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2019年5月21~23日 大台ヶ原(1695m)~大杉谷

日程:5月21日大和上市駅→定期路線バス→大台ヶ原→苔観察路→中道→大蛇嵓→シオカラ谷→心・湯治館(泊)  5月22日心・湯治館→中道→大蛇嵓→日出ヶ岳→シャクナゲ平→堂倉滝→崩壊地→七ツ釜滝→桃の木山の家(泊)  5月23日桃の木山の家→平等嵓→千尋滝→大日嵓→発電所→駐車場

メンバー:5月21日単独 5月22~23日:秋田、糸の会メンバー5名、コーチ

数年前にいつもの花仲間と大峰山へは登った。いずれ、大台ヶ原から大杉谷へは行きたいと思っていたら、糸の会の今年の計画に入っていたので、ためらわずに参加。基本計画は5月22日早朝に新幹線で東京から京都経由、吉野、さらにタクシーで夕刻大台ヶ原の宿へとなっていた。大阪で会いたい人もいたし、前日関空へ飛んで大阪1泊、大和上市駅前から9時に出る1日1本きりの路線バスで大台ヶ原へ先乗りすることにした。

実は天気が心配だった。目指すエリアは日本有数の豪雨地帯。山の上は20日まで1週間雨が激しく降り続けた。そして、21日、見事に晴れ上がった。まだまだ晴れ男パワー、持ってるなあと自画自賛。奈良交通の大型バスに乗り込んだのは10数名の登山客。途中までは吉野川に沿って走り、山道に入るとぐんぐん高度を上げて、10時45分、大台ヶ原駐車場に到着。

宿はまだチェックイン出来ないので、荷物だけ玄関先に置いて、まずはビジターセンターで軽く予習。その後、宿の周りの苔観察路を歩いた。セイタカスギゴケ、コセイタカスギゴケ、イワダレゴケ、ジャゴケ、キリシマゴケなどが見られるとセンターに書いてあったが、どれがどれかはよくは分からず。ただし、苔が実に多いことだけは確か。コミヤマカタバミが白い花を所々で開いている。苔の下の方には小さなスミレ。ヒメミヤマスミレだろう。

昼食後、今度は中道を歩いてみた。沢筋にバイケイソウの群落。道は広くてフラットで歩きやすいが、前日までの雨のせいか、水が出ていて、川みたいになってる箇所もあった。やがて突き当たり、左へ行くと最高峰、日出ヶ岳だが、右へ。広い笹原に出た。このあたりの大きな切り株は大正時代に檜を伐り出した跡。しばらく行くと、突然、大きな像。神武天皇。弓の先には案内役のヤタガラスがいる。

その先、周回路から左へ。お、シャクナゲが咲き始めている。ツクシシャクナゲという種類らしい。1週間後ぐらいは全開だろう。さあ、だんだん突き当たりへ。そこは大蛇嵓。まるで蛇の頭のような岩が、切り立った渓谷の上に突き出ている。大峰山系から熊野の山々まで大パノラマが広がる絶景。高度感もたっぷり。右手には山腹高いところから滝が豪快に落ちている。

分岐まで戻り、シャクナゲのトンネルを200m近く下り、また登り返し、駐車場へ戻る。今夜の宿、心・湯治館にチェックイン。やがて今朝東京を発った他のメンバーも到着。夕食は野生のイノシシ鍋、アメゴ(山女魚)塩焼きなど山の宿ならではのご馳走。壮大な夕景と満天の星空も楽しんだ。

翌朝は、昨日ぼくが歩いたルートで大蛇嵓まで行き、日出ヶ岳山頂を目指す。今日もありがたいことに快晴。凄い雲。まるで秋の雲。日出ヶ岳への木製階段の途中の展望台からは、尾鷲方面の熊野灘が思ったより間近に見えて驚いた。さらに山頂からは、志摩半島も。条件が良ければ富士山が見えることもあるそうだ。山頂展望台で腹ごしらえ。

さてここから先は、いよいよ大杉谷。ビジターセンターでも、大杉谷へ下るならヘルメットをかぶって下さいと言われたし、実際にすれ違う人達には着用している人も多かった。滑落、転落事故が多い危険エリアなのだ。大台ヶ原と同じくこちら側でもシャクナゲがずっと続く。花もきれいだが、蕾はまるで和菓子のような美しさ。

やがて避難小屋を経て、山頂から2時間半、堂倉滝へ着いた。とろけるように青い滝壺に水量たっぷりの滝が豪快に落ちている。この先は渓谷沿いの道。激しい流れがゴウゴウと迸っている。隠れ滝、光滝と過ぎ、目の前に巨岩が積み重なった崩壊地へ出た。ここが10年間、大杉谷登山禁止だった原因の箇所。数年前にやっと登山道が整備されて再開した。

その先に七ツ釜滝。本日の滝の最大の見所。高い場所に滝壺がいくつかあり、流れ下ってくる。別の川に、大杉谷の滝のうちのどれか一つでもあったら、それだけで客を呼べる名勝になったに違いない。ここはまるで滝と渓谷のディズニーランド。

今日はよく歩いた。大台ヶ原の宿を7時45分に出て、16時過ぎ、やっと桃の木山の家に到着。昨日も風呂があったが、今日も風呂に入れる。なんとありがたいことか! 小屋は思ったより宿泊客が多く、大半は下から登ってきた人。天候回復を待って、皆さん登ってきたからだ。2交代制の先の回、17時半からの夕食は、カレーライスと豚カツ。

翌朝も快晴。6時45分に小屋の前の吊り橋を渡って出発。本日は川沿いに登り下りを繰り返しながら、基本的には下っていく。まずは、大きな一枚岩、平等嵓。その先にニコニコ滝。吊り橋が多い。燃え立つような新緑。相変わらず様々な苔も多いし、シダ類も増えた。

本日最大の見所は千尋滝。高い場所から何段にもなって流れ落ちている。展望小屋からは最上部あたりしか見えないけど、それだけでも迫力満点。上って下って、吊り橋を渡ってを繰り返す。所々、岩の間からシャワーを浴びる。終点が近づいて、河原で一服。山の緑が微妙に色違いでせめぎ合っている。やがて、中部電力の発電所が見えて、ゴール。発電所と言っても、ここから水を引いて落とし、尾鷲で発電するのだそう。

昨日今日で1400mほどの下り。腿と脹ら脛がさすがにパンパンに張っていた。


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