルジュースだった。
ミサオばあちゃんの笹餅、想像以上にやさしく上品な味わい。自分の手で摘んでくると言う笹の葉も柔らかくいい香りがする。

遺跡は名称としては石器時代となっているが、明治時代に低湿地から発掘された遮光器土偶は、縄文時代晩期、紀元前1000~400年頃のもの。

亀ヶ岡石器時代遺跡は世界遺産の構成資産。土杭墓が群集する墓域が広がる。
遮光器土偶は遺跡入口の巨大しゃこちゃん像の後方、低湿地の捨て場から明治時代に掘り出された。

亀ヶ岡石器時代遺跡のすぐ近くに、田小屋野貝塚。こちらも世界遺産の構成資産。

田小屋野貝塚では今も発掘調査中。集落内で貝輪製作も行われていた。
画面左奥、歩道の終点には、「竪穴建物跡・貝層」の説明板が立っている。
縄文時代前期中葉、紀元前4000年前頃。

見学後、Mさん親子とはお別れ。次はどこで会えるかねえ。ご主人の転勤が3年ごとくらいにあるのだ。
さあ、今夜の宿、青荷温泉へ。夕食時間18時に間に合うかどうか微妙なので電話だけ入れておいた。高速道を経由して、18時ちょうどにチェックイン。部屋は2005年にできたという別館、滝見の湯の2階。荷を置いて大広間へ向かい、夕食。こちらはランプの宿。食事の内容が目を近づけないとよく分からない。焼きたてのイワナ、山菜やキノコあれこれ、イカメンチ、煮物、鍋など。まずは生ビールで乾杯。

ランプの宿青荷温泉、ぼくは20数年前に一度泊まっている。ずいぶんその当時とは変わっているはず。
17年前にできたという滝見の湯。この2階右側が我々の部屋。
滝見の湯の向かいには混浴の露天風呂。あとでゆっくり入ろう。
オトギリソウが咲いていた。
夕食の膳。今は大広間で食事をするが、昔はもっと小さな食堂だったような気がする。
ストーブの上にお代わり自由の味噌汁の鍋が載っていたことを覚えている。

ここはお酒が安い。日本酒の冷酒はオリジナル酒で400円。

なかなか美味しい日本酒だった。
8年前に新装オープンしたという本館の内湯。全部で4つの浴室がある。夕食後、すべての浴室を一巡りした。露天風呂と滝見の湯の露天がぬるめで気持ちよかった。滝見の湯の露天に浸かっていたら、すーっとホタルが飛んでいるのが見えた。
翌朝、6時出発のため、4時に起きて、健六の湯と滝見の湯の露天風呂へ。滝見露天は昨夜は暗かったので見えなかったが、ちゃんと滝を見ることもできた。


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